説明

稀少な信家鐔 110222 信家の作品は、鐔製作の芸術性において全く新しい道を切り拓いたことで知られています。その作風は強靭かつ剛健であり、時に「無骨」とさえ評されます。よく鍛えられた重厚で緻密な鉄を用い、厚手で力強い造り込みが特徴です。端的に言えば、前述の通り、彼はその作品を通じて「不完全の美」を完成させたと言えるでしょう。 本日ご紹介する鐔は、彼の作風を顕著に示す素晴らしい優品です。 形状は竪丸形、寸法は縦2.71インチ(6.9cm)、横2.47インチ(6.3cm)。 打返耳を施し、地鉄は槌目仕立てに毛彫が添えられています。耳の厚みは0.7cm(0.27インチ)と圧巻のボリュームを誇り、中心(中腰)にかけて僅かに肉を落としています。櫃孔は一つで、重厚な金無垢の当金が嵌められ、表面には繊細な鑢目が刻まれています。 この信家鐔を極めて特別なものにしているのは、その毛彫の意匠です。一般的な幾何学模様ではなく、表の右側には南蛮風の裁着(たっつけ)を穿いた人物の立像が全身で描かれています。また左側には、腕を広げて振っているような、特徴的な人物像が配されています。裏面には様々な草花が毛彫で描かれています。このような図案の信家作品は他に類を見ず、正に驚くべき一口です。 鉄地は極めて緻密で、一見して予想される以上の重厚な重量感があります。 銘は「信家」とあり、一般に初代の作とされる「離れ銘」の様式で切られています。制作年代は元亀年間(1570年頃)と推測されます。 本品には専用の落込桐箱と誂えの仕覆が付属します。 また、日本美術刀剣保存協会(NBTHK)の特別保存刀装具鑑定書が附されており、銘の真銘性、作品の質、そして稀少性が公に証明されています。 日本美術刀剣保存協会 特別保存刀装具鑑定書付 12.18.23 カテゴリー:販売中、鐔

UNUSUAL TSUBA BY NOBUIE 信家鐔 110222
Tokuho

UNUSUAL TSUBA BY NOBUIE 信家鐔 110222

$19,750

世界76社の刀剣商を横断追跡 · 価格履歴 · 売却アーカイブ

時代

Momoyama, Eiroku-Tensho (1558-1592)

作者について

Nobuie信家

4 特別重要刀剣51 重要刀剣

尾張国信家は、室町時代末期から桃山時代にかけて活躍した鐔工である。京伏見の金家と共に鉄鐔の双璧と称され、鉄鐔の分野において卓越した地位を確立した。信家の出自や師弟関係については明確な記録は残されていないが、その作風から尾張の地で独自の鍛冶技術を磨き、発展させたと考えられている。同時代の刀工との関係も明らかではないが、その作品は当時の武士階級に広く愛用され、実用性と美術性を兼ね備えた鐔として高く評価された。 信家鐔の特色は、何と言ってもその鉄の鍛えにある。「鉄の鍛えが無類によく、地文の景色が豊富で雅趣に富み、打刀拵に最も良く映る鐔である」と評されるように、地鉄はよく錬れており、槌目地を基調とした鍛え肌には独特の景色が見られる。形は木瓜形や丸形が多く、稀に蹴鞠形や下辺が張り出した障泥形などがある。板鐔と透鐔の両手があり、透鐔においては車透や水玉透など、意匠を凝らした作例が見られる。図柄は草花文、道歌、神号など多岐にわたり、毛彫、鋤出彫などの技法を駆使して表現されている。耳の造形も特徴的で、角耳小肉、土手耳、打返耳などが見られ、力強い意匠を特徴とする。銘は殆どが二字銘であり、「放れ銘」と「太字銘」の二種類に大別される。放れ銘は小振りで引き締まった銘振りが特徴であり、太字銘は力強い鏨運びが特徴である。 信家鐔は、「室町時代末期から桃山時代に於ける鉄鐔の魅力を最大限に味わえる作品」として高く評価されている。その作風は、鉄味の力強さと意匠の雅趣を兼ね備え、戦国時代の武士の精神性を象徴するものとして捉えられている。特に、「打刀拵によく映る鐔」として実用性が重視された点も、信家鐔の大きな魅力の一つである。現代においても、信家鐔は古雅な風趣と格調高い作風が高く評価され、刀装具愛好家垂涎の的となっている。

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