唐草文鐔 無銘(南蛮) -Mumei (Nanban)- 縦81.5ミリ 横80.0ミリ 切羽台厚3.0ミリ 重量126グラム 江戸中期 Middle Edo period 附属 保存刀装具鑑定書、桐箱 南蛮鐔は、桃山時代末から江戸時代にかけて流行した刀装具で、当時「南蛮」と総称された海外渡来の文物の影響を受けた意匠を特色とします。舶載品と考えられるもののほか、日本国内で南蛮風の意匠を取り入れて制作された作品も知られ、複雑な透彫や連続文様、異国趣味を感じさせる装飾を特色としています。 本作は竪丸形の鉄地に唐草文を巡らせた南蛮鐔で、耳には銀の布目象嵌で唐草を廻らし、更にその内側に金布目象嵌にて縁取りがなされています。地には金銀の布目象嵌を巧みに配し、切羽台を囲むように表された流麗な線文と、左右および上下に置かれた金色の文様が鉄地によく映え、耳に展開する唐草文と相まって異国趣味豊かな意匠を構成しています。 ことに黒みを帯びた落ち着きある鉄地と金銀の対比には南蛮鐔ならではの装飾性があり、長い時代を経た鉄の深い色調も本作の趣を一層引き立てており、小柄笄の穴には、小柄笄の二所を擦れから護るべく、丁寧に赤銅の板が嵌め込まれています。80ミリを超える堂々とした姿に加え、保存刀装具鑑定書が付属し、無銘ながら南蛮と極められた一枚で、異国的な唐草意匠と金銀布目象嵌の味わいを存分に楽しめる古鐔です。








鐔工
銘が正しい、または無銘でも年代・流派を指摘でき、美術工芸的価値が認められる、保存に値する真正の刀装具と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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