二世紀半の泰平のあいだ、刀は武器である以上に武士の身分の標章であった。江戸の実証と大坂の華やぎのように都市ごとの作風が育ち、時代の末には需要も細っていく。
日本刀 刀:中山義通(保存刀剣鑑定書付属) 【解説】 本作は、天保頃(1830-1844年:江戸時代後期)に上野国(現在の群馬県)で活躍した中山義通の作と鑑せられる一振りです。義通は、幕末期を代表する異色の名工として知られる一貫斎義弘(本名:鈴木善吉)の養子です。 養父である一貫斎義弘は駿河国中山に生まれ、伊豆韮山代官・江川太郎左衛門の御抱え鍛冶となりました。後に水戸へ移り、越中則重の末流である四代則利に師事して作刀技術を学びます。義弘は相州伝の名工・郷義弘に私淑し、相州伝の真髄である「肌もの(地鉄の模様が鮮明に現れた作風)」の再現に心血を注ぎました。その卓越した技術による相州伝の作風は、当時から非常に高い評価を得ていました。 義弘は天保4年から5年頃にかけて前橋藩松平家に仕え、必要に応じて江戸へも赴きました。慶応元年(1865年)7月12日、64歳で没し、前橋の相承庵に葬られています。その卓越した技量は、義通をはじめとする門流へと受け継がれました。 中山義通は父・義弘より鍛刀術を継承し、父と同じく「一貫斎」を号しました。後年には相模国でも作刀したと伝えられています。 本刀は、公益財団法人 日本美術刀剣保存協会(NBTHK)により「保存刀剣」に鑑定された真作です。保存状態が良く、美術品として価値の高い一振りであることを証明しています。 ※刀身に僅かな引掻き傷(ヒケ)と、棟に鍛え傷が見受けられます。詳細なコンディションについては、お気軽にお問い合わせください。 【刀身】 長さ(Nagasa):67.9 cm 反り(Sori):2.1 cm 刃文(Hamon):焼入れによって刃先に現れる結晶構造。 地肌(Jihada):折り返し鍛錬によって現れる地鉄の模様。 切先(Kissaki):刀身の先端部分。 茎(Nakago):柄に収まる中心(なかご)部分。 日本の刀工は、赤錆を防ぐために茎に黒錆を残しました。この錆色は経年によって生じるもので、専門家が製作年代を推定する際の重要な指標となります。 【外装】 拵(Koshirae):鞘、柄、鍔などからなる刀装。 縁頭(Fuchi-Kashira):柄の両端を保護し装飾する一対の金具。 縁(ふち)には菊文様が施されています。古来、中国で菊は長寿の薬草とされ、奈良時代に日本へ伝わりました。秋を象徴する花として親しまれ、放射状に広がる花弁が太陽に見立てられることから、不老長寿や無病息災の象徴として尊ばれてきました。また「菊の御紋」は皇室の紋章としても広く知られています。


























上野 · 1830-1844頃
現在1点販売中
江戸時代
二世紀半の泰平のあいだ、刀は武器である以上に武士の身分の標章であった。江戸の実証と大坂の華やぎのように都市ごとの作風が育ち、時代の末には需要も細っていく。
銘が正しい、または無銘でも年代・国・系統を確実に指摘できる、保存に値する真正の作と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイトReturns/exchanges limited to defects caused by shipping (except willful misconduct or gross negligence by the company); customers must contact within 72 hours of receiving the product.