説明

日本刀 刀 加州景光(鑑定:日本美術刀剣保存協会 保存刀剣) 【解説】 本作は加州景光の作と極められた一振りです。景光の名は南北朝中期から江戸初期(1356年〜1673年)にかけて数代にわたり受け継がれましたが、本作の作風から、室町時代後期(15世紀後半〜16世紀初頭)頃の景光によるものと推察されます。 初代加州景光は藤島友重の門人と伝えられ、父は南北朝中・後期に活躍した正景です。 本作が打たれた室町後期は、まさに戦国時代の只中にあたります。有力な戦国大名たちが領地や権力を巡り鎬を削った時代であり、景光もまた、これら武士たちの需要に応え、実戦に即した業物を鍛え上げました。 景光の一派は格式高い刀工として知られ、戦国大名の北条氏照が伊達政宗へ景光の刀を贈ったという逸話も残されています。このエピソードからも、当時から景光がいかに高く評価されていたかが伺えます。 本刀は、公益財団法人 日本美術刀剣保存協会(NBTHK)より「保存刀剣」に認定されています。これは、美術品として価値が高く、保存状態の優れた本物の日本刀であることを証明するものです。 ※刀身には数箇所、鍛え傷(きたえきず)が見受けられます。詳細なコンディションについては、お気軽にお問い合わせください。 【刀身】 長さ(長さ):68.0 cm 反り(反り):2.0 cm 刃文(はもん):焼き入れによって刃先に現れる結晶構造。 地鉄(じはだ):折り返し鍛錬によって現れる鋼の表面模様。 切先(きっさき):刀身の先端部分。 茎(なかご):刀身の柄に収まる茎部。 日本刀の茎には、柄内での赤錆を防ぐために意図的に「黒錆」が残されます。この経年による錆色は、専門家が制作年代を推定する上での重要な指標となります。 【外装:拵】 拵(こしらえ):鞘、柄、鍔など、日本刀の外装一式。 縁頭(ふちがしら):柄の両端を保護し、装飾する一対の金具。 柄・目貫(つか・めぬき):柄は刀の握り部分、目貫はその装飾です。 本品の目貫には「桔梗(ききょう)」と思われる花が配されています。桔梗は日本の文化において「誠実」「忠誠」「献身」の象徴とされ、武士が重んじた精神を体現しています。 また、桔梗は明智光秀を筆頭とする有力な武家が家紋として用いたことでも知られ、その気高くも力強い姿は戦国武士に愛されました。仏教や神道の観点からは「生と死の循環」を象徴するとも言われ、武士道に生き、常に死を隣り合わせに感じていた侍にとって、非常に意義深い意匠であったと言えます。 鍔・鎺(つば・はばき):鍔は拳を守る護拳、鎺は刀身を鞘の中に固定し、刀身が鞘の内側に触れて錆びたり傷ついたりするのを防ぐ金具です。 この鍔は真鍮製と思われ、その形状は卵を逆さにしたような「倒卵形(とうらんがた)」を呈しています。この独特の形状は日本独自の美意識の表れと言えるでしょう。

Antique Japanese Sword Katana Attributed to Kagemitsu NBTHK Hozon Certificate

Antique Japanese Sword Katana Attributed to Kagemitsu NBTHK Hozon Certificate

$8,061

世界81社の刀剣商を横断追跡 · 価格履歴 · 売却アーカイブ

仕様

長さ

68 cm

反り

2 cm

流派について

Kaga School加賀派

加賀象嵌は、江戸時代初期から享保期にかけて金沢を中心とする加賀国で発達した独特の平象嵌技法である。その起源は、加賀地方の鐙工が行っていた平象嵌を、鐔や刀装具に応用したことに始まるとされる。加賀藩の庇護のもと、献上品として制作された作例も多く、金沢の工芸文化の高い水準を示す技術として栄えた。室町期には鏡師と呼ばれる工人による山金地の鋳出鐔が見られ、これらが後の加賀象嵌の源流の一つとなったと考えられる。 加賀象嵌の技術的特徴は、赤銅、四分一、素銅などの磨地に、金・銀・銅など多種の色金を駆使した精緻な平象嵌にある。漆黒の赤銅磨地に色金を緻密に嵌め込む手法が主流だが、素銅地に明るい色調で景物を表した古調な作例も存在する。構図は絢爛にして巧みであり、秋草蝶図や鴛鴦図など、画面一杯に展開された図案文様化した表現が特徴的である。毛彫を併用し、内覆輪や埋金など細部にまで丁寧な仕上げが施され、未使用のまま伝世した保存状態の良い献上品級の作も少なくない。 鏡師系の作品は、真鍮地や山金地に鋤出高彫で大胆な文様を配し、格子形花文や菊花文など古雅な意匠を持つ。室町末期から桃山初期にかけての作風を示し、土手耳の構造や鋳出による立体的な表現が見られる。加賀象嵌と総称される一群には、こうした鏡師の流れを汲む古式な様相を呈するものから、江戸中期以降の洗練された平象嵌作品まで幅広い作域が含まれ、加賀国における刀装具制作の伝統の深さを物語っている。

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