雉鳳凰図鐔 無銘(野村) -Mumei Nomura School- 縦75.2ミリ 横73.0ミリ 切羽台厚4.9ミリ 重さ145.1グラム 江戸後期 The late Edo era 附属 特別貴重小道具認定書、桐箱 野村派は阿波徳島藩に関係する金工派で、野村正道を中心とし、その門下から津尋甫などの名工を出しました。花鳥・植物などを題材とした縁頭や小柄の作例が知られ、赤銅地に高彫色絵を施した華やかな作風を特色とします。 本作は赤銅地丸形の鐔で、全面に細やかな槌目地を施し、その上に雉と鳳凰、唐草文を高彫で精緻に表した優品です。 表には大きく翼を広げた鳳凰を配し、唐草が画面を埋め尽くすように躍動感あふれる構成とし、表裏共に下には雉を配して調和を図っています。 鳥の羽毛は極めて繊細な毛彫によって一本一本丁寧に刻まれ、金を効果的に用いた尾羽が落ち着いた赤銅地の色合いに美しく映え、槌目地の柔らかな陰影と高彫の立体感が作品全体に深みを与え、格調高い意匠美を生み出しています。 野村派らしい高度な彫技と優雅な構図をよく示した作品であり、現状でも特別貴重小道具認定書を備えていますが、その出来栄えから特別保存刀装具鑑定にも十分合格が期待できる内容を備えています。保存状態も良好で、鑑賞用としても資料的価値の高い優品です。
Certificate reading — 無銘(野村)








野村派
江戸
阿波
無銘
特別貴重 (NBTHK)
金工
現在6点販売中
野村派は江戸に拠点を置いた金工の一流であり、江戸時代中期を中心に活動した。説示において「江戸野村派の上手」と称される野村正秀をはじめ、同派の中核をなす師弟の系譜として野村正道(正道、別称・正道)の名が繰り返し記される。正道の門人として最も多くの指定作を残す津尋甫(大津八左衛門)は、江戸銀座四丁目辺に住し、享保七年(一七二二)頃より宝暦十二年(一七六二)の歿年まで活動したことが説示に明記されている。正道から尋甫へと連なる師承の軸が、同派の中心的な伝系を構成する。 野村派の共通した作風は、赤銅魚子地を基調とし、高彫を主技法とする力強い写実表現に集約される。説示には「写実に徹した作が多く」「作風は力強く且つ写生的」との評が繰り返し見られ、海老・猛禽・百合・小禽といった動植物の題材が一貫して取り上げられている。柏樹に猛禽を配した縁頭の図柄は「極めて迫力があり、傑作がある」と評され、海老の描写については「人の目を驚かすものがあり、すべて生物の作に秀れている」と記されるなど、自然の生態を直截に捉える観察眼が同派の最大の特質として位置づけられる。技法面では、赤銅高彫のほか、金色絵・据文・色絵による多彩な金属表現が施され、素銅や金を用いた立体的な意匠が構成に奥行きを与えている。一部の作品には後藤家の作風との関連が指摘され、「後藤風の格調高さに加えて、彫口に尋甫ならではの力強さ、斬新さが看取される」と説示に記される。また『加納夏雄彫金談』の「紋模様際立って鮮麗なり」との引用が、同派の精緻にして鮮明な彫技を裏づけている。作品形態は縁頭が最も多く、鐔・小柄・三所物がこれに次ぐ。 野村派の意義は、後藤家に範を仰ぎつつも、写実に徹した独自の表現領域を確立した点にある。十二支図三所物のように「後藤上代の作に範をとった」構成においても、説示は「尋甫ならではの力強さ、斬新さ」を看取しており、伝統的な格式と独創的な写生精神との融合が同派の本領として評価されている。縁頭の作に「特に傑出したものが多い」とされ、柏樹猛禽図や百合花図の諸作が繰り返し傑作と称されるように、野村派は赤銅魚子地高彫という技法的基盤のうえに、力強い造形と鋭い彫法をもって江戸金工の一角に確固たる地位を占めている。
本作はNBTHKの旧鑑定書(貴重・特別貴重)を有しますが、これらは現在発行されておらず、信頼性に欠けるとされています。極めを確認するには、公的な鑑定機関(NBTHK・NTHKなど)への再提出による現代の鑑定をご検討いただけます。
お求めになられた商品とは異なる商品をお届けしてしまった場合や、表記内容と現物とに大きな隔たりなどがあった場合を除き、基本的に返品はお受けいたしません。返品をご要望の場合は、商品到着後3日以内に御連絡の上ご返送下さい。
雉鳳凰図鐔 無銘(野村) -Mumei Nomura School- 縦75.2ミリ 横73.0ミリ 切羽台厚4.9ミリ 重さ145.1グラム 江戸後期 The late Edo era 附属 特別貴重小道具認定書、桐箱 野村派は阿波徳島藩に関係する金工派で、野村正道を中心とし、その門下から津尋甫などの名工を出しました。花鳥・植物などを題材とした縁頭や小柄の作例が知られ、赤銅地に高彫色絵を施した華やかな作風を特色とします。 本作は赤銅地丸形の鐔で、全面に細やかな槌目地を施し、その上に雉と鳳凰、唐草文を高彫で精緻に表した優品です。 表には大きく翼を広げた鳳凰を配し、唐草が画面を埋め尽くすように躍動感あふれる構成とし、表裏共に下には雉を配して調和を図っています。 鳥の羽毛は極めて繊細な毛彫によって一本一本丁寧に刻まれ、金を効果的に用いた尾羽が落ち着いた赤銅地の色合いに美しく映え、槌目地の柔らかな陰影と高彫の立体感が作品全体に深みを与え、格調高い意匠美を生み出しています。 野村派らしい高度な彫技と優雅な構図をよく示した作品であり、現状でも特別貴重小道具認定書を備えていますが、その出来栄えから特別保存刀装具鑑定にも十分合格が期待できる内容を備えています。保存状態も良好で、鑑賞用としても資料的価値の高い優品です。
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野村派
江戸
阿波
無銘
特別貴重 (NBTHK)
金工
現在6点販売中
野村派は江戸に拠点を置いた金工の一流であり、江戸時代中期を中心に活動した。説示において「江戸野村派の上手」と称される野村正秀をはじめ、同派の中核をなす師弟の系譜として野村正道(正道、別称・正道)の名が繰り返し記される。正道の門人として最も多くの指定作を残す津尋甫(大津八左衛門)は、江戸銀座四丁目辺に住し、享保七年(一七二二)頃より宝暦十二年(一七六二)の歿年まで活動したことが説示に明記されている。正道から尋甫へと連なる師承の軸が、同派の中心的な伝系を構成する。 野村派の共通した作風は、赤銅魚子地を基調とし、高彫を主技法とする力強い写実表現に集約される。説示には「写実に徹した作が多く」「作風は力強く且つ写生的」との評が繰り返し見られ、海老・猛禽・百合・小禽といった動植物の題材が一貫して取り上げられている。柏樹に猛禽を配した縁頭の図柄は「極めて迫力があり、傑作がある」と評され、海老の描写については「人の目を驚かすものがあり、すべて生物の作に秀れている」と記されるなど、自然の生態を直截に捉える観察眼が同派の最大の特質として位置づけられる。技法面では、赤銅高彫のほか、金色絵・据文・色絵による多彩な金属表現が施され、素銅や金を用いた立体的な意匠が構成に奥行きを与えている。一部の作品には後藤家の作風との関連が指摘され、「後藤風の格調高さに加えて、彫口に尋甫ならではの力強さ、斬新さが看取される」と説示に記される。また『加納夏雄彫金談』の「紋模様際立って鮮麗なり」との引用が、同派の精緻にして鮮明な彫技を裏づけている。作品形態は縁頭が最も多く、鐔・小柄・三所物がこれに次ぐ。 野村派の意義は、後藤家に範を仰ぎつつも、写実に徹した独自の表現領域を確立した点にある。十二支図三所物のように「後藤上代の作に範をとった」構成においても、説示は「尋甫ならではの力強さ、斬新さ」を看取しており、伝統的な格式と独創的な写生精神との融合が同派の本領として評価されている。縁頭の作に「特に傑出したものが多い」とされ、柏樹猛禽図や百合花図の諸作が繰り返し傑作と称されるように、野村派は赤銅魚子地高彫という技法的基盤のうえに、力強い造形と鋭い彫法をもって江戸金工の一角に確固たる地位を占めている。
本作はNBTHKの旧鑑定書(貴重・特別貴重)を有しますが、これらは現在発行されておらず、信頼性に欠けるとされています。極めを確認するには、公的な鑑定機関(NBTHK・NTHKなど)への再提出による現代の鑑定をご検討いただけます。
お求めになられた商品とは異なる商品をお届けしてしまった場合や、表記内容と現物とに大きな隔たりなどがあった場合を除き、基本的に返品はお受けいたしません。返品をご要望の場合は、商品到着後3日以内に御連絡の上ご返送下さい。