メニューへ移動 商品番号 UJWA227 – カタログ第28号 – 売約済 片山一文字 脇差 (片山一文字) 「一文字」という名は、漢字の「一」の一文字で記され、刀剣学者・藤代義雄氏はこれを「無敵」と訳しました。一文字を帯びる者に立ち向かえる刀も武士も存在しない、と同氏は記しています。この名門の分流である片山一文字は、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて備中国片山の地で活動しました。本作は、同派の名声がなぜ数世紀にわたり揺るぎないものであったかを物語る、教科書的な傑作です。 元は太刀として打たれた本作は、磨上げの際に残された梵字の痕跡が茎(なかご)の先に見て取れます。後年、大幅な大磨上げ(おおすりあげ)が施され、現在の脇差の姿となったため、銘は無銘となっています。 本作を真に特別なものにしているのは、その刃文です。片山一文字の真骨頂とも言える、華やかな逆丁子(さかちょうじ)が、あたかも大海の波濤のごとく刀身全体に渡って乱舞しています。焼出しから切先まで、長い足や葉(よう)が入り混じり、帽子へと連なる様は見事です。精緻な木目肌(もくめはだ)には美しい地景(ちけい)が入り、さらに乱れ映り(みだれうつり)が鮮やかに現れています。鎬(しのぎ)に向かって立ちのぼるこの煙るような映りは、備前鉄の最高峰の証です。 棟(むね)に残る大きな切り込み(誉れ傷)は、歴代の研師によって数百年にわたり意図的に残されてきたものであり、実戦を潜り抜けた栄光の証と言えます。また、片面には棒樋(ぼうひ)に添樋(そえひ)が掻き通され、茎のなかで丸留(まるどめ)となっています。 本作には、疑いようのない二重の鑑定が添えられています。日本刀鑑定の最高権威である本阿弥家、その十三代目・本阿弥成慶による鞘書きが白鞘に記されており、「備中国片山一文字」との極めに加え、二筋樋、大磨上げ無銘である旨が明記されています。
在銘 · Katayama Ichimonji · Kotô – Late Kamakura to nambokucho (1260~1390) · 長さ 46cm · 反り 0.9cm

備前伝 · 備中
現在1点販売中
片山一文字派は、福岡一文字派の名匠則房が片山の地に移住したことに始まる。従来、片山なる場所については備中国とするのが通説であったが、近年、備前国福岡近在の片山ではないかとする説が唱えられ、今後の検討を促している。則房は助真・吉房と並んで鎌倉時代中期の一文字派を代表する刀工であり、特に華やかな丁子乱れを焼くことで知られる。則房の銘字には数種の書体が見られ、また作風にも幅があることから、同銘は一代限りでなく数代存続したと考えられる。この一派は片山の地で繁栄を続け、後世まで多くの優品を遺した。 片山一文字派の作風は、地鉄が強く冴え、地沸が微塵に厚くつき、地景が細かに入り、乱れ映りが鮮明に立つことを特色とする。刃文は丁子に小丁子、小互の目、尖り刃などを交えて密に焼き、福岡一文字派に比して幾分小模様を呈する。最大の見どころは、焼刃が逆がかる態を顕著に示すことであり、刃中に小足・葉が細かく頻りに入る。匂勝ちに小沸がつき、金筋・砂流し・湯走りがかかり、匂口は明るく冴える。帽子は乱れ込んで焼詰め風となるものが多い。板目肌はよくつみ、処々に杢や流れ肌を交え、肌立ちごころとなるものもある。 古来、片山一文字派は薙刀を得意としたと伝え、現存する無銘作にそれと伝えるものが多く遺存している。一方、現存する有銘の作は太刀に限られており、薙刀の有銘作は確認されていない。薙刀直しの作は身幅広く、鎬地を卸して重ね薄く、大鋒となるものが多い。これらは大磨上無銘であっても、地鉄が精良で、逆丁子の華やかな刃文が明瞭に認められ、片山一文字の極めどころを十分に示している。則房個銘の極めを受けた作もあり、本阿弥光遜による金象嵌銘を有する優品も遺存する。地刃共に健全で明るく冴え、覇気に満ちた作風は、鎌倉中期の一文字派の技量の高さを今に伝えている。
保存刀剣のうち、出来が一層優れ、保存状態も良好と認められたものです。再刃や、室町・江戸期の多くの無銘作は対象外となり、保存刀剣より高い基準が課されます。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイトAll swords come with a three-day inspection period beginning from the date of delivery. If not satisfied, the sword may be returned within this period for a full refund of the purchase price. Outside of this period, all sales are final. Swords purchased on a layaway payment plan are not eligible for the three-day inspection period.
メニューへ移動 商品番号 UJWA227 – カタログ第28号 – 売約済 片山一文字 脇差 (片山一文字) 「一文字」という名は、漢字の「一」の一文字で記され、刀剣学者・藤代義雄氏はこれを「無敵」と訳しました。一文字を帯びる者に立ち向かえる刀も武士も存在しない、と同氏は記しています。この名門の分流である片山一文字は、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて備中国片山の地で活動しました。本作は、同派の名声がなぜ数世紀にわたり揺るぎないものであったかを物語る、教科書的な傑作です。 元は太刀として打たれた本作は、磨上げの際に残された梵字の痕跡が茎(なかご)の先に見て取れます。後年、大幅な大磨上げ(おおすりあげ)が施され、現在の脇差の姿となったため、銘は無銘となっています。 本作を真に特別なものにしているのは、その刃文です。片山一文字の真骨頂とも言える、華やかな逆丁子(さかちょうじ)が、あたかも大海の波濤のごとく刀身全体に渡って乱舞しています。焼出しから切先まで、長い足や葉(よう)が入り混じり、帽子へと連なる様は見事です。精緻な木目肌(もくめはだ)には美しい地景(ちけい)が入り、さらに乱れ映り(みだれうつり)が鮮やかに現れています。鎬(しのぎ)に向かって立ちのぼるこの煙るような映りは、備前鉄の最高峰の証です。 棟(むね)に残る大きな切り込み(誉れ傷)は、歴代の研師によって数百年にわたり意図的に残されてきたものであり、実戦を潜り抜けた栄光の証と言えます。また、片面には棒樋(ぼうひ)に添樋(そえひ)が掻き通され、茎のなかで丸留(まるどめ)となっています。 本作には、疑いようのない二重の鑑定が添えられています。日本刀鑑定の最高権威である本阿弥家、その十三代目・本阿弥成慶による鞘書きが白鞘に記されており、「備中国片山一文字」との極めに加え、二筋樋、大磨上げ無銘である旨が明記されています。
在銘 · Katayama Ichimonji · Kotô – Late Kamakura to nambokucho (1260~1390) · 長さ 46cm · 反り 0.9cm

備前伝 · 備中
現在1点販売中
片山一文字派は、福岡一文字派の名匠則房が片山の地に移住したことに始まる。従来、片山なる場所については備中国とするのが通説であったが、近年、備前国福岡近在の片山ではないかとする説が唱えられ、今後の検討を促している。則房は助真・吉房と並んで鎌倉時代中期の一文字派を代表する刀工であり、特に華やかな丁子乱れを焼くことで知られる。則房の銘字には数種の書体が見られ、また作風にも幅があることから、同銘は一代限りでなく数代存続したと考えられる。この一派は片山の地で繁栄を続け、後世まで多くの優品を遺した。 片山一文字派の作風は、地鉄が強く冴え、地沸が微塵に厚くつき、地景が細かに入り、乱れ映りが鮮明に立つことを特色とする。刃文は丁子に小丁子、小互の目、尖り刃などを交えて密に焼き、福岡一文字派に比して幾分小模様を呈する。最大の見どころは、焼刃が逆がかる態を顕著に示すことであり、刃中に小足・葉が細かく頻りに入る。匂勝ちに小沸がつき、金筋・砂流し・湯走りがかかり、匂口は明るく冴える。帽子は乱れ込んで焼詰め風となるものが多い。板目肌はよくつみ、処々に杢や流れ肌を交え、肌立ちごころとなるものもある。 古来、片山一文字派は薙刀を得意としたと伝え、現存する無銘作にそれと伝えるものが多く遺存している。一方、現存する有銘の作は太刀に限られており、薙刀の有銘作は確認されていない。薙刀直しの作は身幅広く、鎬地を卸して重ね薄く、大鋒となるものが多い。これらは大磨上無銘であっても、地鉄が精良で、逆丁子の華やかな刃文が明瞭に認められ、片山一文字の極めどころを十分に示している。則房個銘の極めを受けた作もあり、本阿弥光遜による金象嵌銘を有する優品も遺存する。地刃共に健全で明るく冴え、覇気に満ちた作風は、鎌倉中期の一文字派の技量の高さを今に伝えている。
保存刀剣のうち、出来が一層優れ、保存状態も良好と認められたものです。再刃や、室町・江戸期の多くの無銘作は対象外となり、保存刀剣より高い基準が課されます。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイトAll swords come with a three-day inspection period beginning from the date of delivery. If not satisfied, the sword may be returned within this period for a full refund of the purchase price. Outside of this period, all sales are final. Swords purchased on a layaway payment plan are not eligible for the three-day inspection period.