この小柄には、秋虫として鈴虫と蟷螂が表されています。その表面は魚々子地で装飾されており、これは魚の卵に似た微細な隆起した点を密に並べる技法で、虫の意匠に対してきめ細やかな質感の背景を与えています。 鈴虫はその澄んだ鈴のような音色で愛でられており、「鈴」はbellを意味します。これは、虫の音を聞き、その鳴き声を通じて秋の訪れを鑑賞する伝統的な習慣である虫聞きと密接に関連しています。平安時代の宮廷文化で楽しまれたこの娯楽は、江戸時代には町人の間でも人気となりました。 蟷螂は日本語で拝み虫や祈り虫としても知られており、どちらも「祈る虫」を指しています。これらの名前は、祈りのために合わせられた手に似た、折りたたまれた前脚に由来しており、英語名の「praying mantis」にも同様の類似性が反映されています。






江戸
無銘
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