Ginza Choshuya 東京都中央区銀座3-10-4 月–土 9:30–17:30 Signed Yamashiro no kuni Fushimi ju Kaneie 金家は、禅に題を得た図柄や、達磨、李白など歴史的な人物を鐔に彫り描いたが、同じ鐔面に金家が生きた時代の京都周辺の風景を採り入れているものがある。主題も、歴史や伝説といった時の彼方のものばかりではなく、飛脚図や曳舟図のように、より身近な出来事への興味をも示していると思われ、同時代の装剣小道具の製作者の中においては歴史を研究する上でも興味深い作品を遺した識者で、特異な存在と言えるであろう。 この鐔は、京にほど近い近江国琵琶湖が舞台とされた謡曲『竹生島(ちくぶじま)』を主題とした作。『竹生島』は室町時代初期の金春禅竹作と伝えられ、明るく軽快な内容が好まれて演じられたという。 古甲冑師鐔のように鍛えの頗る良い鉄地は、叩き締めた鎚の痕跡が明瞭に残されて景色となっている。この鍛え肌も拳形とも呼ばれる独特の形状と共に金家の特質。さらに、打ち返された耳が抑揚変化し、鐔という画面を無限の空域へと連続させている。表は琵琶湖畔で左手網(さであみ)を肩に小鮎漁に向かう海女姿の弁財天。謡曲『竹生島』では老漁師と海女が主題とされているが、金家は実際に取材した海女一人を、遠く眺める山並みを背景として印象深く彫り描いている。足元は砂浜に寄せる波であろう、微かな毛彫表現。一方裏面は夜の湖面。謡曲『竹生島』よりイメージした、月に輝く湖面を跳躍する兎。いずれも鍛着部が判らないほどに精巧な共鉄象嵌(ともがねぞうがん)。僅かに銀象嵌を加えている。




金家
桃山
山城
在銘
鐔工 · 山城
現在1点販売中
金家は桃山時代に山城国伏見に住した鐔工で、いわゆる絵風鐔の祖として名高い。従来文様風であった鐔の図柄にはじめて絵画的なものを導入し、鐔の表現世界を一変させた革新者である。銘は「山城国伏見住金家」[[c:1]]を常とするが、「城州伏見住金家」と切った城州銘の作も現存し、城州銘の達磨図・毘沙門天図・春日野図の三枚は国の重要文化財に指定されている。
形は丸形・木瓜形・撫角形の他に二ツ木瓜形や拳形と称される独創の変り形もあり、「意匠と姿態との調和を図った作品が多い」[[c:2]]と評される。地がねは全て鉄地で「鍛えが無類によく」[[c:3]]、地に槌目を打ち雅趣に富んでいる。紫錆の鉄色と自在の槌目が相まって地面は頗る趣深く、薄手の造り込みに打返耳を施して姿態に変化をつけている。構図は「余白を活かした画面構成で、遠近法を用い空間を大きく取り、そこに充満する空気の層を感じさせる出来映え」[[c:4]]であり、「泰然とした趣がある」[[c:5]]とされる。山水画でも人物画でも空間を大きくとり、遠山・仏塔・苫舟などを近景と遠景の対照として巧みに配するその手法は、一枚の鐔の中に無限の奥行きを生み出している。彫法は力強い鉄高彫象嵌を駆使し、波や芦などの毛彫も巧みである。金銀などの色金は「最小限に抑えて色彩効果と画品を一段と高めて」[[c:6]]おり、鉄の妙味を損なうことのない計算が為されている。高彫は共金据紋方式と称され、極めて薄い平地の上に鉄の共金を据紋象嵌するという高度な技法を些かも違和感なく造り上げた手腕は「敬服に価する」と評される。
画題は達磨・猿猴捉月・愛宕飛脚・木賊刈・太公望・野晒・巣父・張果老・柿本人麻呂・楼閣人物・山水樵夫・月下独釣・指月拾得など多岐にわたり、禅機的画題から中国故事、和歌の世界に至るまで幅広い教養と画才を示す。説示には「小さな鐔の中に無限の空間を表現し得た金家の技術は古今第一」「数多い鐔作家の中でも金家一人であると言っても過言ではない」[[c:7]]「言いしれぬ静寂と高尚な風韻が満ち溢れている」[[c:8]]「粗のようで粗ならず、稚のようで稚ならない高尚な世界」といった最高級の賛辞が繰り返され、絵風鐔の創始者としての貫禄を遺憾なく示した存在として位置づけられている。筑前黒田家伝来の塔山水図鐔をはじめ、名家に珍重された名品が数多く伝世する。
金家の位置づけを、日本刀全体および伝統・時代・時期ごとに示します。各位(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。
各項目を選ぶと評価方法が表示されます。
鐔工 · 山城
現在7点販売中
金家派は桃山時代に山城国伏見において活躍した鐔工一派であり、いわゆる絵風鐔の祖として日本刀装具史上に不朽の足跡を残した。それまでの文様風鐔の図柄に対し、初めて本格的な絵画性を導入した金家の革新は、後世の刀装具意匠に計り知れない影響を与えた。形態は丸形・木瓜形・撫角形といった伝統的な姿のほか、二ツ木瓜形や拳形と称される独創的な変り形を創案し、図柄と形状との調和を熟慮した作品を遺している。地がねは全て鉄地で、鍛えが無類によく、地に槌目を打ち込むことで独特の雅趣を醸し出す。この槌目仕立ては金家の技法上の特徴の一つであり、紫錆の鉄色と相まって品格高い地面を形成している。 金家の作風において最も顕著な特徴は、遠近法を駆使した画面構成と空間表現の巧妙さにある。山水画においても人物画においても、余白を活かして空間を大きく取り、そこに充満する空気の層を重要視しており、泰然とした趣と格調の高さを湛えている。彫法は力強い鉄高彫象嵌を主体とし、波や芦などの毛彫も巧みに併用する。色金の使用は金銀を最小限に抑えて色彩効果を一段と高めており、画品を損なうことなく要所要所に効果的に配している。また薄手の造り込みの上に鉄の共金を据紋象嵌するという高度な技法を駆使し、違和感なく仕上げる手腕は敬服に価する。画題は禅機的な題材を好み、猿猴捉月図・達磨図・巣父図・愛宕飛脚図・太公望図など、深遠な精神性を帯びた主題を数多く手掛けている。 金家作品は重要文化財および重要刀装具に多数指定されており、その芸術的価値の高さが公的に認められている。特に「城州銘」を有する作品は数が少なく、達磨図・毘沙門天図・春日野図の三枚が国の重要文化財に指定されている点は注目に値する。作鐔の中には筑前黒田家伝来の塔山水図鐔など由緒ある伝来を誇るものも含まれ、桃山時代における武家社会での高い評価を物語っている。小振りな鐔の中に無限の空間を表現し得た金家の技術は古今第一と賞賛され、存在を越えた無限なるものへの畏敬、大自然を敬い神仏を尊ぶ人間の心のあらわれを静かに伝えている。その高尚な世界観と卓越した造形技術は、後世の装剣金工に多大な影響を及ぼし、金家の名は絵風鐔の開祖として永く語り継がれることとなった。 詳しく見る →
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弊社の過失により、本来の状態と著しく異なる場合には商品の返品が可能です。クーリングオフは商品到着後一週間以内です。
Ginza Choshuya 東京都中央区銀座3-10-4 月–土 9:30–17:30 Signed Yamashiro no kuni Fushimi ju Kaneie 金家は、禅に題を得た図柄や、達磨、李白など歴史的な人物を鐔に彫り描いたが、同じ鐔面に金家が生きた時代の京都周辺の風景を採り入れているものがある。主題も、歴史や伝説といった時の彼方のものばかりではなく、飛脚図や曳舟図のように、より身近な出来事への興味をも示していると思われ、同時代の装剣小道具の製作者の中においては歴史を研究する上でも興味深い作品を遺した識者で、特異な存在と言えるであろう。 この鐔は、京にほど近い近江国琵琶湖が舞台とされた謡曲『竹生島(ちくぶじま)』を主題とした作。『竹生島』は室町時代初期の金春禅竹作と伝えられ、明るく軽快な内容が好まれて演じられたという。 古甲冑師鐔のように鍛えの頗る良い鉄地は、叩き締めた鎚の痕跡が明瞭に残されて景色となっている。この鍛え肌も拳形とも呼ばれる独特の形状と共に金家の特質。さらに、打ち返された耳が抑揚変化し、鐔という画面を無限の空域へと連続させている。表は琵琶湖畔で左手網(さであみ)を肩に小鮎漁に向かう海女姿の弁財天。謡曲『竹生島』では老漁師と海女が主題とされているが、金家は実際に取材した海女一人を、遠く眺める山並みを背景として印象深く彫り描いている。足元は砂浜に寄せる波であろう、微かな毛彫表現。一方裏面は夜の湖面。謡曲『竹生島』よりイメージした、月に輝く湖面を跳躍する兎。いずれも鍛着部が判らないほどに精巧な共鉄象嵌(ともがねぞうがん)。僅かに銀象嵌を加えている。




金家
桃山
山城
在銘
鐔工 · 山城
現在1点販売中
金家は桃山時代に山城国伏見に住した鐔工で、いわゆる絵風鐔の祖として名高い。従来文様風であった鐔の図柄にはじめて絵画的なものを導入し、鐔の表現世界を一変させた革新者である。銘は「山城国伏見住金家」[[c:1]]を常とするが、「城州伏見住金家」と切った城州銘の作も現存し、城州銘の達磨図・毘沙門天図・春日野図の三枚は国の重要文化財に指定されている。
形は丸形・木瓜形・撫角形の他に二ツ木瓜形や拳形と称される独創の変り形もあり、「意匠と姿態との調和を図った作品が多い」[[c:2]]と評される。地がねは全て鉄地で「鍛えが無類によく」[[c:3]]、地に槌目を打ち雅趣に富んでいる。紫錆の鉄色と自在の槌目が相まって地面は頗る趣深く、薄手の造り込みに打返耳を施して姿態に変化をつけている。構図は「余白を活かした画面構成で、遠近法を用い空間を大きく取り、そこに充満する空気の層を感じさせる出来映え」[[c:4]]であり、「泰然とした趣がある」[[c:5]]とされる。山水画でも人物画でも空間を大きくとり、遠山・仏塔・苫舟などを近景と遠景の対照として巧みに配するその手法は、一枚の鐔の中に無限の奥行きを生み出している。彫法は力強い鉄高彫象嵌を駆使し、波や芦などの毛彫も巧みである。金銀などの色金は「最小限に抑えて色彩効果と画品を一段と高めて」[[c:6]]おり、鉄の妙味を損なうことのない計算が為されている。高彫は共金据紋方式と称され、極めて薄い平地の上に鉄の共金を据紋象嵌するという高度な技法を些かも違和感なく造り上げた手腕は「敬服に価する」と評される。
画題は達磨・猿猴捉月・愛宕飛脚・木賊刈・太公望・野晒・巣父・張果老・柿本人麻呂・楼閣人物・山水樵夫・月下独釣・指月拾得など多岐にわたり、禅機的画題から中国故事、和歌の世界に至るまで幅広い教養と画才を示す。説示には「小さな鐔の中に無限の空間を表現し得た金家の技術は古今第一」「数多い鐔作家の中でも金家一人であると言っても過言ではない」[[c:7]]「言いしれぬ静寂と高尚な風韻が満ち溢れている」[[c:8]]「粗のようで粗ならず、稚のようで稚ならない高尚な世界」といった最高級の賛辞が繰り返され、絵風鐔の創始者としての貫禄を遺憾なく示した存在として位置づけられている。筑前黒田家伝来の塔山水図鐔をはじめ、名家に珍重された名品が数多く伝世する。
金家の位置づけを、日本刀全体および伝統・時代・時期ごとに示します。各位(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。
各項目を選ぶと評価方法が表示されます。
鐔工 · 山城
現在7点販売中
金家派は桃山時代に山城国伏見において活躍した鐔工一派であり、いわゆる絵風鐔の祖として日本刀装具史上に不朽の足跡を残した。それまでの文様風鐔の図柄に対し、初めて本格的な絵画性を導入した金家の革新は、後世の刀装具意匠に計り知れない影響を与えた。形態は丸形・木瓜形・撫角形といった伝統的な姿のほか、二ツ木瓜形や拳形と称される独創的な変り形を創案し、図柄と形状との調和を熟慮した作品を遺している。地がねは全て鉄地で、鍛えが無類によく、地に槌目を打ち込むことで独特の雅趣を醸し出す。この槌目仕立ては金家の技法上の特徴の一つであり、紫錆の鉄色と相まって品格高い地面を形成している。 金家の作風において最も顕著な特徴は、遠近法を駆使した画面構成と空間表現の巧妙さにある。山水画においても人物画においても、余白を活かして空間を大きく取り、そこに充満する空気の層を重要視しており、泰然とした趣と格調の高さを湛えている。彫法は力強い鉄高彫象嵌を主体とし、波や芦などの毛彫も巧みに併用する。色金の使用は金銀を最小限に抑えて色彩効果を一段と高めており、画品を損なうことなく要所要所に効果的に配している。また薄手の造り込みの上に鉄の共金を据紋象嵌するという高度な技法を駆使し、違和感なく仕上げる手腕は敬服に価する。画題は禅機的な題材を好み、猿猴捉月図・達磨図・巣父図・愛宕飛脚図・太公望図など、深遠な精神性を帯びた主題を数多く手掛けている。 金家作品は重要文化財および重要刀装具に多数指定されており、その芸術的価値の高さが公的に認められている。特に「城州銘」を有する作品は数が少なく、達磨図・毘沙門天図・春日野図の三枚が国の重要文化財に指定されている点は注目に値する。作鐔の中には筑前黒田家伝来の塔山水図鐔など由緒ある伝来を誇るものも含まれ、桃山時代における武家社会での高い評価を物語っている。小振りな鐔の中に無限の空間を表現し得た金家の技術は古今第一と賞賛され、存在を越えた無限なるものへの畏敬、大自然を敬い神仏を尊ぶ人間の心のあらわれを静かに伝えている。その高尚な世界観と卓越した造形技術は、後世の装剣金工に多大な影響を及ぼし、金家の名は絵風鐔の開祖として永く語り継がれることとなった。 詳しく見る →
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