二世紀半の泰平のあいだ、刀は武器である以上に武士の身分の標章であった。江戸の実証と大坂の華やぎのように都市ごとの作風が育ち、時代の末には需要も細っていく。
相模守藤原泰幸は能登守藤原泰幸の子で本国は美濃です。戦国時代を経て美濃刀は優れた切れ味と堅牢さが世に知られることになり、以降江戸時代にかけて多くの美濃鍛冶が各藩などに請われて各地に移住しました。初代能登守も慶長十五年二月の名古屋城開府に伴って、名古屋城下南長島町に移り住みます。初代の作風は康継に似た刃紋を多く焼いています。また初代作は銘鏨・茎鑢ともに深いことが特徴で、茎尻が初代は刃上がり栗尻であるのに対して、二代の茎尻は剣形になります。本作は二代の相模守藤原泰幸の作品です。初代とは趣を異にしています。二代泰幸は名を「新兵衛」といい、初代とともに名古屋城下長島町に住し作刀しました。寛文五、七、八、十年の年紀銘の遺作が残っています。美濃国は尾張と隣接していたため刀工の往来も多かったと考えられ、尾張関と称する新しい作風が生み出されました。この時期の美濃刀匠では本作の泰幸の他に政常、氏房、信高らが有名工となります。美濃本国とやや趣を異にする相模守藤原泰幸の作品は昔から玄人筋に人気があったと言われています。 本作は刃長が二尺四寸六分強という立派な長さで、身幅も元先しっかりとして、重ねも厚い質実剛健ぶりを示した御刀です。地鉄は良く練れて詰んだ強く冴えた板目肌鍛で地沸が付いて肌目に動きが感じられます。刃文は、高低変化に富んだ互の目乱れを焼いています。匂深くついて足入り雲がたなびくように砂流しが働きます。帽子は湾れて先小丸に返ります。錆味良好な茎には、太い鏨で彫り深く銘字が刻されています。この刀は相模守藤原泰幸の威風かつ強靱な体躯を呈した尾張武士委の貫禄を湛える御刀です。附の拵はシックな感じで刀身に似合った上等なものが附いています。白鞘、特別保存刀剣鑑定書、銀着時代はばき。








販売店の記載のまま
尾張 · 1673-1681頃
藤代 中上作 · 刀剣大鑑 上位77%
現在2点販売中
江戸時代
二世紀半の泰平のあいだ、刀は武器である以上に武士の身分の標章であった。江戸の実証と大坂の華やぎのように都市ごとの作風が育ち、時代の末には需要も細っていく。
保存刀剣のうち、出来が一層優れ、保存状態も良好と認められたものです。再刃や、室町・江戸期の多くの無銘作は対象外となり、保存刀剣より高い基準が課されます。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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