種蒔農耕図大小鐔 友祥(花押) -Tomoyoshi (kaō)- 大 縦77.3ミリ 横72.5ミリ 切羽台厚5.3ミリ 重量156グラム 小 縦75.3ミリ 横70.5ミリ 切羽台厚5.3ミリ 重量147グラム 江戸後期 Late Edo period 附属 特別保存刀装具鑑定書、桐箱 友祥についてはその名の読み方はわかっていませんが、長州鐔工の一人として江戸後期に活躍した金工であり、本作は穏やかな鉄味と格調ある高彫、風景を巧みにまとめた構図など、長州鐔らしい作域をしています。 本作は鉄地を用いた大小鐔で、農夫が種を蒔き、牛を曳いて耕作する農耕の情景を、生き生きとした人物表現と巧みな高彫によって描き上げています。山並みや松、民家、田畑を巧みに配した構図には奥行きがあり、大小を通して一つの風景が連続するようにまとめられた構成も見事です。大鐔では小柄櫃穴を赤銅で埋め、小鐔では笄櫃穴を赤銅で埋めるなど細部まで丁寧に仕立てられ、鉄味も極めて良く、落ち着いた黒味を帯びた地鉄が格調高い雰囲気を醸し出しています。金・銀・赤銅・素銅による象嵌と色絵も必要最小限に効果的に配され、全体の品格を損なうことなく情景に彩りを添えており、友祥の優れた彫技と構成力を余すところなく示した出来栄えです。 大小揃いで伝わり、さらに特別保存刀装具鑑定書を備えた作品は市場でも希少であり、鑑賞価値、資料価値ともに高い優品です。





















長州派
江戸
長門
在銘
特別保存 (NBTHK)
鐔工 · 長門
現在21点販売中
長州(長門国)における鐔工の伝統は、京都の平安城透の鐔工が周防・長門の大内家に招かれて移住したことに始まる。この移住により古萩と呼ばれる一派が成立し、室町時代末期から江戸時代初期にかけて繁栄した。その後、毛利家の庇護のもとで長州は「東の会津、西の長州」と称されるほどの鐔の一大産地へと発展し、鐔工の数と作品数において全国有数の地位を占めるに至った。河治・中原・八道・岡田・岡本・金子・中井など多くの流派が輩出し、なかでも中井派の友恒(善助)は毛利家の抱え工として宝暦八年より三人扶持四石を支給され、萩鐔隆盛の一翼を担う名工として聞こえている。 長州鐔の作風は鉄地を基調とする。古萩は、画題が殆ど枝菊の鉄鐔であり、陰陽の透しを施して陰透しの線の細いところは京透に近似する一方、陽透しの部分は薄肉風に表され、「他工には見られない独特の雅味」と「繊細さと豊艶を併せ持つ渋みと柔らかな雅趣」を生み出している。後代の中井派はこの鉄地の伝統を継承しつつ、より広範な技法を駆使した。薄手の鉄地あるいは槌目鍛の鉄鐔を用い、鋤出高彫・肉彫地透・象嵌色絵・金布目象嵌など種々の工法を展開し、手長猿の遊ぶ山間の景や式三番を演じる翁と三番叟など、動きのある構図を見事に造形している。引き締まった肉取り、効果的な色金の配置、鋭く切り立った角耳に施された金布目象嵌など、鋭敏にして華麗な仕上げに特色がある。 長州鐔の伝統は、地方の鐔工群の枠を超えた存在として刀装具史上に独自の位置を占める。中井善助友恒の傑出した作品について、審査では「いわゆる萩鐔の範疇を超越した出来栄え」であり「構図、彫技、鉄味ともに傑出している」と評している。一方、古萩の作域は京都の透鐔の系譜に根ざしながらも「他の透鐔工には見られない古萩特有のもの」へと昇華されており、長門国における金工の深い蓄積と数世紀にわたる連続性を物語っている。
保存刀装具のうち、出来・保存状態が一層優れ、銘文や作風に資料的価値の高いものと認められたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイトお求めになられた商品とは異なる商品をお届けしてしまった場合や、表記内容と現物とに大きな隔たりなどがあった場合を除き、基本的に返品はお受けいたしません。返品をご要望の場合は、商品到着後3日以内に御連絡の上ご返送下さい。
種蒔農耕図大小鐔 友祥(花押) -Tomoyoshi (kaō)- 大 縦77.3ミリ 横72.5ミリ 切羽台厚5.3ミリ 重量156グラム 小 縦75.3ミリ 横70.5ミリ 切羽台厚5.3ミリ 重量147グラム 江戸後期 Late Edo period 附属 特別保存刀装具鑑定書、桐箱 友祥についてはその名の読み方はわかっていませんが、長州鐔工の一人として江戸後期に活躍した金工であり、本作は穏やかな鉄味と格調ある高彫、風景を巧みにまとめた構図など、長州鐔らしい作域をしています。 本作は鉄地を用いた大小鐔で、農夫が種を蒔き、牛を曳いて耕作する農耕の情景を、生き生きとした人物表現と巧みな高彫によって描き上げています。山並みや松、民家、田畑を巧みに配した構図には奥行きがあり、大小を通して一つの風景が連続するようにまとめられた構成も見事です。大鐔では小柄櫃穴を赤銅で埋め、小鐔では笄櫃穴を赤銅で埋めるなど細部まで丁寧に仕立てられ、鉄味も極めて良く、落ち着いた黒味を帯びた地鉄が格調高い雰囲気を醸し出しています。金・銀・赤銅・素銅による象嵌と色絵も必要最小限に効果的に配され、全体の品格を損なうことなく情景に彩りを添えており、友祥の優れた彫技と構成力を余すところなく示した出来栄えです。 大小揃いで伝わり、さらに特別保存刀装具鑑定書を備えた作品は市場でも希少であり、鑑賞価値、資料価値ともに高い優品です。





















長州派
江戸
長門
在銘
特別保存 (NBTHK)
鐔工 · 長門
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長州(長門国)における鐔工の伝統は、京都の平安城透の鐔工が周防・長門の大内家に招かれて移住したことに始まる。この移住により古萩と呼ばれる一派が成立し、室町時代末期から江戸時代初期にかけて繁栄した。その後、毛利家の庇護のもとで長州は「東の会津、西の長州」と称されるほどの鐔の一大産地へと発展し、鐔工の数と作品数において全国有数の地位を占めるに至った。河治・中原・八道・岡田・岡本・金子・中井など多くの流派が輩出し、なかでも中井派の友恒(善助)は毛利家の抱え工として宝暦八年より三人扶持四石を支給され、萩鐔隆盛の一翼を担う名工として聞こえている。 長州鐔の作風は鉄地を基調とする。古萩は、画題が殆ど枝菊の鉄鐔であり、陰陽の透しを施して陰透しの線の細いところは京透に近似する一方、陽透しの部分は薄肉風に表され、「他工には見られない独特の雅味」と「繊細さと豊艶を併せ持つ渋みと柔らかな雅趣」を生み出している。後代の中井派はこの鉄地の伝統を継承しつつ、より広範な技法を駆使した。薄手の鉄地あるいは槌目鍛の鉄鐔を用い、鋤出高彫・肉彫地透・象嵌色絵・金布目象嵌など種々の工法を展開し、手長猿の遊ぶ山間の景や式三番を演じる翁と三番叟など、動きのある構図を見事に造形している。引き締まった肉取り、効果的な色金の配置、鋭く切り立った角耳に施された金布目象嵌など、鋭敏にして華麗な仕上げに特色がある。 長州鐔の伝統は、地方の鐔工群の枠を超えた存在として刀装具史上に独自の位置を占める。中井善助友恒の傑出した作品について、審査では「いわゆる萩鐔の範疇を超越した出来栄え」であり「構図、彫技、鉄味ともに傑出している」と評している。一方、古萩の作域は京都の透鐔の系譜に根ざしながらも「他の透鐔工には見られない古萩特有のもの」へと昇華されており、長門国における金工の深い蓄積と数世紀にわたる連続性を物語っている。
保存刀装具のうち、出来・保存状態が一層優れ、銘文や作風に資料的価値の高いものと認められたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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