唐草に踊り桐図鐔 漆黒の美しさが際立つ極上の赤銅地を用い、表裏全体に精緻な唐草と踊り桐の意匠を巧みに彫り口深く刻んだ、実に見事な意匠の鐔です。耳には同材質の赤銅による覆輪が施され、作品全体の品格をより一層高めています。 本作において最も特筆すべきは、「文政三年八月日」(1820年)の年紀が切られている点で、武州住利幸の確かな技量を示す基準作としても非常に資料的価値が高く、愛刀家にとって興味の尽きない貴重な一枚と言えるでしょう。 また、意匠の美しさにとどまらず、耳の所々には実戦の痕跡を思わせる打ち傷と、鮮やかな斬り込み傷が一箇所遺されているのも大きな魅力です。 これらは幕末の激動の時代、激しい鐔迫り合いや刃傷をくぐり抜けてきた生々しい証であり、当時の武士の息遣いと歴史の浪漫を今に伝えています。美術的・歴史的価値を兼ね備えた浪漫溢れる名品です。
取扱店 刀心
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