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概要·鑑定·指定·刀姿·銘·系譜·流派
概要鑑定指定刀姿銘系譜流派
  1. 流派
  2. 関
  3. 氏房

Seki Ujifusa

氏房

重要
巻 19, 番 113 · 刀

Seki Ujifusa

氏房

評価作品9点

国美濃時代Tensho (1573–1592)時代区分桃山流派Seki伝法美濃伝代1st種別刀工コードUJI19
9重要刀剣

概要

若狭守氏房は十六世紀後半の元亀・天正年間に美濃の関で鍛刀した工で、説明書は彼を美濃の伝統の最後で最大の一群たる末関を代表する刀工の一人に数える。関兼房の子であり、説明書はその名にまつわる一事を伝える。始めは父の兼房を襲名し、後に氏房と改めたのは、今川氏真から「氏」の一字を賜ったものともいうのである。若狭守の受領は永禄十三年といい、令和に指定されたある刀には今なお「尾州清須住」の居住地銘があって、晩年に関から尾州清須へ移居した記録を留める。この移居は彼自身の作にとどまらぬ意味を持つ。その子が尾張氏房派の祖たる飛騨守氏房、尾張新刀の三祖の一人であり、父は古い美濃の伝統が新たな尾張の作へと移る蝶番に立つ。

その代表作は大らかな刀で、元亀年紀の一口がその典型である。鎬造・庵棟、身幅広く中鋒あるいは大鋒、延びるものや僅かに磨上げたものもあり、説明書はこの体配を、元亀の頃には打刀が太刀に替って長大となり両手で使用されたことの証と読む。この姿にのたれあるいは大互の目を焼き、美濃の尖り刃を交え、足・葉入り、匂口は締り沈みごころから明るきに至り、小沸ついて砂流し・処々飛焼を交える。大らかな乱れに交える尖り刃は平生の刀の美濃の見どころで、彼を関の本流に据える特徴である。説明書はかかる一口を「この刀は氏房の代表作で、豪壮な造込で大どかな刃文を焼き」と評し、出来がよいとする、説明書が惜しんで用いる静かな賛である。

地鉄も同じ関の性を帯びる。板目は緊まらず肌立ちごころとなり、処々流れて流れ肌となり鎬地は柾に流れ、地沸つき、力強い作には地景も入る。この肌立って流れた地が末関の地であり、彼の沸や飛焼を載せる床である。近年の刀に説明書は元亀・天正の力強い体配に豪快な乱れ刃を読み、匂口明るく沸よくつき、地刃の保存も頗る良いとする。帽子は下の刃に応じて多く乱れ込んで小丸となり、尖りごころに掃きかけるものもあるが、焼が帽子全体へ及んで一枚となるものも少なからずあり、令和指定の一口を説明書は「帽子一枚となり返りを長く焼下げる」とし、昭和指定の一口を「帽子殆んど一枚風に乱れ込み、先小丸」と読む。彫物は棒樋を掻通す。これらは工房平均の冷たく整った関物ではなく、伝統のより豪快で奔放な端であり、ゆえに説明書はこの出来のものを稀れとする。

この大らかな刀の手に対し、第二の稀な面が短刀に見える。山城物写しである。天正年紀の平造の短刀がその遺例で、寸に比して身幅やや広く重ね厚く内反りとなり、総体に流れた小板目に指表は殊に柾気つよく、地沸細かにつき、地に白気を帯びたうつりが立つ。刃文は細直刃、匂勝ちに匂口締まりごころとなって小沸つき、帽子は直ぐに静かな小丸、彫物は表に護摩箸、裏に腰樋。この手について説明書は「この期の関物にはよく山城物写しがみられる」とし、本作を「いかにも品よくまとまっており、氏房中の上々作」と評する。彫物は造込みに連動し、刀が棒樋を掻通すのに対し、護摩箸や腰樋は平造の短刀に属する。

その一門の中の位置は、借りた比較よりも彼自身の地に即した特徴から取るのがよい。彼は末関の工で、その手は肌立った板目、大らかなのたれ・大互の目に折り込んだ尖り刃、時に錬れた山城物写しの直刃に認められる。明るい乱れと棒樋の刀がその背骨、静かな白け映りの短刀がその風情である。系譜は彼を通って清らかに流れる。父兼房より美濃の体を受け、清須への移居とともにそれを尾張の閾へと運び、子飛騨守氏房がその大らかなのたれを落ち着いた尾張新刀の手に錬り上げ、政常・信高と共に同派の三祖の一人に数えられる。説明書は同名数代続いたことを記し、父はその出自の根である。

氏房はすべて重要刀剣の格に残り、国宝も重要文化財も記録されず、その作は美術館の群よりは数寄者の手の届く側にある。指定の記録は在銘の刀九口と在銘の短刀一口をその指定作に擁し、いずれも極めではなく在銘の作で、元亀・天正の年紀を有するものが幾口かあり、一口は説明書が晩年の尾張期研究の好資料として貴ぶ「尾州清須住」の居住地銘を帯びる。これらの刀に大名の伝来も所蔵機関も記録されず、説明書はその現存作、就中打刀が比較的に少く、これ程までに出来の優れたものは稀れと率直に記す。在銘年紀の大らかな元亀・天正型の若狭守氏房の刀に出会うのは稀なことで、数寄者はこれを折にふれ、忍耐をもって、その最も優れたものを末関の領分の頂で見るに過ぎない。説明書はその佳品を平らかに評し、ある一口を豪壮な造込の代表作とし、ある一口を「室町末期の関物の典型的且つ代表作の一口」とし、品よき直刃の短刀を上々作とする。

鑑定

末関の一人の手の二つの作域:のたれあるいは大互の目に美濃の尖り刃を交え、肌立って流れた板目に棒樋を掻通す典型の刀、説明書が代表作とする元亀・天正の力強い体配の手と、より稀な短刀の山城物写し、流れた小板目に白気を帯びたうつりの立つ地に細直刃を焼いて静かな小丸帽子となる手

若狭守氏房は末関を代表する刀工の一人で、室町末期の美濃関の鍛冶であり、尾張新刀の祖たる飛騨守氏房の父である。説明書は彼を関兼房の子とし、始めは同じく兼房を襲名し、後に氏房と改めたのは今川氏真から「氏」の一字を賜ったものともいうと記す。若狭守の受領は永禄十三年といい、元亀・天正年間に大いに活躍し、晩年は尾州清須に移居して、ある在銘の刀には「尾州清須住」の居住地銘がある。その典型は大らかで堂々とした末関の刀で、身幅広い鎬造の姿に、肌立った板目に地沸つき流れ肌を交えた地、刃文はのたれあるいは大互の目に美濃の尖り刃を交え、足・葉入り、小沸に砂流し・処々飛焼を交え、帽子は乱れ込んで小丸あるいは尖りごころとなり、棒樋を掻通すものである。説明書はこれを彼の典型作・代表作とし、元亀・天正頃の力強い体配に豪快な乱れ刃を焼いたものとする。もう一つの稀で静かな面は短刀の山城物写しで、流れた小板目に白気を帯びたうつりの立つ地に細直刃を焼き、帽子は静かな小丸となって護摩箸・腰樋を彫る、説明書がこの期の関物によく見られるとし、氏房中の上々作とする手である。

鑑定の決め手

豪快な乱れ刃の刀にはない特徴

作風の変遷

大らかな末関の刀(典型作・代表作)

最もよく知られ、かつ最も多い作は身幅広く堂々とした刀で、説明書が室町末期の関物の典型的且つ代表的な作とし、元亀・天正頃の力強い体配と呼ぶ形である。鎬造・庵棟、概ね身幅広く中鋒あるいは大鋒、延びるものや先反りのつくもの、僅かに磨上げたものもある。肌立ちごころの板目、処々流れて流れ肌となり、鎬地は柾に流れ、地沸つき、時に地景入る。刃文はのたれあるいは大互の目を主調に、美濃の尖り刃を交え、足・葉入り、匂口は締りから沈みごころ、時に明るく、小沸ついて砂流し・処々飛焼・金筋、時に僅かに棟を焼く。帽子は多く乱れ込んで小丸となり、或いは焼が一枚に帽子全体へ及ぶものもあり、尖りごころに掃きかけるものもある。彫物は棒樋を掻通し、ある一口は腰樋を添える。説明書はかかる作を堂々たる姿に地がねよく、焼幅広い大互の目に小のたれの大らかに開いた乱れを焼いた代表作とし、ある一口を元亀・天正頃の力強い体配に豪快な乱れ刃を焼いた典型作とする。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi

稀な山城物写しの直刃短刀(上々作・品のよい手)

より稀で静かな面は短刀の山城物写しである。説明書はこの期の関物にはよく山城物写しがみられるとし、本平造の短刀もその一口と読む。平造・庵棟、寸に比して身幅やや広く、重ねやや厚く、内反りとなる。総体に流れた小板目に、指表は殊に柾気つよく、地沸細かにつき、地に白気を帯びたうつりが立つ。刃文は細直刃、匂勝ちに匂口締まりごころとなって小沸つき、帽子は直ぐに静かな小丸となる。彫物は表に護摩箸、裏に腰樋。説明書はいかにも品よくまとまった氏房中の上々作とし、平生の豪快な乱れ刃の刀とは別の手である。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi
研究

説明書はその系譜と経歴を記す。関兼房の子、始めは兼房を襲名し後に氏房と改め、「氏」は今川氏真から賜ったものともいう。若狭守の受領は永禄十三年、元亀・天正年間に大いに活躍し、晩年は尾州清須に移居した。ある重要刀剣の刀を豪壮な造込で大どかな刃文を焼いた代表作とし、「尾州清須住」と年紀のある作を好資料として貴重とする。

短刀について説明書は山城物写しを読み、この期の関物にはよく山城物写しがみられるとし、いかにも品よくまとまった本作を氏房中の上々作とする。

指定

国宝—
重要文化財—
重要美術品—
御物—
特別重要刀剣—
重要刀剣9

名工ランク

0.07 (指定作品9点)

刀工の上位20%

刀姿

評価作品9点の分布

銘

評価作品9点の銘の種類

販売中

系譜

Ujifusa
弟子(2名)
  1. 1.氏房Ujifusa3 販売中16指定
  2. 2.氏貞Ujisada3 販売中5指定

Seki派

Seki派の他の刀工

  1. 1.金重Kinju2 販売中45指定
  2. 2.氏房Ujifusa3 販売中16指定
  3. 3.金行Kaneyuki10指定
  4. 4.兼之Kanekore7指定
  5. 5.兼法Kanenori1 販売中7指定
  6. 6.永貞Nagasada5 販売中5指定
  7. 7.繁昌Hanjo4指定
  8. 8.兼吉Kaneyoshi4指定
  9. 9.兼伯Kanenori3指定
  10. 10.兼延Kanenobu2 販売中3指定
  11. 11.大道Daido2 販売中3指定
  12. 12.兼宿Kaneie1指定