芦辺群鷺図鐔 無銘 -Mumei- 縦78.0ミリ 横72.5ミリ 切羽台厚3.35ミリ 重さ114.6グラム 江戸中期~後期 The middle to latter Edo period 附属 桐箱 芦辺に遊ぶ鷺は、水辺の静けさと清らかな気品を象徴する画題です。本品では広い鉄地を水辺の空と余白に見立て、表の中央上へ飛翔する一羽、右下の葦陰へ寄り添う番の鷺、中央下へ静かに佇む一羽を配し、四羽それぞれの姿によって空から水際へ視線を導く、動きと静けさを兼ね備えた景色を作り上げています。 鷺は銀色の地金を用いてふっくらと表し、羽毛や翼の重なりを細かな鏨で刻み分け、すべての眼には小さな金象嵌を施しています。暗く落ち着いた鉄地に銀の鳥身が鮮やかに浮かび、その中で金の眼が命を宿したようにきらめく仕立ては、遠目には端正でありながら、手元で眺めるほど仕事の細やかさが伝わります。脚や嘴、葦にも金の色調を添え、限られた色彩の中に水辺の光を巧みに表現しています。 右下の二羽は互いに寄り添う番として描かれ、一羽が首を垂れ、もう一羽が首を伸ばす姿の違いによって、穏やかな親密さと自然な動きが生まれています。中央下の一羽は少し離れた場所から水辺を見渡し、上空の一羽は翼を広げて画面外へ飛び去ろうとするため、四羽を単に並べるのではなく、一幅の絵のような奥行きある構成となっています。裏面は左下に葦のみを配して表の水景を静かに引き継ぎ、表裏の余白を生かした簡潔な仕立てが鉄味の良さを一層引き立てています。 縦78ミリ、重さ114.6グラムの充実した姿に、味わい深い鉄地と銀の鷺、金象嵌の眼が美しく映える一枚です。番の鷺には夫婦円満や長久への願いも重ねられ、拵へ掛ければ落ち着いた品格を添え、独立した鑑賞品としては四羽の姿態と繊細な色金をじっくり楽しめる、情趣に富んだ鐔です。
取扱店 刀心
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無銘
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