徳川の泰平のもと、大小は法度の定める身分の制服となり、需要は城下町、とりわけ江戸に集まった。工芸は二つに分かれる。目利きのための華やかな鑑賞の作と、截断の結果を金象嵌に刻む実証の刀である。
日本刀 刀:伝 寿命(嘉永頃) NTHK鑑定書付属 【解説】 本作は、江戸時代後期(嘉永年間:1848-1855年頃)の寿命(じゅみょう)一派による作と極められた一振りです。寿命は「としなが」とも読まれ、その起源は大和国(現在の奈良県)に発し、鎌倉時代に美濃国へと移住しました。以来、その流派は江戸時代末期に至るまで数世紀にわたり連綿と受け継がれてきました。 「寿命」という名は「命の長さ(長寿)」を意味することから、極めて縁起の良いものとして尊ばれ、武家社会においては大名家への献上品や進物として重宝されました。 美濃伝の作風は、直刃調に尖り刃を交えた刃文や、白く現れる映り(うつり)を特徴とします。美濃伝は鎌倉時代末期に大和伝の流れを汲んで興り、室町時代に最盛期を迎え、江戸時代まで繁栄しました。 特に戦国時代においては、武器としての需要が急増したこと、また美濃国が地理的に要衝であったことから大きく発展しました。明智光秀が美濃を治め、織田信長が尾張を、徳川家康が駿河を拠点とするなど、有力な戦国大名やその家臣団からの需要が絶えませんでした。また、関東と京を結ぶ中間に位置したことも、諸大名が美濃伝の刀を注文する上で好都合でした。美濃の刀は実用性と切れ味に優れるとの定評があり、その卓越した鍛刀技術は江戸時代まで継承され、本作の寿命はその好例と言えます。 【彫物】 本刀の刀身両面には、精巧な彫物が施されています。 表には、龍に乗る「倶利伽羅不動(くりからふどう)」の姿が緻密に彫り込まれています。不動明王は密教における守護神であり、悪を退け人々を正しい道へと導く「不動の心」の象徴として、古来より武士の間で深く信仰されてきました。 ここに描かれた龍は、不動明王の化身とされる「倶利伽羅龍王」です。倶利伽羅龍王は、あらゆる障害や悪を焼き尽くす激しい炎に包まれた神聖な守護者とされています。龍の上に座す不動明王の姿は、混沌とした力を完全に制御し、正義と悟りへと導く絶対的な力を象徴しています。 また、不動明王の上部には「梵字(ぼんじ)」が刻まれています。これは仏尊を象徴するサンスクリット文字であり、不動明王の加護を祈念して彫られたものと推察されます。 裏には「倶利伽羅剣(くりからけん)」が彫られています。これは不動明王が振るう宝剣であり、煩悩や悪を断ち切る力を象徴しています。こうした密教の意匠は、武士にとって精神的な支えや守護としての意味を持ち、好んで刀身に彫り込まれました。この倶利伽羅剣は、密教の儀式や祈祷、魔除けに用いられる「三鈷柄剣(さんこづかけん)」の形式を模しています。 ※刀身には僅かな鍛え傷および薄い黒錆が見受けられます。詳細なコンディションについては、お気軽にお問い合わせください。 【種別】 長さ(Nagasa):69.5 cm 反り(Sori):2.21 cm 刃文(Hamon):沸出来の直刃調に尖り刃交じる























美濃伝 · 美濃
現在14点販売中
徳川の泰平のもと、大小は法度の定める身分の制服となり、需要は城下町、とりわけ江戸に集まった。工芸は二つに分かれる。目利きのための華やかな鑑賞の作と、截断の結果を金象嵌に刻む実証の刀である。
NTHKの中心的な鑑定書で、相応の出来を備えた作に発行されます。在銘作は銘の正真を、無銘作は審査員による刀工・流派の極めを示します。点数を記す詳細な審査表が付されます。
NTHK(日本刀剣保存会)は、NBTHK(1948年設立)に先立つ1910年に創立された、日本で最も古い刀剣鑑定団体です。長く会を率いた会長の没後、NTHKとNTHK-NPOの二つに分かれ、いずれも審査を続けています。NTHKの鑑定書は、点数と審査員の所見を併記する詳細な審査表が特徴で、特に無銘作の極めに定評があります。
Returns/exchanges limited to defects caused by shipping (except willful misconduct or gross negligence by the company); customers must contact within 72 hours of receiving the product.
日本刀 刀:伝 寿命(嘉永頃) NTHK鑑定書付属 【解説】 本作は、江戸時代後期(嘉永年間:1848-1855年頃)の寿命(じゅみょう)一派による作と極められた一振りです。寿命は「としなが」とも読まれ、その起源は大和国(現在の奈良県)に発し、鎌倉時代に美濃国へと移住しました。以来、その流派は江戸時代末期に至るまで数世紀にわたり連綿と受け継がれてきました。 「寿命」という名は「命の長さ(長寿)」を意味することから、極めて縁起の良いものとして尊ばれ、武家社会においては大名家への献上品や進物として重宝されました。 美濃伝の作風は、直刃調に尖り刃を交えた刃文や、白く現れる映り(うつり)を特徴とします。美濃伝は鎌倉時代末期に大和伝の流れを汲んで興り、室町時代に最盛期を迎え、江戸時代まで繁栄しました。 特に戦国時代においては、武器としての需要が急増したこと、また美濃国が地理的に要衝であったことから大きく発展しました。明智光秀が美濃を治め、織田信長が尾張を、徳川家康が駿河を拠点とするなど、有力な戦国大名やその家臣団からの需要が絶えませんでした。また、関東と京を結ぶ中間に位置したことも、諸大名が美濃伝の刀を注文する上で好都合でした。美濃の刀は実用性と切れ味に優れるとの定評があり、その卓越した鍛刀技術は江戸時代まで継承され、本作の寿命はその好例と言えます。 【彫物】 本刀の刀身両面には、精巧な彫物が施されています。 表には、龍に乗る「倶利伽羅不動(くりからふどう)」の姿が緻密に彫り込まれています。不動明王は密教における守護神であり、悪を退け人々を正しい道へと導く「不動の心」の象徴として、古来より武士の間で深く信仰されてきました。 ここに描かれた龍は、不動明王の化身とされる「倶利伽羅龍王」です。倶利伽羅龍王は、あらゆる障害や悪を焼き尽くす激しい炎に包まれた神聖な守護者とされています。龍の上に座す不動明王の姿は、混沌とした力を完全に制御し、正義と悟りへと導く絶対的な力を象徴しています。 また、不動明王の上部には「梵字(ぼんじ)」が刻まれています。これは仏尊を象徴するサンスクリット文字であり、不動明王の加護を祈念して彫られたものと推察されます。 裏には「倶利伽羅剣(くりからけん)」が彫られています。これは不動明王が振るう宝剣であり、煩悩や悪を断ち切る力を象徴しています。こうした密教の意匠は、武士にとって精神的な支えや守護としての意味を持ち、好んで刀身に彫り込まれました。この倶利伽羅剣は、密教の儀式や祈祷、魔除けに用いられる「三鈷柄剣(さんこづかけん)」の形式を模しています。 ※刀身には僅かな鍛え傷および薄い黒錆が見受けられます。詳細なコンディションについては、お気軽にお問い合わせください。 【種別】 長さ(Nagasa):69.5 cm 反り(Sori):2.21 cm 刃文(Hamon):沸出来の直刃調に尖り刃交じる























美濃伝 · 美濃
現在14点販売中
徳川の泰平のもと、大小は法度の定める身分の制服となり、需要は城下町、とりわけ江戸に集まった。工芸は二つに分かれる。目利きのための華やかな鑑賞の作と、截断の結果を金象嵌に刻む実証の刀である。
NTHKの中心的な鑑定書で、相応の出来を備えた作に発行されます。在銘作は銘の正真を、無銘作は審査員による刀工・流派の極めを示します。点数を記す詳細な審査表が付されます。
NTHK(日本刀剣保存会)は、NBTHK(1948年設立)に先立つ1910年に創立された、日本で最も古い刀剣鑑定団体です。長く会を率いた会長の没後、NTHKとNTHK-NPOの二つに分かれ、いずれも審査を続けています。NTHKの鑑定書は、点数と審査員の所見を併記する詳細な審査表が特徴で、特に無銘作の極めに定評があります。
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