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概要·鑑定·指定·伝来·刀姿·銘·系譜·流派
概要鑑定指定伝来刀姿銘系譜流派
  1. 流派
  2. 肥前忠吉
  3. 忠吉

Hizen Tadayoshi

忠吉

特重
巻 14, 番 40 · 刀

Hizen Tadayoshi

忠吉

評価作品60点

国肥前時代Enpo (1673–1681)時代区分江戸流派Hizen Tadayoshi伝法Shinto代3rd師匠Tadayoshi藤代Jo-jo saku刀工大鑑1,000(上位8%)種別刀工コードTAD289
2御物
9特別重要刀剣49重要刀剣

概要

忠吉は肥前一門の本家が継いだ名で、慶長以来佐賀にあって鍋島藩の抱え工であった。初代橋本新左衛門は慶長元年に藩命により上洛し、「京の埋忠明寿の門に学び」、帰国して佐賀城下に住し、藩の庇護のもとに大いに繁栄した後、再び上洛して武蔵大掾を受領し、名を忠広と改めている。その五字在銘の刀一口は慶長新刀の時代色をよく示し、身幅広く元先の幅差少なく、反り浅く大鋒の体配に、小板目の地鉄に地沸つき地景細かに入り、直刃調に浅くのたれた刃を焼いて足・葉よく入り小沸のつく。もっとも本コードに集まる作域は概ね後代の手であり、最もよく描き出されるのは三代陸奥守忠吉である。二代近江大掾忠広の嫡子で、土佐守家歿後に本家へ忠吉銘が返上されて襲名し、説明書はこれを肥前本家上三代中最上の鍛冶とする。

その典型は抑えのきいた作域にある。よくつんだ小板目の上に、説明書が「彼が最も得意とした中直刃」と評する中直刃を焼き、処々浅くのたれて僅かに小互の目ごころを交え、小足・葉入り、匂深く小沸よくつき、細かに金筋・砂流しがかかって匂口の明るく冴える。帽子は終始直ぐの小丸で、時に深く返り先掃きかける。姿は幅広く長寸で重ね厚く手持ち重く、説明書はこれを父ならぬ祖父の手と読み、「父よりもむしろ祖父の初代忠吉を想わせる」と繰り返す。

声価の拠るところは地鉄である。よく鍛えた小板目が肥前の米糠肌となり、地沸が微塵に厚く均しくつき、地景が入って深みを加え、かね冴える。説明書は本家上三代のうちその鍛えを「上三代の中で最も強く精美」とし、また「鍛えの良さは彼の真骨頂」とその鍛錬の良さを彼の本領とする。その地に対して刃文は比較的おだやかで、働きは大きな房ではなく深い匂と小沸、細かな金筋・砂流し、そして何より匂口の冴えに托される。

直刃の傍らには華やかな肥前丁子の作域がある。丁子の乱刃も上手で、互の目を交えた丁子乱れに太く足が入り、金筋・砂流しかかり、匂深く小沸つく。ある太刀の丁子は父のそれに近く、説明書は常に見る陸奥の作風と分かって「父近江の丁子乱に見紛うもの」と評する。直刃の静けさに対する明るい一面である。いま一つ説明書が説くのは五字銘の稀少である。ある「肥前国忠吉」五字銘の刀は、銘の鏨使い・目釘孔の位置・作風より初代ならず三代と鑑せられ、「同工の五字忠銘は極めて珍しく」、同工を知る上で貴重な資料とされる。また本家は刀の場合に指裏、すなわち太刀銘に切るのを常とし、「刀の場合に指裏」でなく差表に切る作は特に真偽に注意すべきと諭す。

本家のうちで三代を分かつのは、まさに極めの言うところである。その作品が比較的少ないのは、作刀期間が短かったことと、長命・多作の父の代作に任じていたためであり、二代近江大掾忠広が一門の広く開かれた記録であるのに対し、三代はその最も強く精良な手である。明るい米糠肌の直刃と力強い姿は後の肥前刀を読む基準をなし、説明書は彼を父からは鍛えの強さと地刃の冴えによって、初代からは鉄のつみと精良さによって分かつ。彼が守るのは保守の道、祖父の直刃を最上の冴えで継いだ手である。

収集の観点では、知り得る、そして鎌倉の大名跡に比べれば手の届く名である。藤代の極めは上々作。国宝・重要文化財はなく、その声価は特別重要刀剣九口と重要刀剣四十九口、両位あわせて五十八口に拠り、特別重要刀剣の数口を説明書は彼の最高の出来と評し、うち一口は「藩政時代は鍋島家に伝来した」一振りである。来歴は記録される限り皇室と、その家が仕えた鍋島家を通じている。本家在銘の肥前忠吉は相応の数が残り、鎌倉の巨匠とは比すべくもなく世に出やすいため、重要刀剣位の極めある一口は根気強い収集家にとって決して手の届かぬものではなく、一方で三代最上の米糠肌に直刃を焼いた健全で堂々たる刀が世に現れるのは時折のことで、現れれば一つの里程標となる。

鑑定

代別に読む本家の多代の手:初代の慶長新刀たる五字の作、最もつんだ米糠肌に匂深い中直刃を焼く三代の典型、そしてその直刃の傍らを走る華やかな肥前丁子の作域

忠吉は肥前一門の本家の名で、慶長以来佐賀にあって鍋島藩の抱え工であった。本コードの作域は概ねその二代の手であり、なかでも三代陸奥守忠吉が大半を占め、初代は五字在銘の刀一口に代表される。初代橋本新左衛門は藩命により京の埋忠明寿の門に学んで帰国し、後に武蔵大掾を受領して忠広と改めた。直刃調に浅くのたれて足・葉が入り小沸のつくその作風が一門の基礎をなす。作域の典型は二代近江大掾忠広の嫡子たる三代で、説明書はその鍛えを上三代中最も強く精良とし、米糠肌は最もよくつみ、匂深く小沸よくつき細かに金筋・砂流しがかかって匂口の明るく冴える中直刃を最も得意の作域とし、父よりむしろ祖父を想わせる幅広で力強い姿に焼く。直刃の傍らには華やかな肥前丁子の作域があり、互の目を交えた丁子乱れを説明書は父の丁子に通うものとする。帽子は終始直ぐの小丸である。

鑑定の決め手

作品の41%

匂深く小沸よくつき金筋・砂流しがかかって匂口の明るく冴える中直刃は、説明書が三代の最も得意とする作域とするところで、華やかな丁子に対する静かな一面である

作品の55%

作風の変遷

初代(五字忠吉・武蔵大掾忠広)、一門の祖

初代橋本新左衛門は肥前鍋島藩の抱え工で、慶長元年藩命により京の埋忠明寿の門に学び、帰国して佐賀城下に住し藩の庇護のもとに大いに繁栄した。のち再び上洛して武蔵大掾を受領し、名を忠広と改めている。作域に伝わるその五字在銘の刀一口は慶長新刀の時代色をよく示す。身幅広く元先の幅差少なく、反り浅く、大鋒延びごころの体配に、小板目肌つみて地沸つき地景細かに入り、直刃調に浅くのたれて小足・葉よく入り、小沸つき処々荒目の沸を交え、刃縁ほつれて金筋・砂流しの細かにかかる。彫物はなく、裏には後年の山野加右衛門尉永久による金象嵌截断銘がある。説明書は銘振りより慶長二十年前後の作と鑑る。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi

三代(陸奥守忠吉)、中直刃の典型

作域の典型は三代で、二代近江大掾忠広の嫡子、通称新三郎、橋本本家三代目を継ぎ、土佐守忠吉歿後に本家へ忠吉銘が返上されて襲名した。万治三年陸奥大掾を受領、寛文元年に陸奥守に転じ、貞享三年に父に先立つこと七年、五十歳で歿している。作品が比較的少ないのは作刀期間が短かったことと父の代作に任じていたためで、説明書はその鍛えを上三代中最も強く精良とする。小板目のよくつんだ地に地沸が微塵に厚くつき、いわゆる肥前の米糠肌状となって地景が細かに入る。これに最も得意とする中直刃を焼き、処々浅くのたれ小互の目ごころを交え、小足・葉入り、匂深く小沸よくつき、細かに金筋・砂流しがかかって匂口の明るく冴える。帽子は直ぐに小丸、時に深く返り掃きかける。姿は幅広く長寸で重ね厚く、父よりむしろ祖父を想わせる力強いものである。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi

肥前丁子の作域(直刃に対する華やかな丁子乱れ)

三代は直刃で名を知られるが丁子の乱刃も上手で、その記録の一面に肥前丁子の作域がある。互の目を交えた丁子乱れに太く足が入り、金筋・砂流しかかり、匂深く小沸つく。説明書はその丁子を祖父の出来に近いとし、ある太刀の丁子乱れは父近江大掾の丁子乱に見紛うほどと評する。直刃の静けさに対する華やかな一面である。地は小板目、時に板目で地沸つき、帽子は直ぐの小丸を保つ。

地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi
研究

説明書は三代の鍛えを肥前本家の上三代中最も強く精良とし、父よりむしろ祖父を想わせる幅広で力強い姿を彼に帰し、作品が比較的少ないのは作刀期間が短かったことと父の代作に任じていたためであるとする。

稀な「肥前国忠吉」五字銘の刀は、銘の鏨使い・目釘孔の位置・作風より初代ではなく三代と鑑せられ、説明書は同工の五字忠銘を極めて珍しく、同工を知る上で貴重な資料とする。

指定

国宝—
重要文化財—
重要美術品—
御物2
特別重要刀剣9
重要刀剣49

名工ランク

0.33 (指定作品60点)

刀工の上位8%

伝来

伝来記録4件 の鑑定作品における Tadayoshi

伝来ランク

名家所蔵4点、伝来記録4件

刀工の上位16%

素点:2.20 / 10

刀姿

評価作品60点の分布

銘

評価作品60点の銘の種類

販売中

系譜

師匠Tadayoshi
Tadayoshi
弟子(20名)
  1. 1.忠吉Tadayoshi4 販売中60指定
  2. 2.吉信Yoshinobu4指定
  3. 3.吉家Yoshiie4指定
  4. 4.忠吉Tosa no Kami Tadayoshi3指定
  5. 5.廣則Hironori3指定
  6. 6.廣貞Hirosada1指定
  7. 7.吉廣Yoshihiro2 販売中1指定
  8. 8.吉長Yoshinaga
  9. 9.行廣Yukihiro
  10. 10.忠吉Tadayoshi2 販売中
  11. 11.忠正Tadamasa
  12. 12.忠吉Tadayoshi
  13. 13.忠吉Tadayoshi4 販売中
  14. 14.忠清Tadakiyo1指定
  15. 15.忠吉Tadayoshi2 販売中2指定
  16. 16.忠吉Tadayoshi
  17. 17.忠吉Tadayoshi2 販売中
  18. 18.忠吉Tadayoshi1 販売中
  19. 19.忠吉Tadayoshi
  20. 20.吉貞Yoshisada2指定

Hizen Tadayoshi派

Hizen Tadayoshi派の他の刀工

  1. 1.忠吉Tadayoshi8 販売中125指定
  2. 2.忠廣Tadahiro7 販売中169指定
  3. 3.忠國Tadakuni1 販売中32指定
  4. 4.正廣Masahiro3 販売中32指定
  5. 5.正廣Masahiro4 販売中24指定
  6. 6.行廣Yukihiro1 販売中16指定
  7. 7.吉家Yoshiie4指定
  8. 8.宗安Muneyasu4指定
  9. 9.吉信Yoshinobu4指定
  10. 10.吉房Yoshifusa3指定
  11. 11.廣則Hironori3指定
  12. 12.忠吉Tosa no Kami Tadayoshi3指定