鐔:埋忠重義 「檪谷川(つだがわ)」 銘:城州西陣住埋忠橘重義 素材:鉄地、金 時代:江戸時代後期 寸法:縦 83.9mm / 横 77.8mm / 耳厚 4.0mm 付属品:落込座布団付桐箱 鑑定:日本美術刀剣保存協会 保存刀装具(2022年) 価格:200,000円 / €1250 / $1390 奈良にほど近い檪谷川(つだがわ)は、古来より紅葉の名所として知られています。 本作は長丸形の鉄地を用い、川の波紋とそこを流れる紅葉を「鋤出彫(すきだしぼり)」の技法で見事に表現しています。紅葉の一部や水飛沫には、繊細な金の色絵が施されています。 埋忠家が拠点を置いた京都からもほど近い奈良の情景を題材に選んでいる点は、作者である埋忠橘重義の身近な風情への愛着が感じられ、非常に興味深い一品です。 諸説(ヘインズ、福士繁雄著など)によれば、埋忠家において「重義」を名乗る工は三代から四代存在するとされており、本作がそのうちのどの代によるものかを特定することは困難ですが、メトロポリタン美術館やボストン美術館にも同銘の優れた作品が収蔵されています。 【埋忠派について】 埋忠派は室町時代末期より続く名門で、代々足利将軍家に仕えてきました。その技術は非常に多才であり、刀剣の制作のみならず、鎺(はばき)、切羽、縁頭、そして鐔の制作においても優れた手腕を発揮しました。また、磨上げや金象嵌銘の施銘、刀身彫刻(彫物)なども一手に引き受けていたことで知られています。 一方で、目貫、笄、小柄などの細工物については、主に後藤家がその御用を担っていたため、埋忠の手による遺例はほとんど見られません。 埋忠派の技量が光る、見事な出来栄えの逸品です。 城州西陣住埋忠橘重義





重義
江戸
在銘
保存 (NBTHK)
新刀 · 1670頃
現在6点販売中
埋忠重義は、寛永から元禄頃にかけて京都西陣に居住したと伝えられる金工である。七左衛門を冠する重義には、埋忠と銘するものと梅忠と銘するものの両手が存在する。同派の祖である明寿の彫法を継承し、鉄、真鍮、赤銅などを素材とした鐔を制作した。作風はいわゆる明寿から継承された埋忠様式をどこかしらに取り入れ、垢抜けた意匠を表しているとされる。
重義の作風は、高度な象嵌技術を駆使して埋忠派独自の華麗な絵風文様を展開している点に特徴がある。真鍮地、赤銅石目地などを素材とし、薄肉彫地透、金銀赤銅平象嵌などの技法を用いる。文様は地面より僅かに高く肉を持たせた埋忠派独得の手法が見られる。四季折々の花々を輪繋の丸文に仕立てた洒落た意匠や、絹織物で名高い西陣に居住した埋忠派ならではの意匠を象嵌技術で表現した作例がある。また、九曜紋、二引透紋等の大名家の定紋を彫った金具も残されている。
埋忠重義は、洗練された埋忠の流れを強く感じさせる作風で知られ、江戸時代中期における埋忠派の作風を代表する刀工の一人として評価されている。
重義の位置づけを、日本刀全体および伝統・時代・時期ごとに示します。各位(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。
各項目を選ぶと評価方法が表示されます。
新刀 · Kyoto
現在52点販売中
埋忠派は桃山時代を代表する金工集団であり、刀装具制作において後藤家と並び称される名流である。その鐔制作の技術は他の追随を許さず、古来より「埋忠鐔」の名を以て絶賛されている。特に埋忠彦次郎を中心とする本流は、吉川広家指料の「碇切り」に代表される苔鑢の妙技で知られ、金無垢地に施された鑢目の高尚な品格は筆舌に尽くせないほどである。桃山期における溌剌とした芸術精神を反映し、鐔の世界に新生面を拓いた。 作風の特徴として、金無垢、素銅、真鍮など多様な地金を用い、絶妙な肉取りの平地に締まった肉置きを見せる。斜めに掛けられた鑢や角耳の鑢仕立ては埋忠の真髄であり、切羽台外周に施された微妙な角度の配慮は、拵や刀装具を熟知した技術者ならではの工夫である。意匠は桜花透、胡蝶透、葡萄文、菊唐草文など図案化された文様を陰透や平象嵌で表し、明寿が創始した赤銅・銀・金の平象嵌研出しの技法は極めて効果的である。家紋を散らした刻印打込や七宝象嵌など装飾性に富み、絵画的で雅な雰囲気が満ちている。 江戸時代に入ると京都金工界において後藤、平田、正阿弥と各派が互いに影響し合い、埋忠派もその作風に変化を見せている。埋忠寿斉の銘がある慶長十年正月の縁頭は、金無垢地に家紋散図を施した豪華な仕立てであり、上層武家の需要に応えた作例として知られる。金無垢の鐔は度々の激動期に鋳潰されたため桃山期以前の作品は極めて少なく、現存する作例は資料的にも貴重である。埋忠二字銘の作品も江戸前期に見られ、明寿に近い出来を示すものもある。 詳しく見る →
銘が正しい、または無銘でも年代・流派を指摘でき、美術工芸的価値が認められる、保存に値する真正の刀装具と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイト鐔:埋忠重義 「檪谷川(つだがわ)」 銘:城州西陣住埋忠橘重義 素材:鉄地、金 時代:江戸時代後期 寸法:縦 83.9mm / 横 77.8mm / 耳厚 4.0mm 付属品:落込座布団付桐箱 鑑定:日本美術刀剣保存協会 保存刀装具(2022年) 価格:200,000円 / €1250 / $1390 奈良にほど近い檪谷川(つだがわ)は、古来より紅葉の名所として知られています。 本作は長丸形の鉄地を用い、川の波紋とそこを流れる紅葉を「鋤出彫(すきだしぼり)」の技法で見事に表現しています。紅葉の一部や水飛沫には、繊細な金の色絵が施されています。 埋忠家が拠点を置いた京都からもほど近い奈良の情景を題材に選んでいる点は、作者である埋忠橘重義の身近な風情への愛着が感じられ、非常に興味深い一品です。 諸説(ヘインズ、福士繁雄著など)によれば、埋忠家において「重義」を名乗る工は三代から四代存在するとされており、本作がそのうちのどの代によるものかを特定することは困難ですが、メトロポリタン美術館やボストン美術館にも同銘の優れた作品が収蔵されています。 【埋忠派について】 埋忠派は室町時代末期より続く名門で、代々足利将軍家に仕えてきました。その技術は非常に多才であり、刀剣の制作のみならず、鎺(はばき)、切羽、縁頭、そして鐔の制作においても優れた手腕を発揮しました。また、磨上げや金象嵌銘の施銘、刀身彫刻(彫物)なども一手に引き受けていたことで知られています。 一方で、目貫、笄、小柄などの細工物については、主に後藤家がその御用を担っていたため、埋忠の手による遺例はほとんど見られません。 埋忠派の技量が光る、見事な出来栄えの逸品です。 城州西陣住埋忠橘重義





重義
江戸
在銘
保存 (NBTHK)
新刀 · 1670頃
現在6点販売中
埋忠重義は、寛永から元禄頃にかけて京都西陣に居住したと伝えられる金工である。七左衛門を冠する重義には、埋忠と銘するものと梅忠と銘するものの両手が存在する。同派の祖である明寿の彫法を継承し、鉄、真鍮、赤銅などを素材とした鐔を制作した。作風はいわゆる明寿から継承された埋忠様式をどこかしらに取り入れ、垢抜けた意匠を表しているとされる。
重義の作風は、高度な象嵌技術を駆使して埋忠派独自の華麗な絵風文様を展開している点に特徴がある。真鍮地、赤銅石目地などを素材とし、薄肉彫地透、金銀赤銅平象嵌などの技法を用いる。文様は地面より僅かに高く肉を持たせた埋忠派独得の手法が見られる。四季折々の花々を輪繋の丸文に仕立てた洒落た意匠や、絹織物で名高い西陣に居住した埋忠派ならではの意匠を象嵌技術で表現した作例がある。また、九曜紋、二引透紋等の大名家の定紋を彫った金具も残されている。
埋忠重義は、洗練された埋忠の流れを強く感じさせる作風で知られ、江戸時代中期における埋忠派の作風を代表する刀工の一人として評価されている。
重義の位置づけを、日本刀全体および伝統・時代・時期ごとに示します。各位(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。
各項目を選ぶと評価方法が表示されます。
新刀 · Kyoto
現在52点販売中
埋忠派は桃山時代を代表する金工集団であり、刀装具制作において後藤家と並び称される名流である。その鐔制作の技術は他の追随を許さず、古来より「埋忠鐔」の名を以て絶賛されている。特に埋忠彦次郎を中心とする本流は、吉川広家指料の「碇切り」に代表される苔鑢の妙技で知られ、金無垢地に施された鑢目の高尚な品格は筆舌に尽くせないほどである。桃山期における溌剌とした芸術精神を反映し、鐔の世界に新生面を拓いた。 作風の特徴として、金無垢、素銅、真鍮など多様な地金を用い、絶妙な肉取りの平地に締まった肉置きを見せる。斜めに掛けられた鑢や角耳の鑢仕立ては埋忠の真髄であり、切羽台外周に施された微妙な角度の配慮は、拵や刀装具を熟知した技術者ならではの工夫である。意匠は桜花透、胡蝶透、葡萄文、菊唐草文など図案化された文様を陰透や平象嵌で表し、明寿が創始した赤銅・銀・金の平象嵌研出しの技法は極めて効果的である。家紋を散らした刻印打込や七宝象嵌など装飾性に富み、絵画的で雅な雰囲気が満ちている。 江戸時代に入ると京都金工界において後藤、平田、正阿弥と各派が互いに影響し合い、埋忠派もその作風に変化を見せている。埋忠寿斉の銘がある慶長十年正月の縁頭は、金無垢地に家紋散図を施した豪華な仕立てであり、上層武家の需要に応えた作例として知られる。金無垢の鐔は度々の激動期に鋳潰されたため桃山期以前の作品は極めて少なく、現存する作例は資料的にも貴重である。埋忠二字銘の作品も江戸前期に見られ、明寿に近い出来を示すものもある。 詳しく見る →
銘が正しい、または無銘でも年代・流派を指摘でき、美術工芸的価値が認められる、保存に値する真正の刀装具と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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