兼定

Nosada

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特重巻 14, 番 10 · 刀

概要

兼定は美濃関の二代和泉守兼定で、定の字のウ冠の中を「之」と切ることから一般に「ノサダ」と称される刀工である。説明書はその活躍を明応から大永にかけて、室町時代末期の数十年に置き、兼元と並ぶ当代の美濃を代表する工とする。説明書が記すように、古刀期にあって珍しく受領「和泉守」を許された刀工であり、しばしば藤原姓をも切った。初代が平明に銘したのに対し、その名を頂点へ運んだのはこの手であり、刀剣書は端的に「すぐれたる上手」と評する。定の字を楷書から「之」の字体へ改めた時期を、説明書は明応八年十一月以降、同九年八月以前と置き、三代の「ヒキサダ」とは区別する。

本工の典型はこの華やかな美濃の手である。姿は室町時代末期の刀で、身幅広く先反りつき、時に大鋒となって堂々たる体配を呈し、平肉は切るための刀のごとく豊かである。処々僅かに流れて総じてつんだ板目に、地鉄は地沸つき白け映り立つ。刃文は賑やかなもので、互の目に丁子・尖りごころの刃を交え、匂勝ち小沸つき、足・葉わずかに入り、砂流しかかり、極く僅かに飛焼かかる。帽子は乱れ込み掃きかけて、先尖りごころとなる。この作域の最上手の作について、説明書は地刃ともに冴え、「ノサダの本領を示したもので、同工中の白眉」と記す。

地鉄は終始その手の要である。板目、時に小板目につみて杢を交え、地沸つき白けごころのある地が、ほとんどの作に見える。肌の流れるところは柾ごころとなり、そこに立つ映りは備前の明るい乱れ映りではなく、美濃の地鉄の淡い白け映りである。この白ける地こそ極めの拠るところで、より明るい備前の映りと作を分かつ見どころである。その上に匂口を締めて冴えさせ、働きは足・砂流し・小沸に托される。ある磨上の刀は中程やや華やかに乱れて飛焼を交えるが、刃の本体は賑やかな互の目にとどまる。

本工の作はおよそ二つの作域に分かれ、その線は説明書みずからが引く。華やかな美濃の刃の傍らに、よくつんだ小板目に細直刃を焼いた意図的な山城写しがあり、説明書はこれを来国俊など山城の名手を狙ったものとする。この作域について、同名中、京物写としては「此の右に出るものはない」と評する。なおこの手であることの見どころも同じ一文に名指される。すなわち、これだけ出来ていても刃中にフシのあること、静かな直刃にわずかに互の目が交ること、姿が先反りごころとなり、板目が山城物と異なって白けることである。刀・短刀のほか稀な薙刀まで作域は広く、数口には菊花紋と「伊勢於山田是作」の銘を切ったものがあり、その紋ゆえに「山田打」として珍重される。

関派のうちで本工を分かつのは、まさに極めの言うところである。室町期に兼定と銘する工は数名あり、和泉守を冠する者も一人に限らないため、説明書は各代の区分をなお未定とし、「之」の字を切る手も四人は区別し得るとする。その中でこの工の銘振りが最も称揚され、「技術も一番優れ」世上に賞玩されるとし、永正の年紀を見る作を群中第一に挙げる。白ける板目に焼いた明るく賑やかな美濃の刃と、互の目を秘めた来国俊風の細直刃とが、周囲の平明な関物から本工を分かつ確かな標である。説明書はその作域を「作域も広く美術的価値も高い」と称える。

収集の観点では、よく残るがけっして多くはない、晩期古刀の大名である。藤代の極めは上々作。この記録に国宝はなく重要文化財もないが、その地位は特別重要刀剣一口と重要刀剣の連なり、そのうちに重要美術品の太刀を含んで支えられ、その作は最上の大名家を経てきた。特別重要刀剣の刀は紀州徳川家の家老三浦将監の指料であり、一口の太刀は武田信玄の父、左京大夫信虎のために打たれた。菊花紋を切った刀は皇室との関わりを示し、その作は島津・佐竹・京極・山内・秋元の諸家、また佐野美術館に記録される。特別重要刀剣はわずか一口、他は重要刀剣以下であるから、在銘のノサダは稀にというよりは時折世に出て、鎌倉の大名よりは見つけやすい。それでも由緒の確かな永正の佳作は、世に現れれば一個の画期であり、刀剣書がすぐれたる上手と呼ぶ工の作である。

歴史的重要度

兼定の位置づけを、日本刀全体および伝法・時代・時期ごとに示します。各区分(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。

随一
随一
屈指
屈指
有数
有数
著名
著名

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指定

国宝—
重要文化財—
重要美術品1
御物—
特別重要刀剣1
重要刀剣33

名工ランク

鑑定

年紀作

伝来

刀種

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銘

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