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概要·鑑定·指定·伝来·刀姿·銘·系譜·流派
概要鑑定指定伝来刀姿銘系譜流派
  1. 流派
  2. 左
  3. 末左
  4. 安吉

Sa Yasuyoshi

安吉

特重
巻 18, 番 67 · 短刀

Sa Yasuyoshi

安吉

評価作品45点

国筑前時代Shohei (1346–1370)時代区分南北朝流派Sa伝法相州伝代2nd師匠Sa藤代Jo-jo saku刀工大鑑900(上位10%)種別刀工コードYAS586
6重要文化財
4重要美術品
2御物
3特別重要刀剣30重要刀剣

概要

正平十七年(1362)の年紀を有し「長州住安吉」と銘した短刀(重要美術品)が、安吉をめぐる記述の要石である。その銘振りが常々の安吉銘と同一であることから、大左の子で左文字の二代目を継ぎ、のちに筑前から長州へ移住したという所伝が首肯される。年紀は正平十七年・貞治等に及ぶ。移住後は子孫か弟子が長州で名跡を襲って室町前期まで続き、世に長州左と称される。半世紀にわたる指定書がほぼ同じ言葉で繰り返す評がある。すなわち「左一類の中にあって備前気質が混在する」のが安吉の特色である。

在銘作の範囲は厳密である。いずれも平造で身幅広く寸延び、重ね薄く反り浅い南北朝半ばの体配の短刀・小脇指に限られ、大左の短刀が小振りに留まるのに対して大振りとなる。太刀の確実な在銘作を見ず、太刀・薙刀は全て大磨上無銘の極めで伝わる。銘は目釘孔の下、茎中央にやや太鏨で大振りの二字銘を切り、まま左の字を冠し、その遺例の筆頭が名物「一柳安吉」(重要文化財)である。一方で記録は欠落も明確に伝える。「左安吉」銘と「長州住安吉」銘は現存するが、「筑州住安吉と銘したものを見ない」のである。

鍛えは板目が流れてしばしば肌立ち、杢を交え、地沸がつき、白け映り・棒映り、あるいは刃寄りに直ぐ状の映りが立つ。指定書はこの流れて肌立ち、白気ごころを見せる鍛えをこの工の見どころと明言する。刃文は浅い小のたれに互の目・小互の目・尖り刃を交え、匂勝ちに小沸がつき、足が入り、細かな砂流しに処々金筋がかかる。帽子は乱れ込み、または突き上げて刃寄りに倒れごころとなり、先尖って僅かに掃きかけ、やや長く返る。父との比較は率直で、地刃の冴えは大左に及ばず、初期の指定書は「技術も父に及ばない」とまで記し、帽子も「大左ほどの鋭さがなく」倒れごころの態が多いとされる。この資質がそのまま鑑定の落とし穴となる。匂勝ちで小沸つき、「一見兼光などの長船物に紛れる」のであり、立つ映りがその紛れを助長する。

作域の両端に二つの相がある。最小の短刀の一部は殆ど大左と同大で、フクラがやや枯れ、地沸が微塵に厚くつき、地景細かに入り、時に沸映りが立ち、匂口明るく金筋・砂流しがよくかかって帽子が尖り、「正に大左に見紛う」と評される。特別重要指定の左安吉銘短刀では、左の字が大左の銘字に近く暢達であるのに対し、安吉の二字はやや稚拙な鏨使いを見せる。大左が晩年に安吉と銘したという所伝の実証か、安吉の初期作かは、今後の考証に俟つとされる。他方に長州時代がある。南北朝の長州安吉と鑑せられる作は常の匂勝ちの手とはやや趣を異にし、地刃ともによく沸づき、大模様の乱刃に喰違刃を交え、砂流ししきりに金筋が入り、帽子は突き上げて尖る。応永年紀のものは作柄・銘振りから明らかに代替りとされ、永和年紀のものを初代晩年作とするか二代とするかは、各指定書が繰り返し今後の研究課題と明記する。

左一類の無銘作において極めを決するのは安吉自身の見どころである。流れて肌立つ板目に白けた映りが立ち、小模様で匂勝ちの焼刃となり、突き上げて尖る帽子が穏やかに倒れる作は、同派の中で安吉に擬せられ、大磨上無銘の刀が現にそう極められてきた。尖る帽子は左一門に通じる見どころとして保ち続け、刃の柔らかさは彼自身のものである。近年の指定書は「柔らか味を帯びた塩相の深い匂口」と刃中の豊富な働きを特記する。

藤代の評価は上々作。指定を受けた作は四十五口を数え、紐付く作のうち在銘三十六口に対し無銘七口と、在銘の多い記録である。重要文化財は六口でその筆頭が名物「一柳安吉」、重要美術品は四口で正平十七年紀の短刀を含み、特別重要刀剣・重要刀剣の級に三十三口が立つ。特別重要の脇指の一口は「同工作中の白眉」と讃えられる。伝来の録される十四口には、備前池田家・因州池田家・土佐山内家・前田家の伝来があり、徳川家達所持と認定された短刀、熊本の儒学者元田永孚旧蔵の一口がある。所在の知られるものは徳川美術館・福岡市博物館・東京国立博物館・佐野美術館等に蔵される。重要文化財の六口は文化財として永く伝えられ、残る作の多くも美術館や長く続く蒐集の手にあって、安吉が市場に現れることは稀であり、巡り会いには時を要する。

鑑定

左一類中の備前気質:流れて肌立つ板目に白け映り・棒映り、匂勝ちの小のたれに互の目、突き上げて尖るも大左より穏やかな帽子(+最小の短刀に稀な大左風の作域+晩年の長州移住と長州左の代別問題)

安吉は大左の子でその二代目を継ぎ、のち筑前から長州に移住した。正平十七年(1362)紀「長州住安吉」銘の短刀の銘振りが常々の安吉銘と同一であることがその証左である。在銘作は幅広・寸延びの短刀・小脇指に限られ、太刀の確実な在銘作を見ない。大左に比して地鉄の冴えが及ばず、白け映り・棒映りが立ち、刃文は小のたれに互の目交じりの匂勝ちで小沸がつき、突き上げて尖る帽子も大左ほどの鋭さがない。説明書が繰り返すのは「左一類の中にあって備前気質が混在する」という評で、一見備前兼光に紛れる作風である。

鑑定の決め手

頻度からの推定ではなく明文。「匂出来を主体として小沸を配した出来」とされ、大左との相異点に「匂い勝ちの作であること」が挙がる。大左の説明書86件に匂勝ちは皆無で、これこそ備前へ寄る要因である

白け映り38%、棒映り25%、直ぐ映り15%。いずれの映りも大左の説明書には現れない。映りの立つ地こそ一見備前に見える所以で、白け映りは兼光の説明書にも見えない別の質である

尖る帽子(75%)は左一門共通の見どころ。安吉のそれは突き上げて刃寄りに倒れ、僅かに掃きかけて返り、大左ほどの鋭さがなく倒れごころとなる態が多いと評される

二字銘は目釘孔下の茎中央に切り(40件中25件)、まま「左」を冠する。太刀・薙刀は全て大磨上無銘の極め。年紀は正平十七年(1362)・貞治など

作風の変遷

安吉の本領=左一類中に備前気質の混在する作域(典型)

在銘作=幅広・寸延びの短刀と小脇指、生ぶ茎に太鏨大振りの二字銘(寸延び36/40、生ぶ31/40、二字銘25/40)。刀は全て大磨上無銘の極め

大左の短刀が小振りに留まるのに対し、安吉は身幅広く、重ね薄く、寸延びて浅く反る南北朝姿が常である。板目は流れてしばしば肌立ち、地沸がつき、白け映り・棒映りあるいは直ぐ状の映りが立って、地鉄の冴えは父に及ばない。刃文は浅い小のたれに互の目・小互の目・尖り刃を交え、匂勝ちに小沸がつき、足が入り、細かな砂流しに処々金筋がかかる。帽子は乱れ込み、または突き上げて尖り、刃寄りに倒れごころとなって僅かに掃きかけ、大左ほどの力強さはない。大磨上無銘の刀も同じ焼刃と突き上げて尖る帽子が極めの拠り所となる。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi

大左に見紛う作域=最小の短刀(初期作か、或いは大左自身の手かと問われる。稀)

確証はやや弱い殆ど大左と同様の大きさの短刀、フクラやや枯れ、まま「左」を冠した左安吉銘

最小の短刀の一部は師に迫る。地沸が微塵に厚くつき、地景が細かに入り、時に沸映りが立ち、匂口明るく金筋・砂流しがよくかかり、帽子は尖って、正に大左に見紛う作柄と評される。特別重要の左安吉銘短刀では「左」の字が大左の暢達な銘字に近い一方、「安吉」の二字はやや稚拙な鏨使いで、大左が晩年に安吉と銘したという所伝を実証する作か、安吉の初期作かは今後の考証に俟つと記される。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi

長州移住後=長州左の問題(晩年。代別の境は未決)

確証はやや弱い正平十七年(1362)紀「長州住安吉」銘の短刀(重要美術品、本コーパス所収)と、南北朝の長州安吉と鑑せられる作

ほぼ全ての説明書が、安吉が筑前から長州に移住したと述べ、正平十七年紀「長州住安吉」銘短刀の銘振りが常々の安吉銘と同一であることをその証とする。以後は子孫か弟子が長州で名跡を襲い、室町前期まで続いて世に長州左と称される。南北朝の長州安吉と鑑せられる作は、匂い勝ちの刃文を焼く初代とはやや相違して総体によく沸づき、浅いのたれに互の目を交え、喰違刃・湯走り・ほつれを交じえ、砂流しがしきりにかかって金筋が入り、帽子は突き上げて尖り掃きかける。応永年紀は作柄・銘振りから明らかに代替りの安吉とされ、永和年紀は初代の晩年作か二代かが今後の研究課題と明記される。

地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi
研究

永和年紀の長州安吉を初代の晩年作とするか代替りの作とするかは今後の研究課題と明記され、応永年紀は明らかに代替りとされる。

左安吉銘では「左」が大左の暢達な銘字に近く「安吉」がやや稚拙な鏨使いで、大左晩年の安吉銘説の実証か、安吉の初期作かは今後の考証に俟つとされる。

「筑州住安吉」と銘したものを見ないと記され、「左安吉」と「長州住安吉」の両銘のみが現存する。

年紀は正平十七年(1362)・貞治五年等が見られると記される。

指定

国宝—
重要文化財6
重要美術品4
御物2
特別重要刀剣3
重要刀剣30

名工ランク

0.67 (指定作品45点)

刀工の上位4%

伝来

伝来記録15件 の鑑定作品における Yasuyoshi

伝来ランク

名家所蔵8点、伝来記録15件

刀工の上位8%

素点:2.71 / 10

刀姿

評価作品45点の分布

銘

評価作品45点の銘の種類

販売中

系譜

師匠Sa
Yasuyoshi
弟子(6名)
  1. 1.貞吉Sadayoshi23指定
  2. 2.安吉Yasuyoshi1 販売中3指定
  3. 3.顯國Akikuni2指定
  4. 4.信重Nobushige
  5. 5.安吉Yasuyoshi1指定
  6. 6.行觀Yukiaki2指定

Sa派

Sa派の他の刀工

  1. 1.左Sa74指定
  2. 2.國弘Kunihiro51指定
  3. 3.吉貞Yoshisada48指定
  4. 4.弘安Hiroyasu24指定
  5. 5.弘行Hiroyuki33指定
  6. 6.行弘Yukihiro11指定
  7. 7.貞吉Sadayoshi23指定
  8. 8.吉弘Yoshihiro4指定
  9. 9.定行Sadayuki1 販売中3指定
  10. 10.行末Yukisue1指定
  11. 11.國忠Kunitada1指定
  12. 12.安行Yasuyuki1指定