室町は刀剣業を産業に変えた。徒歩の集団戦とともに打刀が興り、長船と関は数打ち物と注文打ちを並行して産し、勘合貿易は日本刀を数万振の単位で海外へ運んだ。
銘鑑を繙くと、古刀期に「貞吉」と銘切る刀工は十二名ほど確認されますが、本槍の体配から制作年代を室町前期〜中期と見て取れるため、候補として挙げられるのは三河・備前・関の諸工となりましょう。中でも二字銘で「貞吉」と切る例が見られるのは関の貞吉であり、有力視されます。 しかし現状では錆に覆われているため、いずれの貞吉によるものかの特定は困難であり、研磨を施したうえで然るべき鑑定機関の判断を仰ぎたいところです。 本槍は、槍収集家であれば一目で察するように、長く張り出した螻蛄首の形状から、室町中期を下らぬ古作であることが明らかです。平面に刻まれた樋は俗に「百足」と称される鏨彫りですが、本槍の場合は単なる百足彫りではなく、素剣をも刻した格の高い作。刃長一尺を超える堂々たる大身槍であることに加え、拵残欠に銀着せ金具が用いられている点から、相当な上士の所有であったことがうかがえます。さぞ見事な拵であったことでしょう。 近年の住宅事情ゆえとは察せられますが、柄を切断するような愚挙だけは断じて避けていただきたいと強く願うばかりです。螻蛄首には受け傷も残り、戦国期に実戦を潜り抜けてきた痕跡が生々しく伝わります。いかなる武将が本槍を振るい、いかなる戦場を駆けたのか。想像するだに浪漫の尽きぬ一槍です。
取扱店 刀心
この品の現在有効な鑑定書は確認できませんでした。審査に出されたことがあるか、出せるかを刀剣商にお尋ねください。 — Hoshi








三河 · 1429-1441頃
室町時代
室町は刀剣業を産業に変えた。徒歩の集団戦とともに打刀が興り、長船と関は数打ち物と注文打ちを並行して産し、勘合貿易は日本刀を数万振の単位で海外へ運んだ。
刀剣商の出品ページで鑑定書を確認できませんでした。日本刀および刀装具は通常、NBTHK(または NTHK)の鑑定を受けます。鑑定書がない場合、極めは刀剣商の見解にとどまり、第三者による確認は行われていません。ご購入前に刀剣商へ鑑定書の有無をお問い合わせのうえ、慎重にご判断ください。
お求めになられた商品とは異なる商品をお届けしてしまった場合や、表記内容と現物とに大きな隔たりなどがあった場合を除き、基本的に返品はお受けいたしません。返品をご要望の場合は、商品到着後3日以内に御連絡の上ご返送下さい。
¥110,000