竹図割笄 無銘(海野派) -Mumei(Unno School)- 全長13.94センチ 幅8.4ミリ 重量18.0グラム 江戸後期 The latter period of Edo era 附属 特別保存刀装具鑑定書、桐箱 海野派は水戸金工の流れを汲む金工一派として発展し、幕末から明治にかけてとりわけ優れた彫金家を輩出したことで知られ、その系譜からは後に帝室技芸員となった海野勝珉をはじめ近代日本金工を代表する名工が現れ、赤銅や四分一をはじめとする色金の美しさを巧みに引き出しながら精緻な彫刻と象嵌を駆使する高度な金工技術を展開しました。 本作は一本の笄を二股に分けた割笄で、最大の見所は赤銅と四分一という色調の異なる二種の地金を大胆な斜線によって切り替えた造形にあり、黒味の深い赤銅から柔らかな灰褐色を呈する四分一へと地色そのものが移り変わる簡潔な構成の中、耳掻側には竹を彫り表して僅かな金象嵌を添え、さらに微細な鏨による点描を散らすことで竹林を思わせる静かな景趣を生み出しており、装飾を過度に加えることなく素材そのものの色彩と質感を意匠として成立させたところに、洗練された金工感覚が窺えます。 とりわけ興味深いのは、赤銅地へ四分一を象嵌して色を添えたという通常の構成ではなく、写真から確認できる限りでは異なる色金を斜めに接合して一本の割笄としてまとめている点で、二本に割れる構造そのものと地金の切り替えが視覚的な変化を生み、閉じた状態では細身で端正な一本の笄として見せながら、開けば内部にも二種の金属の取り合わせが現れるという、極めて洒落た趣向を備えています。 また竹という画題に対して彫刻を必要以上に主張させず、竹幹と葉を簡潔に表して余白を大きく取り、赤銅の深い黒味と四分一の渋い色調、僅かな金の輝きだけで画面を構成した抑制の効いた意匠には、華麗な多色金工とは異なる粋味があり、細身で長い割笄という形態ともよく調和して、手に取って地金の切り替わりや接合部を眺めるほどに金工師の技術と美意識を味わえる作品となっています。 本作には無銘ながら「海野派」と極められた特別保存刀装具鑑定書が附属しており、赤銅と四分一を大胆に組み合わせた珍しい造込、竹を主題とした簡潔で品格ある意匠、割笄ならではの細身の姿、そして二種の色金そのものを意匠として成立させた巧みな構成を総合すれば、小品ながら海野派金工の洗練された感覚を存分に楽しむことのできる、蒐集価値の高い一品です。










江戸
無銘
特別保存 (NBTHK)
保存刀装具のうち、出来・保存状態が一層優れ、銘文や作風に資料的価値の高いものと認められたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイトお求めになられた商品とは異なる商品をお届けしてしまった場合や、表記内容と現物とに大きな隔たりなどがあった場合を除き、基本的に返品はお受けいたしません。返品をご要望の場合は、商品到着後3日以内に御連絡の上ご返送下さい。
¥440,000
竹図割笄 無銘(海野派) -Mumei(Unno School)- 全長13.94センチ 幅8.4ミリ 重量18.0グラム 江戸後期 The latter period of Edo era 附属 特別保存刀装具鑑定書、桐箱 海野派は水戸金工の流れを汲む金工一派として発展し、幕末から明治にかけてとりわけ優れた彫金家を輩出したことで知られ、その系譜からは後に帝室技芸員となった海野勝珉をはじめ近代日本金工を代表する名工が現れ、赤銅や四分一をはじめとする色金の美しさを巧みに引き出しながら精緻な彫刻と象嵌を駆使する高度な金工技術を展開しました。 本作は一本の笄を二股に分けた割笄で、最大の見所は赤銅と四分一という色調の異なる二種の地金を大胆な斜線によって切り替えた造形にあり、黒味の深い赤銅から柔らかな灰褐色を呈する四分一へと地色そのものが移り変わる簡潔な構成の中、耳掻側には竹を彫り表して僅かな金象嵌を添え、さらに微細な鏨による点描を散らすことで竹林を思わせる静かな景趣を生み出しており、装飾を過度に加えることなく素材そのものの色彩と質感を意匠として成立させたところに、洗練された金工感覚が窺えます。 とりわけ興味深いのは、赤銅地へ四分一を象嵌して色を添えたという通常の構成ではなく、写真から確認できる限りでは異なる色金を斜めに接合して一本の割笄としてまとめている点で、二本に割れる構造そのものと地金の切り替えが視覚的な変化を生み、閉じた状態では細身で端正な一本の笄として見せながら、開けば内部にも二種の金属の取り合わせが現れるという、極めて洒落た趣向を備えています。 また竹という画題に対して彫刻を必要以上に主張させず、竹幹と葉を簡潔に表して余白を大きく取り、赤銅の深い黒味と四分一の渋い色調、僅かな金の輝きだけで画面を構成した抑制の効いた意匠には、華麗な多色金工とは異なる粋味があり、細身で長い割笄という形態ともよく調和して、手に取って地金の切り替わりや接合部を眺めるほどに金工師の技術と美意識を味わえる作品となっています。 本作には無銘ながら「海野派」と極められた特別保存刀装具鑑定書が附属しており、赤銅と四分一を大胆に組み合わせた珍しい造込、竹を主題とした簡潔で品格ある意匠、割笄ならではの細身の姿、そして二種の色金そのものを意匠として成立させた巧みな構成を総合すれば、小品ながら海野派金工の洗練された感覚を存分に楽しむことのできる、蒐集価値の高い一品です。










江戸
無銘
特別保存 (NBTHK)
保存刀装具のうち、出来・保存状態が一層優れ、銘文や作風に資料的価値の高いものと認められたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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