特別保存刀剣鑑定書付 刀:銘 武蔵守藤原兼中(越前住) 【解説】 本作は江戸時代初期に活躍した武蔵守藤原兼中(むさしのかみふじわらかねなか)による一振りです。裏銘には「越前住」とあり、現在の福井県にて打たれたことが分かります。 兼中は美濃伝の名工として名高い「孫六兼元」の末葉と伝えられ、慶長8年(1603年)に生まれ、天和年間(1681-1684年)まで存命したとされています。 当初は美濃国で活動していましたが、万治・寛文年間(1658-1670年)頃には越前国へ移住し、また江戸で作刀した記録も残されています。本作は越前での作であることから、今からおよそ340年から370年ほど前に制作されたものと推測されます。 当時の越前国は、徳川将軍家の親藩である越前松平家が治めており、非常に活気にあふれていました。武士たちからの旺盛な需要に応えるべく、各地から腕利きの刀工が集まりましたが、中でも兼中のような美濃出身の刀工は多く、彼らは「越前関」と呼ばれ重宝されました。 受領銘である「武蔵守」は、当時限られた名工にのみ許された名誉ある称号であり、兼中の技量が当時から高く評価されていた証と言えるでしょう。 本作は、日本美術刀剣保存協会(NBTHK)より「特別保存刀剣」の鑑定を受けた一振りです。保存状態が極めて良く、かつ美術的価値の高い真作の日本刀にのみ与えられる格付けであり、コレクションとしても申し分ありません。 【刀身】 長さ(刃長):72.8 cm 反り:0.45 cm 刃文:焼入れによって刃縁に現れる結晶構造。 地鉄(肌):鍛錬の過程で現れる鋼の表面模様。 茎(なかご): 茎には当時のままの黒錆が残されています。この錆は内部への赤錆の浸食を防ぐ役割があり、その色調や状態は、専門家が作刀年代を特定する際の重要な指標となります。 【拵】 拵(こしらえ)とは、鞘、柄、鍔などを含めた刀の外装一式を指します。 縁頭(ふちがしら): 柄の上下を保護する一対の金具です。 本作の縁頭には、その巻き毛の特徴から「唐獅子」がモチーフとして選ばれていると思われます。高彫(たかぼり)によって立体的に表現されており、非常に躍動感があります。唐獅子は唐の時代に大陸から伝わった想像上の獅子であり、仏教においては「知恵」の象徴として文殊菩薩の乗り物とされています。また、魔除けの守護獣である狛犬のルーツとも言われています。 柄・目貫(めぬき): 柄は刀を握る部分であり、目貫はその装飾金具です。 この目貫の図案を特定するのは困難ですが、何らかの植物がデザインされているようです。経年により色絵の多くは剥落していますが、当初は金の色絵が施されていた形跡が見て取れます。 縁頭の「獅子」と合わせ、この目貫は「牡丹」を模している可能性があり、古来より好まれる「獅子に牡丹」の組み合わせを意図したものかもしれません。仏教の法話において、百獣の王である獅子にも唯一恐れるもの(獅子身中の虫)があり、それを防ぐのが牡丹の花から滴る夜露であると説かれていることから、この二つは不変の取り合わせとして武具に多用されました。


















越前 · 1681-1684頃
刀剣大鑑 上位76%
現在3点販売中
保存刀剣のうち、出来が一層優れ、保存状態も良好と認められたものです。再刃や、室町・江戸期の多くの無銘作は対象外となり、保存刀剣より高い基準が課されます。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイトReturns/exchanges limited to defects caused by shipping (except willful misconduct or gross negligence by the company); customers must contact within 72 hours of receiving the product.
特別保存刀剣鑑定書付 刀:銘 武蔵守藤原兼中(越前住) 【解説】 本作は江戸時代初期に活躍した武蔵守藤原兼中(むさしのかみふじわらかねなか)による一振りです。裏銘には「越前住」とあり、現在の福井県にて打たれたことが分かります。 兼中は美濃伝の名工として名高い「孫六兼元」の末葉と伝えられ、慶長8年(1603年)に生まれ、天和年間(1681-1684年)まで存命したとされています。 当初は美濃国で活動していましたが、万治・寛文年間(1658-1670年)頃には越前国へ移住し、また江戸で作刀した記録も残されています。本作は越前での作であることから、今からおよそ340年から370年ほど前に制作されたものと推測されます。 当時の越前国は、徳川将軍家の親藩である越前松平家が治めており、非常に活気にあふれていました。武士たちからの旺盛な需要に応えるべく、各地から腕利きの刀工が集まりましたが、中でも兼中のような美濃出身の刀工は多く、彼らは「越前関」と呼ばれ重宝されました。 受領銘である「武蔵守」は、当時限られた名工にのみ許された名誉ある称号であり、兼中の技量が当時から高く評価されていた証と言えるでしょう。 本作は、日本美術刀剣保存協会(NBTHK)より「特別保存刀剣」の鑑定を受けた一振りです。保存状態が極めて良く、かつ美術的価値の高い真作の日本刀にのみ与えられる格付けであり、コレクションとしても申し分ありません。 【刀身】 長さ(刃長):72.8 cm 反り:0.45 cm 刃文:焼入れによって刃縁に現れる結晶構造。 地鉄(肌):鍛錬の過程で現れる鋼の表面模様。 茎(なかご): 茎には当時のままの黒錆が残されています。この錆は内部への赤錆の浸食を防ぐ役割があり、その色調や状態は、専門家が作刀年代を特定する際の重要な指標となります。 【拵】 拵(こしらえ)とは、鞘、柄、鍔などを含めた刀の外装一式を指します。 縁頭(ふちがしら): 柄の上下を保護する一対の金具です。 本作の縁頭には、その巻き毛の特徴から「唐獅子」がモチーフとして選ばれていると思われます。高彫(たかぼり)によって立体的に表現されており、非常に躍動感があります。唐獅子は唐の時代に大陸から伝わった想像上の獅子であり、仏教においては「知恵」の象徴として文殊菩薩の乗り物とされています。また、魔除けの守護獣である狛犬のルーツとも言われています。 柄・目貫(めぬき): 柄は刀を握る部分であり、目貫はその装飾金具です。 この目貫の図案を特定するのは困難ですが、何らかの植物がデザインされているようです。経年により色絵の多くは剥落していますが、当初は金の色絵が施されていた形跡が見て取れます。 縁頭の「獅子」と合わせ、この目貫は「牡丹」を模している可能性があり、古来より好まれる「獅子に牡丹」の組み合わせを意図したものかもしれません。仏教の法話において、百獣の王である獅子にも唯一恐れるもの(獅子身中の虫)があり、それを防ぐのが牡丹の花から滴る夜露であると説かれていることから、この二つは不変の取り合わせとして武具に多用されました。


















越前 · 1681-1684頃
刀剣大鑑 上位76%
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保存刀剣のうち、出来が一層優れ、保存状態も良好と認められたものです。再刃や、室町・江戸期の多くの無銘作は対象外となり、保存刀剣より高い基準が課されます。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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