鞭図鐔 山城國住埋忠重成 -Yamashiro no Kuni ju Umetada Shigenari- 縦83.0ミリ 横77.0ミリ 切羽台厚3.3ミリ 耳厚4.8ミリ 重量121グラム 江戸前期 The early Edo period 附属 保存刀装具鑑定書、桐箱 埋忠重成は七左衛門といい、橘姓を称した埋忠一門の金工です。山城国西陣に住し、延宝・天和頃を中心に活躍、一時幕府に召されて江戸へ下り、芝片門前町にも住したと伝えられています。埋忠一門の巧手として知られ、鉄地をはじめ各種の地金に彫刻や象嵌を施した鐔を残しました。現存作には「山城國住埋忠重成」「山城國西陣住埋忠橘重成」などと銘するものが確認され、文化遺産データベースにも鉄地に鋤彫、金銀象嵌を施した重成作が収録されています。 本作は黒味を帯びた味わい深い鉄地を用い、耳を厚く取り、その耳全体を節立った鞭に見立てた大胆な意匠で、切羽台3.3ミリに対して耳は4.8ミリと厚く、周囲を連続して隆起させることで、鐔そのものの輪郭と鞭の造形を一体化させています。さらに表裏の地には金色絵によって縄を配し、表では右下から大きくうねりながら伸び、裏では左下に簡潔に表され、鉄地の黒と金色との対照が鮮明で、華美な高彫に頼らず、耳・鉄地・金象嵌だけで主題を成立させているところに、埋忠らしい意匠感覚が感じられます。 笄櫃穴は赤銅で丁寧に埋められ、茎穴の上下には素銅の責金が残り、実用された刀装具としての来歴もうかがわせます。鉄味、耳の造形、金色絵の残存状態とも良好な一作です。
在銘 · Umetada · 江戸











新刀
現在1点販売中
新刀 · Kyoto
現在49点販売中
埋忠派は桃山時代を代表する金工集団であり、刀装具制作において後藤家と並び称される名流である。その鐔制作の技術は他の追随を許さず、古来より「埋忠鐔」の名を以て絶賛されている。特に埋忠彦次郎を中心とする本流は、吉川広家指料の「碇切り」に代表される苔鑢の妙技で知られ、金無垢地に施された鑢目の高尚な品格は筆舌に尽くせないほどである。桃山期における溌剌とした芸術精神を反映し、鐔の世界に新生面を拓いた。 作風の特徴として、金無垢、素銅、真鍮など多様な地金を用い、絶妙な肉取りの平地に締まった肉置きを見せる。斜めに掛けられた鑢や角耳の鑢仕立ては埋忠の真髄であり、切羽台外周に施された微妙な角度の配慮は、拵や刀装具を熟知した技術者ならではの工夫である。意匠は桜花透、胡蝶透、葡萄文、菊唐草文など図案化された文様を陰透や平象嵌で表し、明寿が創始した赤銅・銀・金の平象嵌研出しの技法は極めて効果的である。家紋を散らした刻印打込や七宝象嵌など装飾性に富み、絵画的で雅な雰囲気が満ちている。 江戸時代に入ると京都金工界において後藤、平田、正阿弥と各派が互いに影響し合い、埋忠派もその作風に変化を見せている。埋忠寿斉の銘がある慶長十年正月の縁頭は、金無垢地に家紋散図を施した豪華な仕立てであり、上層武家の需要に応えた作例として知られる。金無垢の鐔は度々の激動期に鋳潰されたため桃山期以前の作品は極めて少なく、現存する作例は資料的にも貴重である。埋忠二字銘の作品も江戸前期に見られ、明寿に近い出来を示すものもある。 詳しく見る →
銘が正しい、または無銘でも年代・流派を指摘でき、美術工芸的価値が認められる、保存に値する真正の刀装具と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイトお求めになられた商品とは異なる商品をお届けしてしまった場合や、表記内容と現物とに大きな隔たりなどがあった場合を除き、基本的に返品はお受けいたしません。返品をご要望の場合は、商品到着後3日以内に御連絡の上ご返送下さい。
¥385,000
鞭図鐔 山城國住埋忠重成 -Yamashiro no Kuni ju Umetada Shigenari- 縦83.0ミリ 横77.0ミリ 切羽台厚3.3ミリ 耳厚4.8ミリ 重量121グラム 江戸前期 The early Edo period 附属 保存刀装具鑑定書、桐箱 埋忠重成は七左衛門といい、橘姓を称した埋忠一門の金工です。山城国西陣に住し、延宝・天和頃を中心に活躍、一時幕府に召されて江戸へ下り、芝片門前町にも住したと伝えられています。埋忠一門の巧手として知られ、鉄地をはじめ各種の地金に彫刻や象嵌を施した鐔を残しました。現存作には「山城國住埋忠重成」「山城國西陣住埋忠橘重成」などと銘するものが確認され、文化遺産データベースにも鉄地に鋤彫、金銀象嵌を施した重成作が収録されています。 本作は黒味を帯びた味わい深い鉄地を用い、耳を厚く取り、その耳全体を節立った鞭に見立てた大胆な意匠で、切羽台3.3ミリに対して耳は4.8ミリと厚く、周囲を連続して隆起させることで、鐔そのものの輪郭と鞭の造形を一体化させています。さらに表裏の地には金色絵によって縄を配し、表では右下から大きくうねりながら伸び、裏では左下に簡潔に表され、鉄地の黒と金色との対照が鮮明で、華美な高彫に頼らず、耳・鉄地・金象嵌だけで主題を成立させているところに、埋忠らしい意匠感覚が感じられます。 笄櫃穴は赤銅で丁寧に埋められ、茎穴の上下には素銅の責金が残り、実用された刀装具としての来歴もうかがわせます。鉄味、耳の造形、金色絵の残存状態とも良好な一作です。
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埋忠派は桃山時代を代表する金工集団であり、刀装具制作において後藤家と並び称される名流である。その鐔制作の技術は他の追随を許さず、古来より「埋忠鐔」の名を以て絶賛されている。特に埋忠彦次郎を中心とする本流は、吉川広家指料の「碇切り」に代表される苔鑢の妙技で知られ、金無垢地に施された鑢目の高尚な品格は筆舌に尽くせないほどである。桃山期における溌剌とした芸術精神を反映し、鐔の世界に新生面を拓いた。 作風の特徴として、金無垢、素銅、真鍮など多様な地金を用い、絶妙な肉取りの平地に締まった肉置きを見せる。斜めに掛けられた鑢や角耳の鑢仕立ては埋忠の真髄であり、切羽台外周に施された微妙な角度の配慮は、拵や刀装具を熟知した技術者ならではの工夫である。意匠は桜花透、胡蝶透、葡萄文、菊唐草文など図案化された文様を陰透や平象嵌で表し、明寿が創始した赤銅・銀・金の平象嵌研出しの技法は極めて効果的である。家紋を散らした刻印打込や七宝象嵌など装飾性に富み、絵画的で雅な雰囲気が満ちている。 江戸時代に入ると京都金工界において後藤、平田、正阿弥と各派が互いに影響し合い、埋忠派もその作風に変化を見せている。埋忠寿斉の銘がある慶長十年正月の縁頭は、金無垢地に家紋散図を施した豪華な仕立てであり、上層武家の需要に応えた作例として知られる。金無垢の鐔は度々の激動期に鋳潰されたため桃山期以前の作品は極めて少なく、現存する作例は資料的にも貴重である。埋忠二字銘の作品も江戸前期に見られ、明寿に近い出来を示すものもある。 詳しく見る →
銘が正しい、または無銘でも年代・流派を指摘でき、美術工芸的価値が認められる、保存に値する真正の刀装具と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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