宗恒(むねつね)は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて備前国で活躍した刀工であり、古備前派を代表する一人として知られる。銘鑑によれば宗弘の子とされ、貞応頃(1222-1224年)の刀工とされるが、現存する在銘作は極めて少ない。古備前派は、友成、包永などを輩出し、後の備前伝隆盛の礎を築いた。宗恒の作風は、その古備前派の中でも、特に古雅な作風を示すものとして評価が高い。
宗恒の作風は、鎬造、庵棟で、腰反りが高く踏張りがあり、小鋒となる太刀姿を特色とする。身幅はやや細身で、時代の特色をよく示しているとされる。鍛えは、板目肌が良く錬れて杢目を交え、地沸が細かくつき、地景が入り、地斑映りが鮮明に立つ。刃文は、直刃調を基調とし、小乱れ、小丁子、小互の目などが交じり、足・葉が入り、小沸がよくつき、金筋や砂流しが細かにかかる。帽子は直ぐ調に小丸、または焼詰風となる。茎は生ぶであり、先は栗尻、鑢目は勝手下がりとなる。地鉄は小板目肌がつみ、地沸が厚くつき、地景が細かく入るなど、古備前の特色をよく示している。
宗恒の作は、現存数が少ないため資料的価値が非常に高く、在銘の太刀姿が健全に残るものは特に貴重である。その作風は「古香で味わい深く、気品に充ちた作域」と評され、姿の美しさ、地刃の出来の良さから古備前の品格を備えているとされる。地刃ともに健全で、肉置きが良く保たれた作は高く評価される。