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銀杏透鐔 武州住正方 -Bushu ju Masakata- 縦69.7ミリ 横67.3ミリ 切羽台厚5.1ミリ 重量81.0グラム 江戸中期 The middle Edo period 附属 保存刀装具鑑定書、桐箱 正方は、江戸において鉄地の透鐔を発展させた武州伊藤派を代表する鐔工の一人です。江戸神田を拠点に活動した伊藤派は、締まりのある鉄地へ草木や家紋などを肉彫地透で端正に表し、必要に応じて金などの象嵌を添える作風で知られています。正方もこの伝統を受け継ぎ、とりわけ植物の姿をよく捉え、葉や茎の重なりを骨太な鉄の構成へ置き換えることに巧みでした。「武州住正方」「武州住伊藤正方」などと銘し、実用鐔としての堅牢さを保ちながら、江戸の工人らしい洗練と自然味を備えた作品を遺しています。 本作は、丸形の鉄地に銀杏葉を巡らせ、切羽台を包み込むような肉彫地透に仕立てた一枚で、一見して目を引くのは、葉を単純な文様として並べるのではなく、折れ、反り、重なりまで彫り分けながら円環の中へ豊かな動きを生み出した構成です。扇状に広がる葉脈は細やかでありながら鉄の力強さを失わず、枝葉の間に設けた透かしも大小に変化を持たせているため、光を通すたびに陰影が移ろい、正面だけでは分からない立体感が現れ、黒褐色へ落ち着いた鉄地の要所には象嵌の色が慎ましく残り、華美に傾くことなく、古色の中へ柔らかな光を添えています。 厚さ5.1ミリの量感ある地と締まりのよい耳は、繊細な銀杏の意匠を確かな骨格で支えており、手に取れば武州鐔らしい堅牢さが感じられる一方、眺める角度を変えれば葉の重なりと透かしの空間が次々に表情を変え、まるで風を受けた銀杏が揺れているかのような景趣を楽しめます。長寿や繁栄を想起させる銀杏という親しみ深い画題に、正方の巧みな肉彫地透、歳月を経た鉄味、抑制された象嵌が調和しており、拵に据えた際には円形のまとまりと色金が品よく映え、単独で鑑賞すれば葉脈に至る彫りの密度と透かしの妙が際立つ、在銘作としての収集性のみならず造形そのものに強く惹かれる逸品です。

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MarketEncyclopediaKantei
刀装具›伊藤›正方›銀杏透鐔 武州住正方
鍔保存
正方

銀杏透鐔 武州住正方

在銘 · Bushu Ito · 江戸

¥220,000
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正方 · Bushu Ito · 江戸販売中 2点 →
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正方 — 1 of 11
正方 — 2 of 11
正方 — 3 of 11
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法量・詳細
作者

正方

時代

江戸

国

武蔵

銘

在銘

鑑定書

保存 (NBTHK)

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銀杏透鐔 武州住正方 -Bushu ju Masakata- 縦69.7ミリ 横67.3ミリ 切羽台厚5.1ミリ 重量81.0グラム 江戸中期 The middle Edo period 附属 保存刀装具鑑定書、桐箱 正方は、江戸において鉄地の透鐔を発展させた武州伊藤派を代表する鐔工の一人です。江戸神田を拠点に活動した伊藤派は、締まりのある鉄地へ草木や家紋などを肉彫地透で端正に表し、必要に応じて金などの象嵌を添える作風で知られています。正方もこの伝統を受け継ぎ、とりわけ植物の姿をよく捉え、葉や茎の重なりを骨太な鉄の構成へ置き換えることに巧みでした。「武州住正方」「武州住伊藤正方」などと銘し、実用鐔としての堅牢さを保ちながら、江戸の工人らしい洗練と自然味を備えた作品を遺しています。 本作は、丸形の鉄地に銀杏葉を巡らせ、切羽台を包み込むような肉彫地透に仕立てた一枚で、一見して目を引くのは、葉を単純な文様として並べるのではなく、折れ、反り、重なりまで彫り分けながら円環の中へ豊かな動きを生み出した構成です。扇状に広がる葉脈は細やかでありながら鉄の力強さを失わず、枝葉の間に設けた透かしも大小に変化を持たせているため、光を通すたびに陰影が移ろい、正面だけでは分からない立体感が現れ、黒褐色へ落ち着いた鉄地の要所には象嵌の色が慎ましく残り、華美に傾くことなく、古色の中へ柔らかな光を添えています。 厚さ5.1ミリの量感ある地と締まりのよい耳は、繊細な銀杏の意匠を確かな骨格で支えており、手に取れば武州鐔らしい堅牢さが感じられる一方、眺める角度を変えれば葉の重なりと透かしの空間が次々に表情を変え、まるで風を受けた銀杏が揺れているかのような景趣を楽しめます。長寿や繁栄を想起させる銀杏という親しみ深い画題に、正方の巧みな肉彫地透、歳月を経た鉄味、抑制された象嵌が調和しており、拵に据えた際には円形のまとまりと色金が品よく映え、単独で鑑賞すれば葉脈に至る彫りの密度と透かしの妙が際立つ、在銘作としての収集性のみならず造形そのものに強く惹かれる逸品です。

作者について

正方

鐔工 · 武蔵

現在2点販売中

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正方 — 詳細鐔工派

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流派について

伊藤

鐔工 · 武蔵

現在57点販売中

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伊藤派は武蔵国江戸神田を拠点とした金工の一派で、初代正長(元禄頃~享保十二年没)が宝永七年に将軍家宣に拝謁し、公儀お抱え鍔師に任ぜられたことに始まる。歴代当主はいずれも「正」の字を通字とし、十代にわたって鍔・小道具の制作を続けた。二代正恒は糸透かしと呼ばれる精緻な糸鋸透の技法を開発し、「武州住正恒」と銘する打刀拵では鐔・縁頭を同作とし、七宝・螺鈿・金打込を駆使した統一的な拵を手がけている。十代にして最後の当主となった伊藤勝見(文政十二年〈一八二九〉生、明治四十三年〈一九一〇〉没)は、十二歳で田中清寿の門人となり、弘化元年に師家の養子となって清重と名乗った。若くして法橋に叙され、師父から東竜斎の号を許されたが、清寿と不仲になって田中家を離れた後、柴田是真に蒔絵を学んだ。万延元年三月に伊藤正広家と養子縁組して正隆と名乗り、伊藤家十代目を継承、三十歳後半に勝見と改名した。金工の鍛錬に是真門下の蒔絵の薫陶が加わり、勝見の色金への鋭敏な感覚に結実した。 伊藤派の作風は、象嵌と色絵を的確に用いた精密な彩色金工を最大の特色とする。鉄・四分一・朧銀・赤銅の地板に、高彫・鋤出高彫・片切彫・毛彫といった多彩な彫技を駆使し、金・銀・素銅・緋色銅・真鍮など多種の色金による象嵌色絵を施す。正恒の拵作品では赤銅魚子地に高彫色絵の栗形・返角を配し、鐺には金地に桜花文を打込む手法が見られ、「すべてに取り合せがよく、当時の武士の好尚がうかがえる」[[c:1]]と評される。勝見の作品では、鳥羽僧正に因む鳥獣戯画蛙合戦図・蝦蟇仙人蛙合戦図・大聖不動明王図など物語性・信仰性の強い図柄が好まれ、いずれも「高彫から片切毛彫を駆使した抜群な彫技」[[c:2]]と「的確で優れた象嵌色絵」[[c:3]]が一体となった画面を構成する。小柄においても牡丹に胡蝶を金・銀・緋色銅など多彩な色金で豊かに表現し、「発色の良い色金の象嵌技術は勝見の本領が存分に発揮され」[[c:4]]た入念作と称される。据文象嵌・布目象嵌・消し込み象嵌など技法の使い分けも巧みで、清寿門下の伝統を踏まえつつ独自の境地を拓いた。 伊藤派は元禄から明治に至るまで江戸の鐔工として高い水準を維持した一門である。参勤交代を通じて各国の武士がその作品を求め、伊藤鐔は全国に広まった。説示において勝見の作品は繰り返し「真骨頂を示す優品」[[c:5]]「勝見の本領が存分に発揮された」[[c:6]]と評価され、蛙合戦図鐔については「諧謔な図を昇華させた鐔」[[c:7]]と、物語画を金工芸術の高みに引き上げた点が特筆されている。絵画的な構図力と高度な彫金・象嵌を融合させ、信仰や文学の主題を鐔上に再現し得た伊藤派は、幕末金工史において独自の位置を占める。 詳しく見る →

5名の刀工指定8口
主要刀工
刀工時代指定
勝見—4
貞恒—0
正備—0
正常—0
正金—0
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NBTHK鑑定書
保存刀装具Hozon Tōsōgu
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銘が正しい、または無銘でも年代・流派を指摘でき、美術工芸的価値が認められる、保存に値する真正の刀装具と鑑定されたものです。

NBTHKについて›

日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。

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刀
刀心
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正方の他の作

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永楽堂
Tsuba - 作 正方 - 銘 正方 竹透図鍔/鐔Tsuba - 作 正方 - 銘 正方 竹透図鍔/鐔

鍔

作正方
江戸
¥70,000

正方の売約済み

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刀心
Tsuba - 作 正方 - 蕗図透鐔 武州住正方 武州住正方Bushu ju Masakata 12-1278Tsuba - 作 正方 - 蕗図透鐔 武州住正方 武州住正方Bushu ju Masakata 12-1278
売切れ

鍔

作正方
江戸
売却済
葵美術
Tsuba - 作 正方 - AF25381 鐔:武州住正方:馬具Tsuba - 作 正方 - AF25381 鐔:武州住正方:馬具
売切れ

鍔

作正方
江戸
売却済
明倫産業
Tsuba - 作 正方 - 鐔(鍔)− t-623 鐔 武州住正方 竹の図 鉄地Tsuba - 作 正方 - 鐔(鍔)− t-623 鐔 武州住正方 竹の図 鉄地
売切れ

鍔

作正方
Mid-Edo, d. An'ei 3 (1774)
売却済
濃州堂
Tsuba - 作 正方 - 鍔 蘭図 銘 武州住正方Tsuba - 作 正方 - 鍔 蘭図 銘 武州住正方
売切れ

鍔

作正方
江戸
売却済
刀心
保存
Tsuba - Hozon - 作 正方 - 銀杏透鐔 武州住正方Bushu ju Masakata 12-769Tsuba - Hozon - 作 正方 - 銀杏透鐔 武州住正方Bushu ju Masakata 12-769
売切れ

鍔

作正方
Mid-Edo, d. An'ei 3 (1774)
売却済
永楽堂
Tsuba - 作 正方 - 銘 正方 笹透図鍔/鐔Tsuba - 作 正方 - 銘 正方 笹透図鍔/鐔
売切れ

鍔

作正方
江戸
売却済
葵美術
Tsuba - 作 正方 - 鍔:銀杏葉図 銘:江戸神田住伊藤◻︎右衛門正方Tsuba - 作 正方 - 鍔:銀杏葉図 銘:江戸神田住伊藤◻︎右衛門正方
売切れ

鍔

作正方
江戸
売却済
葵美術
Tsuba - 作 正方 - 武州住正方 雁金透鐔Tsuba - 作 正方 - 武州住正方 雁金透鐔
売切れ

鍔

作正方
江戸
売却済

伊藤派の作

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飯田高遠堂
保存
Fuchi-Kashira - Hozon - 作 正恒 - 石黒政常作縁頭Fuchi-Kashira - Hozon - 作 正恒 - 石黒政常作縁頭

縁頭

作正恒
Mid-Edo, Kyoho (1716-1736), d. 1724
¥440,000
刀心
Kozuka - 作 正春 - 竹林高士図小柄 正春(花押) -Masaharu(Kao)- 16-203Kozuka - 作 正春 - 竹林高士図小柄 正春(花押) -Masaharu(Kao)- 16-203

小柄

作正春
江戸
¥198,000
美術刀剣松本
Tsuba - 作 辰直 - 沢瀉図Tsuba - 作 辰直 - 沢瀉図

鍔

作辰直
江戸
¥60,000
刀心
Tsuba - 作 満喜 - 雨龍図透 江府住満喜Kofu ju Mitsunobu 12-1242Tsuba - 作 満喜 - 雨龍図透 江府住満喜Kofu ju Mitsunobu 12-1242

鍔

作満喜
江戸
¥88,000
永楽堂
保存
Tsuba - Hozon - 作 正金 - 薩摩 銘 藤原 正兼 十二 月日 十字透鍔/鐔 保存刀装具Tsuba - Hozon - 作 正金 - 薩摩 銘 藤原 正兼 十二 月日 十字透鍔/鐔 保存刀装具

鍔

作正金
江戸
¥220,000
刀心
特別保存
Tsuba - Tokuho - 作 並寿 - 鯛の鯛透鐔 江府住並壽Kofu ju Namitoshi 12-996Tsuba - Tokuho - 作 並寿 - 鯛の鯛透鐔 江府住並壽Kofu ju Namitoshi 12-996

鍔

作並寿
江戸
¥385,000
銀座長州屋
Tsuba - 作 正国 - 蜃気楼(貝に龍留守模様)図鍔(鐔) 銘 唐津住正国Tsuba - 作 正国 - 蜃気楼(貝に龍留守模様)図鍔(鐔) 銘 唐津住正国

鍔

作正国
江戸
¥65,000
刀心
Tsuba - 作 辰直 - 楓図透大小鐔 江府住辰直 -Kōfu-jū Tokitada- 12-1644Tsuba - 作 辰直 - 楓図透大小鐔 江府住辰直 -Kōfu-jū Tokitada- 12-1644

鍔

作辰直
江戸
¥330,000

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銀杏透鐔 武州住正方 -Bushu ju Masakata- 縦69.7ミリ 横67.3ミリ 切羽台厚5.1ミリ 重量81.0グラム 江戸中期 The middle Edo period 附属 保存刀装具鑑定書、桐箱 正方は、江戸において鉄地の透鐔を発展させた武州伊藤派を代表する鐔工の一人です。江戸神田を拠点に活動した伊藤派は、締まりのある鉄地へ草木や家紋などを肉彫地透で端正に表し、必要に応じて金などの象嵌を添える作風で知られています。正方もこの伝統を受け継ぎ、とりわけ植物の姿をよく捉え、葉や茎の重なりを骨太な鉄の構成へ置き換えることに巧みでした。「武州住正方」「武州住伊藤正方」などと銘し、実用鐔としての堅牢さを保ちながら、江戸の工人らしい洗練と自然味を備えた作品を遺しています。 本作は、丸形の鉄地に銀杏葉を巡らせ、切羽台を包み込むような肉彫地透に仕立てた一枚で、一見して目を引くのは、葉を単純な文様として並べるのではなく、折れ、反り、重なりまで彫り分けながら円環の中へ豊かな動きを生み出した構成です。扇状に広がる葉脈は細やかでありながら鉄の力強さを失わず、枝葉の間に設けた透かしも大小に変化を持たせているため、光を通すたびに陰影が移ろい、正面だけでは分からない立体感が現れ、黒褐色へ落ち着いた鉄地の要所には象嵌の色が慎ましく残り、華美に傾くことなく、古色の中へ柔らかな光を添えています。 厚さ5.1ミリの量感ある地と締まりのよい耳は、繊細な銀杏の意匠を確かな骨格で支えており、手に取れば武州鐔らしい堅牢さが感じられる一方、眺める角度を変えれば葉の重なりと透かしの空間が次々に表情を変え、まるで風を受けた銀杏が揺れているかのような景趣を楽しめます。長寿や繁栄を想起させる銀杏という親しみ深い画題に、正方の巧みな肉彫地透、歳月を経た鉄味、抑制された象嵌が調和しており、拵に据えた際には円形のまとまりと色金が品よく映え、単独で鑑賞すれば葉脈に至る彫りの密度と透かしの妙が際立つ、在銘作としての収集性のみならず造形そのものに強く惹かれる逸品です。

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刀装具›伊藤›正方›銀杏透鐔 武州住正方
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正方

銀杏透鐔 武州住正方

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銀杏透鐔 武州住正方 -Bushu ju Masakata- 縦69.7ミリ 横67.3ミリ 切羽台厚5.1ミリ 重量81.0グラム 江戸中期 The middle Edo period 附属 保存刀装具鑑定書、桐箱 正方は、江戸において鉄地の透鐔を発展させた武州伊藤派を代表する鐔工の一人です。江戸神田を拠点に活動した伊藤派は、締まりのある鉄地へ草木や家紋などを肉彫地透で端正に表し、必要に応じて金などの象嵌を添える作風で知られています。正方もこの伝統を受け継ぎ、とりわけ植物の姿をよく捉え、葉や茎の重なりを骨太な鉄の構成へ置き換えることに巧みでした。「武州住正方」「武州住伊藤正方」などと銘し、実用鐔としての堅牢さを保ちながら、江戸の工人らしい洗練と自然味を備えた作品を遺しています。 本作は、丸形の鉄地に銀杏葉を巡らせ、切羽台を包み込むような肉彫地透に仕立てた一枚で、一見して目を引くのは、葉を単純な文様として並べるのではなく、折れ、反り、重なりまで彫り分けながら円環の中へ豊かな動きを生み出した構成です。扇状に広がる葉脈は細やかでありながら鉄の力強さを失わず、枝葉の間に設けた透かしも大小に変化を持たせているため、光を通すたびに陰影が移ろい、正面だけでは分からない立体感が現れ、黒褐色へ落ち着いた鉄地の要所には象嵌の色が慎ましく残り、華美に傾くことなく、古色の中へ柔らかな光を添えています。 厚さ5.1ミリの量感ある地と締まりのよい耳は、繊細な銀杏の意匠を確かな骨格で支えており、手に取れば武州鐔らしい堅牢さが感じられる一方、眺める角度を変えれば葉の重なりと透かしの空間が次々に表情を変え、まるで風を受けた銀杏が揺れているかのような景趣を楽しめます。長寿や繁栄を想起させる銀杏という親しみ深い画題に、正方の巧みな肉彫地透、歳月を経た鉄味、抑制された象嵌が調和しており、拵に据えた際には円形のまとまりと色金が品よく映え、単独で鑑賞すれば葉脈に至る彫りの密度と透かしの妙が際立つ、在銘作としての収集性のみならず造形そのものに強く惹かれる逸品です。

作者について

正方

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伊藤派は武蔵国江戸神田を拠点とした金工の一派で、初代正長(元禄頃~享保十二年没)が宝永七年に将軍家宣に拝謁し、公儀お抱え鍔師に任ぜられたことに始まる。歴代当主はいずれも「正」の字を通字とし、十代にわたって鍔・小道具の制作を続けた。二代正恒は糸透かしと呼ばれる精緻な糸鋸透の技法を開発し、「武州住正恒」と銘する打刀拵では鐔・縁頭を同作とし、七宝・螺鈿・金打込を駆使した統一的な拵を手がけている。十代にして最後の当主となった伊藤勝見(文政十二年〈一八二九〉生、明治四十三年〈一九一〇〉没)は、十二歳で田中清寿の門人となり、弘化元年に師家の養子となって清重と名乗った。若くして法橋に叙され、師父から東竜斎の号を許されたが、清寿と不仲になって田中家を離れた後、柴田是真に蒔絵を学んだ。万延元年三月に伊藤正広家と養子縁組して正隆と名乗り、伊藤家十代目を継承、三十歳後半に勝見と改名した。金工の鍛錬に是真門下の蒔絵の薫陶が加わり、勝見の色金への鋭敏な感覚に結実した。 伊藤派の作風は、象嵌と色絵を的確に用いた精密な彩色金工を最大の特色とする。鉄・四分一・朧銀・赤銅の地板に、高彫・鋤出高彫・片切彫・毛彫といった多彩な彫技を駆使し、金・銀・素銅・緋色銅・真鍮など多種の色金による象嵌色絵を施す。正恒の拵作品では赤銅魚子地に高彫色絵の栗形・返角を配し、鐺には金地に桜花文を打込む手法が見られ、「すべてに取り合せがよく、当時の武士の好尚がうかがえる」[[c:1]]と評される。勝見の作品では、鳥羽僧正に因む鳥獣戯画蛙合戦図・蝦蟇仙人蛙合戦図・大聖不動明王図など物語性・信仰性の強い図柄が好まれ、いずれも「高彫から片切毛彫を駆使した抜群な彫技」[[c:2]]と「的確で優れた象嵌色絵」[[c:3]]が一体となった画面を構成する。小柄においても牡丹に胡蝶を金・銀・緋色銅など多彩な色金で豊かに表現し、「発色の良い色金の象嵌技術は勝見の本領が存分に発揮され」[[c:4]]た入念作と称される。据文象嵌・布目象嵌・消し込み象嵌など技法の使い分けも巧みで、清寿門下の伝統を踏まえつつ独自の境地を拓いた。 伊藤派は元禄から明治に至るまで江戸の鐔工として高い水準を維持した一門である。参勤交代を通じて各国の武士がその作品を求め、伊藤鐔は全国に広まった。説示において勝見の作品は繰り返し「真骨頂を示す優品」[[c:5]]「勝見の本領が存分に発揮された」[[c:6]]と評価され、蛙合戦図鐔については「諧謔な図を昇華させた鐔」[[c:7]]と、物語画を金工芸術の高みに引き上げた点が特筆されている。絵画的な構図力と高度な彫金・象嵌を融合させ、信仰や文学の主題を鐔上に再現し得た伊藤派は、幕末金工史において独自の位置を占める。 詳しく見る →

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日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。

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永楽堂
Tsuba - 作 正方 - 銘 正方 竹透図鍔/鐔Tsuba - 作 正方 - 銘 正方 竹透図鍔/鐔

鍔

作正方
江戸
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刀心
Tsuba - 作 正方 - 蕗図透鐔 武州住正方 武州住正方Bushu ju Masakata 12-1278Tsuba - 作 正方 - 蕗図透鐔 武州住正方 武州住正方Bushu ju Masakata 12-1278
売切れ

鍔

作正方
江戸
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葵美術
Tsuba - 作 正方 - AF25381 鐔:武州住正方:馬具Tsuba - 作 正方 - AF25381 鐔:武州住正方:馬具
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明倫産業
Tsuba - 作 正方 - 鐔(鍔)− t-623 鐔 武州住正方 竹の図 鉄地Tsuba - 作 正方 - 鐔(鍔)− t-623 鐔 武州住正方 竹の図 鉄地
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作正方
Mid-Edo, d. An'ei 3 (1774)
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濃州堂
Tsuba - 作 正方 - 鍔 蘭図 銘 武州住正方Tsuba - 作 正方 - 鍔 蘭図 銘 武州住正方
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Tsuba - Hozon - 作 正方 - 銀杏透鐔 武州住正方Bushu ju Masakata 12-769Tsuba - Hozon - 作 正方 - 銀杏透鐔 武州住正方Bushu ju Masakata 12-769
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鍔

作正方
Mid-Edo, d. An'ei 3 (1774)
売却済
永楽堂
Tsuba - 作 正方 - 銘 正方 笹透図鍔/鐔Tsuba - 作 正方 - 銘 正方 笹透図鍔/鐔
売切れ

鍔

作正方
江戸
売却済
葵美術
Tsuba - 作 正方 - 鍔:銀杏葉図 銘:江戸神田住伊藤◻︎右衛門正方Tsuba - 作 正方 - 鍔:銀杏葉図 銘:江戸神田住伊藤◻︎右衛門正方
売切れ

鍔

作正方
江戸
売却済
葵美術
Tsuba - 作 正方 - 武州住正方 雁金透鐔Tsuba - 作 正方 - 武州住正方 雁金透鐔
売切れ

鍔

作正方
江戸
売却済

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飯田高遠堂
保存
Fuchi-Kashira - Hozon - 作 正恒 - 石黒政常作縁頭Fuchi-Kashira - Hozon - 作 正恒 - 石黒政常作縁頭

縁頭

作正恒
Mid-Edo, Kyoho (1716-1736), d. 1724
¥440,000
刀心
Kozuka - 作 正春 - 竹林高士図小柄 正春(花押) -Masaharu(Kao)- 16-203Kozuka - 作 正春 - 竹林高士図小柄 正春(花押) -Masaharu(Kao)- 16-203

小柄

作正春
江戸
¥198,000
美術刀剣松本
Tsuba - 作 辰直 - 沢瀉図Tsuba - 作 辰直 - 沢瀉図

鍔

作辰直
江戸
¥60,000
刀心
Tsuba - 作 満喜 - 雨龍図透 江府住満喜Kofu ju Mitsunobu 12-1242Tsuba - 作 満喜 - 雨龍図透 江府住満喜Kofu ju Mitsunobu 12-1242

鍔

作満喜
江戸
¥88,000
永楽堂
保存
Tsuba - Hozon - 作 正金 - 薩摩 銘 藤原 正兼 十二 月日 十字透鍔/鐔 保存刀装具Tsuba - Hozon - 作 正金 - 薩摩 銘 藤原 正兼 十二 月日 十字透鍔/鐔 保存刀装具

鍔

作正金
江戸
¥220,000
刀心
特別保存
Tsuba - Tokuho - 作 並寿 - 鯛の鯛透鐔 江府住並壽Kofu ju Namitoshi 12-996Tsuba - Tokuho - 作 並寿 - 鯛の鯛透鐔 江府住並壽Kofu ju Namitoshi 12-996

鍔

作並寿
江戸
¥385,000
銀座長州屋
Tsuba - 作 正国 - 蜃気楼(貝に龍留守模様)図鍔(鐔) 銘 唐津住正国Tsuba - 作 正国 - 蜃気楼(貝に龍留守模様)図鍔(鐔) 銘 唐津住正国

鍔

作正国
江戸
¥65,000
刀心
Tsuba - 作 辰直 - 楓図透大小鐔 江府住辰直 -Kōfu-jū Tokitada- 12-1644Tsuba - 作 辰直 - 楓図透大小鐔 江府住辰直 -Kōfu-jū Tokitada- 12-1644

鍔

作辰直
江戸
¥330,000

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