武州正勝は武州伊藤派に連なる刀装工であり、江戸後期に活躍したと伝えられています。花鳥風月を題材とした優美な意匠を得意とし、繊細な彫技と上品な構成によって江戸らしい洗練された作風を示しています。 本作は満開の桜花を題材とした鉄地鐔で、画面全体に咲き誇る桜花と蕾を高肉彫風に配し、春爛漫の情景を格調高く表現しています。 鉄地はよく鍛えられ、落ち着いた黒味を帯びた古色を呈しています。表裏ともに桜花と蕾を密に配置しながらも窮屈さは感じられず、花弁の輪郭や葉脈、萼の表現に至るまで丁寧な鏨遣いが施されています。花芯には金象嵌を加えており、黒味のある鉄地との対比によって桜花がより印象的に浮かび上がります。 意匠は切羽台を中心として自然に連続し、表裏を通じて一幅の花景色を構成し、盛り上げられた花弁には柔らかな立体感が備わり、枝振りや葉の配置にも変化を持たせることで、画面全体に豊かな奥行きが生み出されています。 桜は古来より繁栄や吉祥を象徴する日本を代表する花として親しまれてきました。本作は桜花の美しさを余すところなく描き上げた華やかな作品であり、武州正勝の優れた意匠感覚と確かな彫技をうかがうことのできる見所の多い優品です。
取扱店 刀心










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銘が正しい、または無銘でも年代・流派を指摘でき、美術工芸的価値が認められる、保存に値する真正の刀装具と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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