説明

後藤乗真 小柄 後藤家三代(1512 - 1562) 日本美術刀剣保存協会 保存刀剣鑑定書 後藤家三代当主である乗真は、二代宗乗の嫡男として生まれました。若山恒次氏の評価においても最高位である「名工」に列せられ、その作品のうち80点以上が重要刀装具に指定されています。 乗真は武士としての顔も持ち、軍務の傍らで刀装具制作にその非凡な才を発揮しました。その武勇は後奈良天皇(在位1527-1557)の認めるところとなり、恩賞を賜ったとも伝えられています。永禄5年(1562年)、織田信長公に仕え大垣の戦場にて討死しました。 本作の題材は「柊(ひいらぎ)」です。鎌倉時代以前より、常緑樹である柊は魔除けの力を持つと信じられてきました。戦場に赴く武士にとって、極めて縁起の良い意匠といえます。 作域は乗真の特色を遺憾なく発揮しています。高彫された文様は大きく力強く、金袋(うっとり)色絵が施され、銀の象嵌が添えられています。地鉄は「カラスの濡れ羽色」と形容される、深く潤いのある赤銅地です。 魚々子地には経年による摩耗が見られ、金の色絵も数世紀の時を経て一部剥落しておりますが、それこそが伝世の証であり、本作の持つ風格と魅力を一層引き立てています。 特筆すべきは、本品が「伝」の冠称なしで乗真の真銘として保存鑑定を通過している点です。まさに「教科書的」な優品であり、愛好家にとって垂涎の一口といえるでしょう。 裏:

Joshin Kozuka

Joshin Kozuka

小柄

$2,800

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作者について

Goto Joshin後藤乗真

1 重要美術品5 特別重要刀剣61 重要刀剣

後藤乗真は、後藤家二代宗乗の嫡男で、俗名を二郎、諱を吉久、のち源四郎治光と称した。足利将軍家義晴・義輝の二公に仕え、近江国坂本に三百町の所領を有していた。永禄五年三月六日、北近江の浅井氏と確執があり、浅井亮政の襲撃を受けて戦死した。享年五十一歳。乗真は彫金工とは別に武将でもあったといわれ、剛勇の性格であったと伝えられている。 乗真の作風は、大振りで力強く、額面いっぱいに彫るのが特徴とされる。特に「山高く谷深く」と形容される雄渾な彫技が目を惹き、対象を高々と彫り上げ、横に拡張する画面構成と相まって雄大な空間を表現する。金紋を据えた作品も多く、その肉置は豊かで力が漲っている。また、赤銅魚子地を高彫とした作例が多く見られ、金、銀、色絵などを施した華やかな作風も存在する。倶利迦羅龍図や獅子文など、後藤家の掟物にも独自の作風を示し、龍の爪は大きく長く、爪先が開くという特色が顕著である。笄を小柄に仕立て直した作品も遺されており、その場合でも額面いっぱいに力強く彫り込まれている。 乗真の作品は、その力強い作風と量感豊かな彫技が高く評価されている。「大振りで力強く」、「額面いっぱいに彫る」といった特徴は、説示において繰り返し言及される。また、「山高く谷深し」と評される彫りの深さ、抑揚のある肉置、手強い鏨運びなども、乗真作品の魅力として挙げられる。後藤家における重要な刀装具師として、その名跡は後代にも影響を与え、光孝や光守といった後藤家の刀工によって極められた作品も存在する。

刀剣商

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