竹虎図鐔 無銘(庄内) -Mumei (Shonai)- 縦71.0ミリ 横67.1ミリ 切羽台厚5.1ミリ 重量153グラム 江戸後期 The latter period of Edo era 附属 保存刀装具鑑定書、桐箱 庄内金工とは、出羽国庄内、特に鶴岡を中心として江戸時代に展開した装剣金工を地域的に総称したものです。その本格的な展開は酒井忠勝の庄内入部以後にみられ、記録上では寛文4年(1664)に正阿弥又八郎が酒井家に仕えたことが早い例として知られています。 なかでも鶴岡に生まれた土屋安親は、庄内の正阿弥系金工である佐藤珍久に学び、のち江戸へ出て奈良辰政に入門、奈良利寿、杉浦乗意とともに「奈良三作」と称される名工となりました。 その後も庄内では渡辺在哉、鷲田派、桂野赤文、船田一琴など、それぞれ異なる系統の技法を修めた金工が活躍し、江戸金工の影響を取り入れながら独自の地方金工文化を形成しています。 本作は無銘ながら保存刀装具鑑定書において「庄内」と極められた竹虎図鐔です。撫角形の真鍮磨地に片切毛彫を施し、四分一覆輪を廻らせ、両櫃孔を設けています。片面には竹を主体として大きく余白を取り、もう一面では竹林の下に身を伏せる虎を配した構成。虎は細かな鏨を重ねて毛並みを表し、頭部から胴、巻いた尾へと線を連ねることで柔らかな量感を生み出しています。一方の竹は幹の節を力強く彫り込み、葉を鋭い片切毛彫で表すことで、虎の細密な毛彫との対照を見せます。赤褐色に落ち着いた真鍮地を黒味のある四分一覆輪が囲み、素朴な地金の色調を引き締めているところも見どころでしょう。 なお庄内藩抱え工となった桂野赤文が虎を得意としたことは資料にも確認できますが、本作を赤文あるいはその系統に結び付ける根拠はなく、鑑定書どおり「庄内」の極めとして評価するのが適切かと思われます。









銘が正しい、または無銘でも年代・流派を指摘でき、美術工芸的価値が認められる、保存に値する真正の刀装具と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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