友重

Fujishima Tomoshige

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重要巻 31, 番 66 · 短刀

概要

友重は加賀国藤島に住した藤島派の祖にして代表工であり、その名は南北朝末から室町を経て近世にまで数代にわたる。年紀の見られる最も古い作は応永二年の短刀で、説明は友重の年紀として最も古いものとしてこれを極めて貴重とする。初代は俗に山城の来国俊の門人、あるいは同国真景の門と伝える。ある重要刀剣の説明はそのいずれをも疑い、最古の作と思われる熱田神宮の太刀をみるに「来国俊とは作風的に結ばれず」、真景とは年代的に肯定し難いとして、作風・茎仕立よりすればむしろ大和物の系統を引くと判ずる。別の説明はその作風を大和尻懸派などに似、また備前風のところもあるとする。重要刀剣の説明は、南北朝期を遡る現存作はないと見る。

友重の見どころはその地鉄にある。板目に杢を交え、流れごころに肌立って、地沸つき地景入り、かねは際立って黒みをおびる。説明はまさにこれを同派の見どころとし、地鉄が「肌立ちごころで黒みを帯びる」のが一つの見どころと記す。これに互の目乱れを焼き、箱刃・尖り刃・角ばる刃を小のたれとともに交え、処々複式風の乱れとなる。その作柄を説明は「備前気質と美濃風が混在した感のある乱れ刃」と呼ぶ。足やや長く入り、総体に沸づく。砂流しかかり、金筋入り、処々に小さな飛焼を交える。帽子は直ぐまたは乱れ込んで小丸となり、しばしば掃きかける。

板目は多く締まるよりも流れて肌立ち、大身槍では柾目肌立つ。黒みはかね自体の性質であり、説明はこれを北国の地に直結させて、応永二年の短刀に「地がねの色が黒みを帯びているところに北国物の見どころが示され」と記す。数口の地には淡く白気映りが立つ。刃文は地に応えて自らの混在を示す。角ばる刃はある典型作の刀で取り立てての見どころとされ、匂口は時に沸づき、時に匂勝ちとなる。

短刀と年紀作がこの作域の縁を画する。短刀では手が穏やかになり得て、説明は短刀に細直刃で小沸のつくものも見られるとする。小のたれに頭の丸い互の目を交えて沸づき砂流しのかかる後の短刀は直江志津あるいは石州直綱辺にも類似するとされるが、肌立ちごころの板目が黒味を帯びるところに北国物の特質が窺えるとされる。応永十六年の脇指はさらに大和へ寄る。直刃を基調に小さな刃を交えて帽子を焼きづめ風とし、説明はこれに「大和気質が看て取れる」一方、かねの黒みに「北国風の肌合が明示されている」と読む。数少ない友重の応永の年紀作として、同工の作域を知る資料とされる。本間による御物台帳に所載の在銘の短刀は、内反り強い平造に板目流れて白けごころがあり、互の目乱れに小のたれを交えて下半に特に砂流しかかり、帽子は乱れ込んで長く焼き下げる。本間はこれを出来よく「時代も室町初期を下らぬもの」とし、表の梵字のみは拙く、恐らく疵かくしの後刻であろうとする。説明を伴う一五口はことごとく在銘で、うち一四口が生ぶ茎、藤嶋友重の四字銘が最も多く、時に友重の二字銘、長銘は一口に遺る。

友重を分かつものは、彼自身の地に根ざした働きにある。彼の乱れは互の目と長い足において備前の作を想わせるが、箱刃と尖り刃、肌立つ黒い地、絶えずかかる砂流しが、これに彼自身の性格を与える。ある脇指は「青江風の作を見せて優品である」と評される。師の問題は大和へ向けて消去法で定まり、作風の上で来国俊にも、年代の上で真景にも結ばれない。彼は加賀藤島の作風の祖として立ち、名跡は黒く肌立つ地と箱刃・尖り刃の乱れという同じ特質のままに数代続き、最も多く現存するのは室町時代の作である。

彼の作一四口は重要刀剣に列し、藤代は同工を中上作とする。その白眉は一口の大身槍で、藤島友重と銘して三鈷剣と妙見大菩薩の神号を彫る。説明は同派・同名の作中これに優る槍はないであろうとし、「同時代を代表する名槍の一本である」と判ずる。現存する彼の薙刀は稀有とされる。記録された伝来は少ない。応永頃の刀の一口は藩政時代に稲葉家に伝来し、金梨子地の糸巻太刀拵を附帯する。また在銘の短刀一口が本間による御物台帳に所載される。国宝・重要文化財はない。その重要刀剣の多くは商われるよりも蔵され、重要の友重は稀な出会いであるが、北国物を集める忍耐ある蒐集家にとって手の届かぬものではない。

歴史的重要度

友重の位置づけを、日本刀全体および伝法・時代・時期ごとに示します。各区分(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。

随一
随一
屈指
屈指
有数
有数
著名
著名

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指定

国宝—
重要文化財—
重要美術品—
御物1
特別重要刀剣—
重要刀剣14

名工ランク

鑑定

年紀作

伝来

刀種

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銘

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