説明

後藤寿乗 三所物(日本美術刀剣保存協会 保存刀装具) 後藤延乗(光孝)明和八年(1771年)折紙附 小柄:長さ 97 mm / 巾 14 mm 笄:長さ 210 mm / 巾 12 mm 目貫:30 mm x 13 mm / 30 mm x 12 mm 後藤家十二代当主、後藤寿乗による無銘の傑作三所物です。本作には、十三代当主・後藤延乗(光孝)が明和八年(1771年)に発行した極めて稀少な当時の折紙(後藤折紙)が付属しております。 寿乗は元禄八年(1695年)、十一代通乗の三男として生まれました。幼名は亀一、後に源之丞。諱は光之、家督を継いでからは光匡と称しました。寛保二年(1742年)、四十八歳の若さで没したため、寿乗の号は没後に贈られたものです。 画題は「蓑亀(みのがめ)」。日本の伝承において万年の寿命を持つとされる蓑亀は、長寿と英知の象徴であり、七福神の一柱である寿老人の使いとしても知られます。長寿と大願成就の願いが込められた吉祥の図案です。甲羅に藻が付着し、それが蓑を羽織ったように見えることからその名がつきました。 本作の出来映えは正に最高峰であり、拡大鏡で見ても鏨(たがね)の運びに一切の乱れがなく、完璧に制御されています。保存状態も極めて良好で、金うっとり色絵の剥落や傷み、摩耗も殆ど見られません。亀の一匹一匹が豊かな表情と躍動感を持っており、その愛らしさが本作の魅力を一層引き立てています。 特筆すべきは、明和八年の古折紙の存在です。2003年の日本美術刀剣保存協会(日歩協)による保存鑑定においては、この折紙の真蹟であることを明記した上で、寿乗の真作として認定されています。折紙を発行した延乗は寿乗の次男であり、先代の技量を最も深く理解していた人物による極めと言えます。通常、後藤家の古折紙が附随する小道具が市場に出ることは滅多になく、極めて貴重な機会です。 また、包み紙(青紙)は大阪の豪商・鴻池家の伝来であることを示しています。江戸時代に莫大な富を築いた鴻池家旧蔵の品であることも、本作の格の高さを物語っています。 2003年発行の保存刀装具鑑定書、1771年発行の後藤折紙、および折紙収納スペースを備えた特製桐箱が付属いたします。 【後藤折紙 翻刻】 色繪笹ニ龜三所物 作壽乗 笄貳疋小刀柄参疋棹下地後 代金参枚五兩 後藤四郎兵衛 明和八年 十二月七日 光孝(花押)

後藤寿乗 御所三所物

後藤寿乗 御所三所物

三所物

$7,800

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流派

Goto

時代

Mid Edo (1700-1762)

作者について

Goto Jujo後藤寿乗

4 重要刀剣

後藤寿乗光理は、元禄二年に宗家十一代通乗光寿の嫡男として生まれ、幼名を亀市、のち光幸と称した。享保五年十一月、父光寿が通乗と号して隠居するに及び家督を相続し、四郎兵衛光理と名乗って後藤宗家十二代目当主となった。江戸時代中期、後藤宗家の伝統を次代へ確実に繋ぐ要の世代にあたる。 自作においては、赤銅魚子地に金紋を配した三所物が代表的な作域である。巻龍図などの伝統的画題を用い、打ち出しは厚目で金を多く使用して重量感があり、根も力金も丁寧に造り込む。金無垢地の容彫目貫にも巧みな姿態表現が見られ、説示には「各所に後藤家の家風を遺憾なく発揮しており、気品があって格調が高い」「後藤家のお手本のような格式を備え持った見事な一組」と繰り返し評される。宗家伝来の技法を忠実に守りながらも、端正にして格調ある独自の美意識を確立した工人である。 鑑定家としても重きをなし、三代乗真の鯰図笄をはじめ歴代宗家の作品に対して極銘を切り、享保十四年付の代百貫折紙など確かな鑑識眼を後世に残している。子の十三代光孝が光理自身の作品を極めた折紙が附帯する例もあり、親子間にわたる宗家の鑑定の継承を示す好例として注目される。

刀剣商

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