蜘蛛の巣に勝虫と蝙蝠図縁頭 無銘 -Mumei- 縁金具の縦34.6ミリ 縁金具の高さ11.0ミリ 頭金具の縦29.75ミリ 重さ26.2グラム 江戸後期 The latter period of Edo era 附属 桐箱 赤銅魚子地に蜘蛛の巣と勝虫、蝙蝠を配した風趣あふれる縁頭です。 上質な赤銅を全面に細かな魚子地とし、金色絵によって蜘蛛の巣を繊細な線で描き出すことで、静寂な秋の情景を趣深く表現しています。 頭には赤銅高肉彫による勝虫(蜻蛉)を据え、蜘蛛の巣にかからんとする姿を立体的に表し、縁には二匹の蝙蝠を高肉彫で配して、蜘蛛の巣の周囲を飛び交う様子を簡潔な構成で巧みに描き出しています。勝虫は「退かない虫」として武家に尊ばれた吉祥文様であり、蝙蝠は中国において「福」と同音であることから福を招く瑞祥の象徴として広く親しまれました。これらを蜘蛛の巣と取り合わせることで、静と動を対比させた趣ある意匠となっています。 華美な装飾に頼ることなく、赤銅魚子地の落ち着いた色調と高肉彫による力強い造形、金色絵による繊細な線描を調和させ、江戸後期らしい洒脱な美意識を感じさせる佳品です。惜しまれる点として当て疵が見られますが、小振りな寸法であることから、細身の短刀拵や稚児拵に好適な作品です。













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