二十世紀は二度この工芸を殺しかけた。戦時の歪みと、占領下の禁令である。1948年の日刀保設立と1953年の作刀再開が刀を美術として再建し、人間国宝と無鑑査がその頂に立つ。
武家の力が強大化しつつあった鎌倉時代初期、政治を北条氏から取り戻すべく立ち上がったのが後鳥羽上皇であった。その承久乱の敗北によって隠岐島に流された上皇の、延応元年二月二十二日に没して七百年に当たる昭和十四年、後鳥羽上皇が祀られている水無瀬神宮隠岐神社において七百年祭が催され、この折に梶山靖徳及び髙橋貞次を筆頭に同時代を代表する多くの刀工が宝刀を奉納している(注)。 高橋貞次刀匠は明治三十五年愛媛県の生まれ。月山雲龍子貞一と貞勝に学び、戦後、刀匠としては初めての国指定重要無形文化財保持者に認定された、名工であることは当然ながら現代刀界の先駆者である。 この奉納寶刀影打と添銘された刀は、奉納された刀に比較してわずかに短いが、反り格好やバランスと刃文構成が良く似た逆丁子出来の古風な出来。深い反りに腰反りが加わって踏ん張りのある力強い姿とされ、先身幅も狭まらずに中鋒延びごころの一文字写し。小板目鍛えに板目肌を交えた地鉄は、細かな地景を伴って古風に肌立ち、鎬寄りに淡い映りが立つ。刃文は、刃区下焼き込みから始まる逆(さか)丁子乱刃が、高低抑揚を成して刀身中ほどで焼が深まる古式の構成とされ、横手辺りで穏やかになり、帽子は表が浅く弛み込んで先小丸返り、裏は穏やかに乱れて浅く返る。丁子の焼頭には複式に小丁子が組み込まれて複雑さが増し、小模様の飛焼が地中に点在し、華やかな刃文を際立たせている。匂主調の焼刃は柔らか味を帯びて明るく冴え、匂が満ちて透明感のある刃中には無数の匂足が鮮やかに射す。化粧鑢と綺麗に揃った筋違鑢が施された茎には、注文者の信仰と思いが込められたものであろう、不動明王の梵字と三神の名が力強い鑚で切り添えられている。 注...その他、小谷靖憲、小山信光、柴田果、井上貞包、遠藤光起、勝村徳勝など。
取扱店 銀座長州屋












Ehime · 1926-1989頃
現在3点販売中
昭和から現代へ 断絶と再生
二十世紀は二度この工芸を殺しかけた。戦時の歪みと、占領下の禁令である。1948年の日刀保設立と1953年の作刀再開が刀を美術として再建し、人間国宝と無鑑査がその頂に立つ。
保存刀剣のうち、出来が一層優れ、保存状態も良好と認められたものです。再刃や、室町・江戸期の多くの無銘作は対象外となり、保存刀剣より高い基準が課されます。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイト弊社の過失により、本来の状態と著しく異なる場合には商品の返品が可能です。クーリングオフは商品到着後一週間以内です。