銘:粟田口近江守(以下切)/重良兵衛尉(以下切) 刀工:粟田口近江守重良(三品派) 流派:三品派(京都・山城伝) 時代・国:新刀(慶長〜天明頃)/山城国(京都) 鑑定:銃砲刀剣類登録証(石川県) 外装:時代拵(黒漆塗鞘、鉄地葦に水鳥図金平象嵌鍔、赤銅地鷹に菊図縁頭) 長さ:66.3 cm(二尺一寸九分) 反り:0.7 cm 目釘穴:3個 形状:鎬造、庵棟、中切先 本作は、江戸時代の京において最高峰の作刀を誇った三品派の名跡、「粟田口近江守」の銘が残る新刀期の刀です。 長さは66.3cm、反りは0.7cmと浅く、実戦的な抜き打ちの利便性と、新刀期特有の洗練された姿形を併せ持っています。三つの目釘穴は、本刀が幾多の時代を経て大切に受け継がれ、その都度、拵を改めて実用に供されてきた歴史を物語っています。 本刀の最大の見どころは、写真からも見て取れる通り、刃縁全体に広がるリズミカルな「互の目(ぐのめ)」の刃文です。丸みを帯びた頭が揃い、谷が深く澄んだその構成は、三品派の高度な技術力を象徴する規矩正しい仕上がりを見せています。 保守的な山城伝の静かな刃文とは一線を画し、匂口は明るく冴え、沸(にえ)が厚く付いた覇気溢れる作風です。切先の帽子もまた、活発な働きを見せつつも端正に返っています。 研ぎの状態も良く、刀身の魅力を存分に……




































新刀 · 山城
現在62点販売中
三品派は、美濃国関の兼道を源流とし、その子らが京へ上って興した新刀の一門である。説明書は、兼道の四子すなわち長兄伊賀守金道、来金道、丹波守吉道、末弟越中守正俊が父と共に美濃より上京し、西洞院夷川に住して三品派の名を大いに高めたと記す。長兄金道は京五鍛冶の頭領にして、その家は刀工の受領を朝廷に推薦する権を世襲し、銘に「日本鍛冶宗匠」と添えて幕末に及んだ。やがて一門は京にとどまらず大坂へも枝を張り、京初代丹波守吉道の子が大坂に移って大坂丹波の祖となり、その周囲に大和守吉道が連なり、丹後守兼道のごとく大坂に住して元禄頃に活躍した工も出た。末関の量産地に発しながら、堀川派と並ぶ京新刀の一大勢力に育ち、さらに大坂へと展開した点に、この一門の歩みがある。 作風を貫くのは、工と世代の差を越えて繰り返される三品の共通語法である。地鉄は板目に杢や流れ肌を交えて棟寄りに強く流れ、刃寄りで柾がかって肌立ち、地沸微塵に厚くつき地景のよく入るもので、美濃関の継承を京の作にまで伝える。京の古い手が肌立つ板目を見せるのに対し、大坂の系では小板目をよくつめ清く澄んだ地に転ずる差がある。刃文は美濃由来の互の目と尖り刃を基調に、これを京風に洗練して小のたれの大乱れに展開し、沸が強く時に荒くむら立ち、砂流しさかんに金筋長く入る。最も明快な見どころは帽子で、のたれ込みに先尖って掃きかける三品帽子は一門の標識をなし、末弟正俊にことに顕著である。いま一つの標識が丹波守吉道の創案した簾刃で、湯走り・飛焼・砂流しが幾重にも縞がかって簾の如く焼かれる。金道と正俊が志津風を共に得意として作域広く、吉道はこの簾刃の一手に己を結び、大坂の系はその簾刃を最もよく継いだ。同じ語法のうちに、各工の手が読み分けられる。 収集の観点では、三品派は新刀草創の格と明快な鑑定の勘所をあわせ持つ一門である。先尖って掃きかける三品帽子と、縞がかって平行に焼かれる簾刃の二つの見どころは、地と刃のいずれにも紛れなく現れて工と作域を定める手懸りとなり、大坂の直ぐで均一の焼出しは京の手と分かつ目印となる。主要工の格は説明書の評にそのまま現れ、初代伊賀守金道は一派中最も優れた手とされ、初代丹波守吉道は初期新刀屈指の名工に数えられ、末弟正俊は器用さ兄弟中第一と評される。一門の作はおおむね在銘で、銘そのものが時の標識となり、由緒の確かさをもって賞翫される。来歴の知られる作は谷干城の愛刀、佐竹家、織田有楽斎、北野天満宮、皇室、大坂城代青山家の蔵を経て伝わり、一口は京都国立博物館に納まる。最上手の在銘作が市に現れるのは折々のことで容易ではないが、一たび相見えれば、三品派が美濃関より京・大坂へいかに展開したかを語る確かな証となる。
銘が正しい、または無銘でも年代・国・系統を確実に指摘できる、保存に値する真正の作と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイトReturns/exchanges only for manufactured defects or incorrect products; notify within 72 hours of delivery. Cancellation only within 2 hours of placing. Customer pays return shipping. Refund within 3 business days of package arrival.
銘:粟田口近江守(以下切)/重良兵衛尉(以下切) 刀工:粟田口近江守重良(三品派) 流派:三品派(京都・山城伝) 時代・国:新刀(慶長〜天明頃)/山城国(京都) 鑑定:銃砲刀剣類登録証(石川県) 外装:時代拵(黒漆塗鞘、鉄地葦に水鳥図金平象嵌鍔、赤銅地鷹に菊図縁頭) 長さ:66.3 cm(二尺一寸九分) 反り:0.7 cm 目釘穴:3個 形状:鎬造、庵棟、中切先 本作は、江戸時代の京において最高峰の作刀を誇った三品派の名跡、「粟田口近江守」の銘が残る新刀期の刀です。 長さは66.3cm、反りは0.7cmと浅く、実戦的な抜き打ちの利便性と、新刀期特有の洗練された姿形を併せ持っています。三つの目釘穴は、本刀が幾多の時代を経て大切に受け継がれ、その都度、拵を改めて実用に供されてきた歴史を物語っています。 本刀の最大の見どころは、写真からも見て取れる通り、刃縁全体に広がるリズミカルな「互の目(ぐのめ)」の刃文です。丸みを帯びた頭が揃い、谷が深く澄んだその構成は、三品派の高度な技術力を象徴する規矩正しい仕上がりを見せています。 保守的な山城伝の静かな刃文とは一線を画し、匂口は明るく冴え、沸(にえ)が厚く付いた覇気溢れる作風です。切先の帽子もまた、活発な働きを見せつつも端正に返っています。 研ぎの状態も良く、刀身の魅力を存分に……




































新刀 · 山城
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三品派は、美濃国関の兼道を源流とし、その子らが京へ上って興した新刀の一門である。説明書は、兼道の四子すなわち長兄伊賀守金道、来金道、丹波守吉道、末弟越中守正俊が父と共に美濃より上京し、西洞院夷川に住して三品派の名を大いに高めたと記す。長兄金道は京五鍛冶の頭領にして、その家は刀工の受領を朝廷に推薦する権を世襲し、銘に「日本鍛冶宗匠」と添えて幕末に及んだ。やがて一門は京にとどまらず大坂へも枝を張り、京初代丹波守吉道の子が大坂に移って大坂丹波の祖となり、その周囲に大和守吉道が連なり、丹後守兼道のごとく大坂に住して元禄頃に活躍した工も出た。末関の量産地に発しながら、堀川派と並ぶ京新刀の一大勢力に育ち、さらに大坂へと展開した点に、この一門の歩みがある。 作風を貫くのは、工と世代の差を越えて繰り返される三品の共通語法である。地鉄は板目に杢や流れ肌を交えて棟寄りに強く流れ、刃寄りで柾がかって肌立ち、地沸微塵に厚くつき地景のよく入るもので、美濃関の継承を京の作にまで伝える。京の古い手が肌立つ板目を見せるのに対し、大坂の系では小板目をよくつめ清く澄んだ地に転ずる差がある。刃文は美濃由来の互の目と尖り刃を基調に、これを京風に洗練して小のたれの大乱れに展開し、沸が強く時に荒くむら立ち、砂流しさかんに金筋長く入る。最も明快な見どころは帽子で、のたれ込みに先尖って掃きかける三品帽子は一門の標識をなし、末弟正俊にことに顕著である。いま一つの標識が丹波守吉道の創案した簾刃で、湯走り・飛焼・砂流しが幾重にも縞がかって簾の如く焼かれる。金道と正俊が志津風を共に得意として作域広く、吉道はこの簾刃の一手に己を結び、大坂の系はその簾刃を最もよく継いだ。同じ語法のうちに、各工の手が読み分けられる。 収集の観点では、三品派は新刀草創の格と明快な鑑定の勘所をあわせ持つ一門である。先尖って掃きかける三品帽子と、縞がかって平行に焼かれる簾刃の二つの見どころは、地と刃のいずれにも紛れなく現れて工と作域を定める手懸りとなり、大坂の直ぐで均一の焼出しは京の手と分かつ目印となる。主要工の格は説明書の評にそのまま現れ、初代伊賀守金道は一派中最も優れた手とされ、初代丹波守吉道は初期新刀屈指の名工に数えられ、末弟正俊は器用さ兄弟中第一と評される。一門の作はおおむね在銘で、銘そのものが時の標識となり、由緒の確かさをもって賞翫される。来歴の知られる作は谷干城の愛刀、佐竹家、織田有楽斎、北野天満宮、皇室、大坂城代青山家の蔵を経て伝わり、一口は京都国立博物館に納まる。最上手の在銘作が市に現れるのは折々のことで容易ではないが、一たび相見えれば、三品派が美濃関より京・大坂へいかに展開したかを語る確かな証となる。
銘が正しい、または無銘でも年代・国・系統を確実に指摘できる、保存に値する真正の作と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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