堀川派の甚之亟国次は、昭和四十四年第十八回重要刀剣に指定された在銘の脇指一口によって知られる。説明は「この国次は江戸時代以来の一般銘鑑にはないが、一見堀川国広一門の作と鑑せられるものである」とし、国広系図に照らして「国政の弟で、国安の兄に甚之亟国次がありまさにこれに該当するであろう」と比定する。
この脇指は平造、三つ棟、身幅広く、重ねやや厚く、反りは極めて浅い。鍛えは板目で肌よくつみ地沸つき、肌立ちごころとなる。刃文は刃巾広く浅く大きくのたれて処々に小互の目交じり、匂深く小沸よくつく。帽子は乱れこみ地蔵ごころに小丸、先尖って深く返る。茎は生ぶで、太鏨の二字銘がある。
説明は鑢目に兄弟の共通点を見出し、「国安も左鑢であるが、国次もそれと同様であることは流石兄弟とて争われぬものがある」と記す。また「焼出しを焼込んでいること、及び水影を見せていることは堀川物に共通する大切な見どころであり、決して再刃のためではないことも注意すべきである」と注意を促す。
「地刃の出来も見事であるが他にその作刀の現存するものを見ない」とされ、現存唯一の作として貴重である。国路門の越前大掾国次とは別人である。