長船佐光は、平成十四年第四十八回重要刀剣に指定された「備州長船佐光」六字銘の太刀によって知られる。説明は「長船佐光は、銘鑑に拠れば初代を南北朝中期の康安頃とし、以下永正まで六代を挙げているが」とし、本作は作風及び銘振りから「光弘門・永和頃という南北朝後期に活躍した小反りの刀工に該当するものと考えられる」と比定する。
この太刀は鎬造、庵棟、身幅やや広く、元先の幅差つき、身幅の割に鎬幅狭く、重ね厚め、反り高くつき中鋒の雄渾な姿である。鍛えは板目に杢・流れ肌交じり、総体に肌立ち、地沸微塵につき、地景風の黒いかね入り、僅かに映り風立つ。刃文は小のたれに互の目・小互の目・角ばる互の目・小丁子など交じり、総じて小模様となり、足・葉入り、沸つき、刃縁処々ほつれ、砂流しさかんにかかり、金筋入る。帽子は乱れ込み、先小丸ごころに返り、掃きかける。茎は少し磨上げ、目釘孔三。
説明は「地刃の様相に南北朝後期の小反りの特色が顕著である」とし、地沸微塵に地景風の黒いかねを交えた鍛えにも小反りの特色を見る。また裏中程の腰びらき風について「腰びらき風を見せる刃取りには、応永備前への移行を予感させるものがある」と記す。
沸づいてほつれ、砂流し、金筋が入り、帽子も掃きかける作で、説明は「総体に覇気に充ちた一口である」と評し、さらに「同工の作域を知る上で資料的にも貴重である」とする。