骨董日本刀 脇差 銘 兼先(美濃) NTHK鑑定書付 【概要】 本作はNTHK(日本刀剣保存技術会)の鑑定により、天正年間(1573-1592:室町時代末期)の美濃兼先と極められた一振りです。兼先は、16世紀後半の室町時代末期に美濃国で活躍した「末関」を代表する刀工の一人です。 美濃伝の作風は、大和伝を源流として鎌倉時代末期(1280-1330)に興り、室町時代(1333-1573)に全盛を迎え、江戸時代へと引き継がれました。その特徴は、直調のなかに尖り刃を交えた乱れ刃を焼き、白く映りが立つ点にあります。 特に戦国時代、美濃伝は武器としての高い需要により大きく繁栄しました。美濃国は、明智光秀が治めた美濃、織田信長の尾張、徳川家康の駿河といった有力大名の領地に隣接し、これら戦国大名やその家臣団から多くの注文を受けました。また、関東と京の間に位置する地理的条件も、美濃伝の隆盛を後押ししました。美濃の刀剣は実用性と切れ味に定評があり、多くの武将に愛用されました。激動の戦国時代に打たれた歴史の重みを感じさせる一振りです。 【刀身】 長さ(Nagasa):43.0 cm 反り(Sori):1.4 cm 刃文(Hamon):焼入れによって刃先に現れる結晶構造 地鉄(Jihada):鍛錬の過程で現れる鋼の表面模様 茎(Nakago): 刀身の柄に収まる部分です。日本の職人は、柄内部の赤錆を防ぐためにあえて黒錆を残します。この茎の経年による色調の変化(錆色)は、専門家が製作年代を推定する際の重要な指標となります。 【拵】 拵(Koshirae)は、鞘、柄、鍔などの外装一式を指します。 縁頭(Fuchi-Kashira): 柄の両端を保護し、装飾する一対の金具です。 本作の縁頭には植物が意匠化されています。縁金具には細い枝に実る果実が描かれており、葉と実の形状から「柿」であると推察されます。葉には金の色絵が施され、実は銅そのものの色を活かして表現されています。柿の木は寿命が長いことから長寿の象徴とされ、また「かき集める」という言葉にかけて「幸せをかき集める」という吉祥文様として好まれました。 頭金具には松と思われる植物が描かれています。松もまた、柿と同様に繁栄と長寿を象徴する縁起の良い図柄です。 柄・目貫(Tsuka / Menuki): 柄は刀を握る部位であり、目貫はその装飾です。 柄巻の隙間から覗く目貫のモチーフは武者です。それぞれの目貫に二人の武者が配されています。甲冑を身にまとい、刀を手に駆ける姿から、戦場における武者の勇姿を描いたものと考えられます。経年による傷みは見られますが、当時の武士の雄々しい姿を今に伝えています。こうした意匠は、持ち主の士気を高めるために選ばれたのでしょう。 鍔・鎺(Tsuba / Habaki): 鍔は手を守るための護拳であり、鎺は刀身を鞘に固定するための金具です。




















美濃伝 · 美濃 · 1521-1528頃
刀剣大鑑 上位63%
現在1点販売中
兼先の位置づけを、日本刀全体および伝統・時代・時期ごとに示します。各位(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。
各項目を選ぶと評価方法が表示されます。
在銘年紀作が示す、確実に活動していた年代
美濃伝 · 美濃
現在142点販売中
美濃国の関は、南北朝より室町、新刀期に至るまで日本刀の一大生産地として栄えた鍛冶の地である。その源流は二つに発し、説明書は金重と志津兼氏とを並べて美濃鍛冶の祖とする。金重は『古今銘尽』に法名道阿、越前敦賀の住人と伝えられ、敦賀より関へ越えて住したといい、相州正宗十哲の一に数えられて、沸の厚い穏やかな手を美濃の地鉄に持ち込んだ。兼氏に発する志津の系は、尖り互の目に走る乱調をもって、いま一つの根をなす。この二流が南北朝の美濃伝を形づくり、金行のごとく金重に続く工、室町に入って善定派の兼吉のように大和手掻の血を関に運んだ工が加わって、流れは広がった。室町後期には兼元・兼定の二名を頂点とする末関の隆盛を迎え、孫六兼元の名と和泉守兼定の受領とが、地方の量産地にとどまらぬ関の格を世に示した。大和と相州の二つの源流に、備前を意識した白け映りの地が結ばれて、美濃伝という一個の伝法が立ったのである。 関物を貫くのは、工と系統の差を越えて繰り返される美濃の共通語法である。地鉄は板目に柾を交えてしばしば肌立ち、刃寄りに柾がかり、鎬地は柾に流れる。その地に立つ映りは備前の明るい乱れ映りではなく、淡く白ける美濃鉄の靄のような白け映りで、説明書はこれを終始、備前と作を分かつ見どころとして掲げる。刃文は互の目を主調に尖り刃を交え、兼元にあっては整然と並ぶ尖り刃の三本杉となり、兼定や兼之にあっては頭の丸い互の目とのたれを交えて変化に富む。沸は乾いて締まり、匂口は冴え、足入り、砂流し・細かな金筋が刃中を走る。帽子は乱れ込んで先尖りごころとなり、あるいは丸く地蔵風に返る。これらは関の背骨をなす型であって、工により濃淡を異にする。金重・金行の手は穏やかで地が肌立ち、善定兼吉は大和の血を負って締った直刃と柾がかる板目を見せ、末関の氏房は大らかなのたれに尖り刃を折り込み、兼房は頭の丸い互の目の兼房乱れを得意とする。同じ語法のうちに、それぞれの工の手が読み分けられる。 収集家が関物を求めるのは、その鑑定が手応えを伴う一個の眼の修練だからである。映りが白く沸が乾いて締まる美濃の地刃は、備前の華やかな映りとも、山城の長く澄んだ直刃とも異なり、これを見分けることが関を識る勘所となる。主要工の格は説明書の評にそのまま現れる。孫六兼元は三本杉の創始者として名を成し、和泉守兼定すなわちノサダは、白ける板目に焼いた賑やかな美濃の刃と来国俊風の細直刃の双方を能くして、古刀期に珍しい受領を許され、刀剣書が「すぐれたる上手」と評する当代第一の手とされる。兼之は末関中最もよく練れた鍛えを見せて作域広く、永正・大永のノサダとして賞玩が厚い。これらの名は将軍家・大名家の伝来を負い、ノサダの太刀には武田信虎のために打たれた一口があり、菊花紋を切った刀は皇室との関わりを示し、徳川将軍家への献上を経た金重の短刀も伝わる。末関の氏房一門は清須・名古屋へ移って尾張新刀三祖の一を生み、古い美濃の手が新たな伝統へ移る蝶番に立った。切れ味をもって武用に応えた量産の地でありながら、孫六兼元らの最上手の作は美術的価値においても高く評され、その白け映りと乾いた沸の手を識ることが、美濃伝いかに始まり継がれたかを語る証となる。
NTHKの中心的な鑑定書で、相応の出来を備えた作に発行されます。在銘作は銘の正真を、無銘作は審査員による刀工・流派の極めを示します。点数を記す詳細な審査表が付されます。
NTHK(日本刀剣保存会)は、NBTHK(1948年設立)に先立つ1910年に創立された、日本で最も古い刀剣鑑定団体です。長く会を率いた会長の没後、NTHKとNTHK-NPOの二つに分かれ、いずれも審査を続けています。NTHKの鑑定書は、点数と審査員の所見を併記する詳細な審査表が特徴で、特に無銘作の極めに定評があります。
Returns/exchanges limited to defects caused by shipping (except willful misconduct or gross negligence by the company); customers must contact within 72 hours of receiving the product.
骨董日本刀 脇差 銘 兼先(美濃) NTHK鑑定書付 【概要】 本作はNTHK(日本刀剣保存技術会)の鑑定により、天正年間(1573-1592:室町時代末期)の美濃兼先と極められた一振りです。兼先は、16世紀後半の室町時代末期に美濃国で活躍した「末関」を代表する刀工の一人です。 美濃伝の作風は、大和伝を源流として鎌倉時代末期(1280-1330)に興り、室町時代(1333-1573)に全盛を迎え、江戸時代へと引き継がれました。その特徴は、直調のなかに尖り刃を交えた乱れ刃を焼き、白く映りが立つ点にあります。 特に戦国時代、美濃伝は武器としての高い需要により大きく繁栄しました。美濃国は、明智光秀が治めた美濃、織田信長の尾張、徳川家康の駿河といった有力大名の領地に隣接し、これら戦国大名やその家臣団から多くの注文を受けました。また、関東と京の間に位置する地理的条件も、美濃伝の隆盛を後押ししました。美濃の刀剣は実用性と切れ味に定評があり、多くの武将に愛用されました。激動の戦国時代に打たれた歴史の重みを感じさせる一振りです。 【刀身】 長さ(Nagasa):43.0 cm 反り(Sori):1.4 cm 刃文(Hamon):焼入れによって刃先に現れる結晶構造 地鉄(Jihada):鍛錬の過程で現れる鋼の表面模様 茎(Nakago): 刀身の柄に収まる部分です。日本の職人は、柄内部の赤錆を防ぐためにあえて黒錆を残します。この茎の経年による色調の変化(錆色)は、専門家が製作年代を推定する際の重要な指標となります。 【拵】 拵(Koshirae)は、鞘、柄、鍔などの外装一式を指します。 縁頭(Fuchi-Kashira): 柄の両端を保護し、装飾する一対の金具です。 本作の縁頭には植物が意匠化されています。縁金具には細い枝に実る果実が描かれており、葉と実の形状から「柿」であると推察されます。葉には金の色絵が施され、実は銅そのものの色を活かして表現されています。柿の木は寿命が長いことから長寿の象徴とされ、また「かき集める」という言葉にかけて「幸せをかき集める」という吉祥文様として好まれました。 頭金具には松と思われる植物が描かれています。松もまた、柿と同様に繁栄と長寿を象徴する縁起の良い図柄です。 柄・目貫(Tsuka / Menuki): 柄は刀を握る部位であり、目貫はその装飾です。 柄巻の隙間から覗く目貫のモチーフは武者です。それぞれの目貫に二人の武者が配されています。甲冑を身にまとい、刀を手に駆ける姿から、戦場における武者の勇姿を描いたものと考えられます。経年による傷みは見られますが、当時の武士の雄々しい姿を今に伝えています。こうした意匠は、持ち主の士気を高めるために選ばれたのでしょう。 鍔・鎺(Tsuba / Habaki): 鍔は手を守るための護拳であり、鎺は刀身を鞘に固定するための金具です。




















美濃伝 · 美濃 · 1521-1528頃
刀剣大鑑 上位63%
現在1点販売中
兼先の位置づけを、日本刀全体および伝統・時代・時期ごとに示します。各位(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。
各項目を選ぶと評価方法が表示されます。
在銘年紀作が示す、確実に活動していた年代
美濃伝 · 美濃
現在142点販売中
美濃国の関は、南北朝より室町、新刀期に至るまで日本刀の一大生産地として栄えた鍛冶の地である。その源流は二つに発し、説明書は金重と志津兼氏とを並べて美濃鍛冶の祖とする。金重は『古今銘尽』に法名道阿、越前敦賀の住人と伝えられ、敦賀より関へ越えて住したといい、相州正宗十哲の一に数えられて、沸の厚い穏やかな手を美濃の地鉄に持ち込んだ。兼氏に発する志津の系は、尖り互の目に走る乱調をもって、いま一つの根をなす。この二流が南北朝の美濃伝を形づくり、金行のごとく金重に続く工、室町に入って善定派の兼吉のように大和手掻の血を関に運んだ工が加わって、流れは広がった。室町後期には兼元・兼定の二名を頂点とする末関の隆盛を迎え、孫六兼元の名と和泉守兼定の受領とが、地方の量産地にとどまらぬ関の格を世に示した。大和と相州の二つの源流に、備前を意識した白け映りの地が結ばれて、美濃伝という一個の伝法が立ったのである。 関物を貫くのは、工と系統の差を越えて繰り返される美濃の共通語法である。地鉄は板目に柾を交えてしばしば肌立ち、刃寄りに柾がかり、鎬地は柾に流れる。その地に立つ映りは備前の明るい乱れ映りではなく、淡く白ける美濃鉄の靄のような白け映りで、説明書はこれを終始、備前と作を分かつ見どころとして掲げる。刃文は互の目を主調に尖り刃を交え、兼元にあっては整然と並ぶ尖り刃の三本杉となり、兼定や兼之にあっては頭の丸い互の目とのたれを交えて変化に富む。沸は乾いて締まり、匂口は冴え、足入り、砂流し・細かな金筋が刃中を走る。帽子は乱れ込んで先尖りごころとなり、あるいは丸く地蔵風に返る。これらは関の背骨をなす型であって、工により濃淡を異にする。金重・金行の手は穏やかで地が肌立ち、善定兼吉は大和の血を負って締った直刃と柾がかる板目を見せ、末関の氏房は大らかなのたれに尖り刃を折り込み、兼房は頭の丸い互の目の兼房乱れを得意とする。同じ語法のうちに、それぞれの工の手が読み分けられる。 収集家が関物を求めるのは、その鑑定が手応えを伴う一個の眼の修練だからである。映りが白く沸が乾いて締まる美濃の地刃は、備前の華やかな映りとも、山城の長く澄んだ直刃とも異なり、これを見分けることが関を識る勘所となる。主要工の格は説明書の評にそのまま現れる。孫六兼元は三本杉の創始者として名を成し、和泉守兼定すなわちノサダは、白ける板目に焼いた賑やかな美濃の刃と来国俊風の細直刃の双方を能くして、古刀期に珍しい受領を許され、刀剣書が「すぐれたる上手」と評する当代第一の手とされる。兼之は末関中最もよく練れた鍛えを見せて作域広く、永正・大永のノサダとして賞玩が厚い。これらの名は将軍家・大名家の伝来を負い、ノサダの太刀には武田信虎のために打たれた一口があり、菊花紋を切った刀は皇室との関わりを示し、徳川将軍家への献上を経た金重の短刀も伝わる。末関の氏房一門は清須・名古屋へ移って尾張新刀三祖の一を生み、古い美濃の手が新たな伝統へ移る蝶番に立った。切れ味をもって武用に応えた量産の地でありながら、孫六兼元らの最上手の作は美術的価値においても高く評され、その白け映りと乾いた沸の手を識ることが、美濃伝いかに始まり継がれたかを語る証となる。
NTHKの中心的な鑑定書で、相応の出来を備えた作に発行されます。在銘作は銘の正真を、無銘作は審査員による刀工・流派の極めを示します。点数を記す詳細な審査表が付されます。
NTHK(日本刀剣保存会)は、NBTHK(1948年設立)に先立つ1910年に創立された、日本で最も古い刀剣鑑定団体です。長く会を率いた会長の没後、NTHKとNTHK-NPOの二つに分かれ、いずれも審査を続けています。NTHKの鑑定書は、点数と審査員の所見を併記する詳細な審査表が特徴で、特に無銘作の極めに定評があります。
Returns/exchanges limited to defects caused by shipping (except willful misconduct or gross negligence by the company); customers must contact within 72 hours of receiving the product.