本作は、陸奥国住の金工菅原正壽による菊花図鐔。正壽には「若松住菅原正壽作」と銘する作のほか、「於松山」「於涌谷」「於仙台」など製作地を添え、慶応三年や明治二年紀を加刻した作があり、「於仙府正利作」と銘する正利と同人である。本作は「於涌谷郷 菅原正壽」と銘を切る。縦丸形の鉄地全面にさまざまな菊花を配し、表裏とも鋤下毛彫を駆使して花弁、葉、茎を立体的に表す。地を鋤き下げて菊花を浮き立たせ、花弁には毛彫を施して丹念にあらわす。表には咲き誇る菊を密に配し、裏面は下から覗いた展開にして、鐔面全体を一つの菊花図として構成する。鉄地の色調と鋤彫で菊花の華やかさを表現し、幕末から明治初期に活躍した正壽の巧みな彫技を窺わせる作。令和8年5月保存刀装具審査合格。















正寿
新々刀
陸奥
在銘
保存 (NBTHK)
陸奥
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銘が正しい、または無銘でも年代・流派を指摘でき、美術工芸的価値が認められる、保存に値する真正の刀装具と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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