肥後林 鍔 L S030 林又七の手による稀少な桜透図の意匠です。 地鉄は粒状の鉄骨がよく現れ、深みのある黒味を帯びた地肌には金布目唐草が施されています。写真(左図の中央花弁、右側)では経年による錆の影響で判然としませんが、これは布目を傷めぬよう慎重な手入れを要する状態です。又七の大きな特徴の一つは、象嵌と見紛うほどに精緻な布目技法にあります。 寸法:8.46 x 8.42 cm(対角測定) 縦:右 7.93 cm / 左 7.82 cm 横:8.27 cm 厚さ:4 mm 林又七(慶長18年 - 元禄12年)は、尾張国の鉄砲鍛冶の家系に生まれ、自らも火縄銃を製作した記録が残っています。父は加藤清正の家臣として肥後熊本城へ移り、清正没後も寛永9年まで忠広に仕えました。その後、細川家の抱え工となり、87歳で没するまで作刀・装具製作に従事しました。 若年期を尾張で過ごしたことは彼の作風に多大な影響を与えており、その地鉄は尾張鍔に極めて近い質感を備えています。一方で、尾張鍔に比して意匠は左右対称性が高く、題材もより写実的(自然主義的)であるのが特徴です。また、神吉楽寿をも凌ぐとされる極めて質の高い金布目本象嵌をしばしば施しました。 本作は、その作風を追った「写し」である可能性が高いと思われます。しかしながら、もし真作であれば、まさに「宝くじ」に当たったも同然の掘り出し物と言えるでしょう。 (※写真に見られる明るい部分はフラッシュの反射です。親指で数分ほど拭うだけでも、その地鉄の良さが現れてまいります。)
取扱店 Nihonto US
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Matashichi
江戸
肥後
無銘
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