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概要·鑑定·指定·伝来·刀姿·銘·系譜·流派
概要鑑定指定伝来刀姿銘系譜流派
  1. 流派
  2. 左
  3. 末左
  4. 吉貞

Sa Yoshisada

吉貞

特重
巻 21, 番 28 · 太刀

Sa Yoshisada

吉貞

評価作品48点

国筑前時代Teiwa (1345–1350)時代区分南北朝流派Sa伝法相州伝師匠Sa藤代Jo-jo saku刀工大鑑800(上位14%)種別刀工コードYOS726
2重要美術品
4特別重要刀剣42重要刀剣

概要

正平十三年(一三五八)紀の脇指は、裏に「九月日」、表に注文者銘「主長政」を切り、吉貞の生涯を測る基準作である。説明書はこれにより本工が大左の直門であることを首肯し、活躍年代を十四世紀半ばに定める。吉貞は筑前左文字(左一類)の刀工で、南北朝期に安吉・行弘・吉弘・国弘・弘安らと並んで一派の作風を担った左一類の一人である。「大左の子と伝え」、あるいは少なくともその近き一門に属するとされ、銘は「吉貞」「吉貞作」と切り、「筑州住」と添えたものは経眼しない。

その手はまず、説明書が本工に許す唯一の個性を通して読まれる。左一類の刀工は個々の特色が比較的少ないとした上で、説明書は吉貞を「左一類の中でも刃文が小模様となる点に吉貞の作風上の個性が窺え」と挙げる。この小模様の乱れが作の一貫した筋である。在銘作には二様が引かれる。一つは直刃を基調に浅くのたれた穏やかな手、一つは同派安吉に通じつつ「安吉に似てそれよりも少しく小ずむ」互の目の手である。いずれも沸よくつき、細かに金筋・砂流しがかかり、その働きは高い房ではなく小足・葉に托され、帽子は突き上げ風に先尖りごころに返る。

地鉄は左一類が共有する相州由来の鍛えで、二様いずれの下にも変わらぬところである。杢・流れ肌を交えてやや肌立つ板目に、地沸厚く地景よく入り、地鉄は時に黒みがかり、作によって白気風の映りが地に立つ。その地に対して刃文は総じて小模様にとどまる。穏やかな作が緩やかなのたれを匂深く明るく焼くのに対し、より働く作は互の目を説明書のいう小模様に纏め、処々に荒めの沸を交え、物打辺には沸筋や湯走り状の飛焼を交えて変化のある景色を見せる。

記録の二つの面は相並ぶ。在銘作は脇指・短刀を主とし、水戸徳川家伝来の特別重要短刀は平造で身幅広く、地刃ともに沸つよく匂口明るく冴え、説明書はこれを「同工の出色の出来」とする。正平十三年紀の脇指は注文者銘を負い、物部吉貞の太刀は腰元の焼を高く取って明るく華やかな乱れとなり、同じ手がどこまで開き得たかを示す。もう一つの面は、吉貞と極められた大磨上無銘の刀で、身幅広く豪壮、延びごころの中鋒あるいは大切先となり、肌立つ板目の上に小沸出来の互の目乱れに多少の丁子ごころを交え、表裏に棒樋を掻き流す。説明書は無銘極めのものにも刃文が小模様となる傾向があるとし、本工の作の本体は在銘の極め手によるよりもこの小模様の乱れを通して読まれる。うち一口は本阿弥光徳による吉貞極めの金象嵌銘を有する。

左一類の中で吉貞を分かつのは、まさにこの小模様の刃である。安吉の互の目がより太く立つのに対し、吉貞のそれは小さく締まって描かれ、一派全体が個々の特色少なしと読まれる中で、その締まった乱れと明るい匂口、突き上げて尖る帽子が作ごとに本工自身のものとして繰り返される。彼は大左の後に左一類を支えた世代に属し、祖の輝きでも末流の衰えでもなく、その個性を華やかさではなく刃の小ささに見いだされる、健全で見分けの利く一手である。

収集の観点では、記録の確かな、しかし数少ない南北朝の名である。藤代の極めは上々作。国宝・重要文化財はなく、その記録は特別重要刀剣四口・重要刀剣四十三口を通じ、大磨上無銘の刀二口が戦前の重要美術品に指定され、うち一口は本阿弥光徳の金象嵌銘を有して現在は静嘉堂文庫が蔵する。作は来歴も確かで、水戸徳川家(徳川家康・頼房に遡る作を含む)、毛利家、備前池田家、島津家・佐竹家に伝わり、京都国立博物館寄託や静嘉堂文庫の蔵するところがある。在銘作はまことに少なく、「太刀の作例は稀有」であり、現存の多くは伝来して市場に出るものではないが、重要刀剣級の無銘極めや、稀に在銘の脇指・短刀が時に世に現れることがあり、私蔵の吉貞は収集家にとって、左文字の後を継いだ手がいかに読まれたかを語る得難い一口である。

鑑定

小模様の乱れで読む一人の左一類の手:在銘の脇指・短刀に見る浅くのたれた穏やかな直刃調と、安吉に似てより小ずむ互の目調の二様を、地沸厚く地景の入る相州風の肌立つ板目の上に焼き、これに左一類本流として極められた大磨上無銘の刀を対置し、正平十三年紀の脇指を年紀の基準とする

吉貞は南北朝期の筑前左文字(左一類)の刀工で、二代大左(左文字)の子または直門と伝える。正平十三年(一三五八)紀の脇指の現存により活躍年代が定まり、大左の直門であることが首肯される。地鉄は左一類が共有する相州風の鍛えで、板目に杢・流れ肌を交えてやや肌立ち、地沸厚く地景よく入り、作によって白気風の映りが立つ。説明書は、左一類の刀工は個々の特色が比較的少ないとした上で、吉貞の在銘作には浅くのたれた穏やかな直刃調のものと、安吉に似てそれよりも少しく小ずむ互の目調のものとの二様があるとする。そこから本工唯一の個性を、左一類の中でも刃文が小模様となる点に求め、この小模様の乱れを吉貞の手の見どころとする。作は脇指・短刀を主とし、太刀の遺例は頗る稀有である。

鑑定の決め手

左一類の基準(個々の特色少なし)にはない特徴

作風の変遷

在銘作:小模様の乱れ(唯一の見どころ)

在銘の作:脇指・短刀を主とし、注文者銘「主長政」を切る正平十三年紀の作があり、二字「吉貞」または三字「吉貞作」と銘する

在銘作について説明書は二様を引く。一つは浅くのたれた穏やかな直刃調、一つは安吉に似てそれよりも少しく小ずむ互の目調である。両者を貫き、吉貞の個性として挙げられるのが、左一類の中でも刃文が小模様となる点で、互の目乱れに小互の目・小のたれを交えて総じて小模様となり、小足・葉入り、沸よくつき処々荒めの沸を交え、細かに金筋・砂流しかかり、時に沸筋や物打辺の湯走り状の飛焼を交え、匂口沈みごころとなる。帽子は突き上げ風に先尖りごころに返り、掃きかけ・焼詰めとなるものもある。注文者銘「主長政」を切る正平十三年紀の脇指が一群の基準であり、腰元の焼を高く取って明るい乱れとなる物部吉貞の太刀は、同じ手がどこまで開き得たかを示す。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi

穏やかな直刃調ののたれ(静かな手)

穏やかな手は、直刃を基調に浅く緩やかにのたれ、僅かに足が入り、匂深く沸よくつき、金筋・砂流しを見せて冴える。水戸徳川家伝来の特別重要短刀がこの手の典型で、平造で身幅広く、地鉄は板目に杢を交えてつみ、地景・地沸つき、帽子は小丸でやや尖りごころに返る。説明書はこれを地刃ともに沸つよく匂口明るく冴え、同工の出色の出来とする。二様のうち静かな手であり、左一類の抑えた一面に最も近く読める。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi

大磨上無銘の刀(左一類本流の極め)

記録の大半は、吉貞と極められた大磨上無銘の刀である。身幅広く、延びごころの中鋒あるいは大切先となるものがあり、地鉄は肌立つ板目が流れて地沸・地景つき、作によって白気風の映りを見せる。刃文は小沸出来の互の目乱れに多少の丁子ごころ・尖り刃を交え、足・葉よく入り、金筋・砂流しかかり、表裏に棒樋を掻き流す。説明書はこれを南北朝の左一類の作と首肯し、無銘極めのものにも刃文が小模様となる傾向があるとして、本工の作の本体は在銘の極め手によるよりもこの小模様の乱れを通して読まれる。うち一口は本阿弥光徳による吉貞極めの金象嵌銘を有する。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi
研究

説明書は、吉貞が大左の子または門下と伝えること、現存する正平十三年(一三五八)紀の脇指によりおおよその活躍年代が知られること、銘は「吉貞」「吉貞作」と切り「筑州住」と添えたものは経眼しないことを記す。個々の特色が比較的少ない左一類にあって、本工唯一の個性は刃文が小模様となる点にあり、無銘極めのものにもこの傾向が見られる。

物部吉貞の太刀について説明書は、同工の太刀の作例が稀有であること、「吉貞」の銘字に「物部」を冠する点が極めて注目されることを記し、『光山押形』所載の本作を資料的に頗る貴重とする。備前池田家に伝来した一口である。

指定

国宝—
重要文化財—
重要美術品2
御物—
特別重要刀剣4
重要刀剣42

名工ランク

0.28 (指定作品48点)

刀工の上位9%

伝来

伝来記録11件 の鑑定作品における Yoshisada

伝来ランク

名家所蔵8点、伝来記録11件

刀工の上位9%

素点:2.62 / 10

刀姿

評価作品48点の分布

銘

評価作品48点の銘の種類

販売中

系譜

師匠Sa
Yoshisada
弟子
  1. 1.信光Nobumitsu

Sa派

Sa派の他の刀工

  1. 1.左Sa74指定
  2. 2.安吉Yasuyoshi1 販売中45指定
  3. 3.國弘Kunihiro51指定
  4. 4.弘安Hiroyasu24指定
  5. 5.弘行Hiroyuki33指定
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  7. 7.貞吉Sadayoshi23指定
  8. 8.定行Sadayuki1 販売中3指定
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