「宇治川の先陣」は、『平家物語』に描かれる源平合戦の名場面の一つ。源義経の軍が京都へ向かう途中、増水した宇治川に阻まれ、武士たちは「誰が最初に川を渡るか」という先陣争いを始めます。 このとき競い合ったのが、梶原景季と佐々木高綱。景季は名馬磨墨で勇敢に川へ乗り入れようとし、高綱も名馬・生食(いけづき)で並びます。渡河の直前、高綱は「馬の腹帯が緩んでいる。絞め給え」と景季に声をかけ、これを信じた景季が馬の腹帯を締め直している隙に、高綱が先に川に進み入ってしまいました。 先陣の名誉は高綱のものとなりますが、この場面は、武勇だけでなく、戦場における機転や駆け引きの重要さを伝えるエピソードとして知られています。 この柄前の縁に描かれているのが佐々木高綱。頭に描かれる梶原景季の表情がとても悔しそうで目を引きます。なお、景季の愛馬磨墨は濃州堂のある岐阜県関市の隣、郡上市明宝気良で生まれたと古来より伝えられており、郡上踊り「春駒」の歌詞にも登場します。








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