日本刀 刀 宇多(日本美術刀剣保存協会 保存刀剣鑑定書付) 【解説】 概要 本作は、日本美術刀剣保存協会(日美振・NBTHK)により「宇多」と極められた一振りです。鑑定書に詳細な製作時期の記載はありませんが、概ね室町時代初期から中期(1394年〜1491年頃)にかけての作と推測されます。 宇多派は、南北朝時代から室町時代中期にかけて栄えた名門の刀工集団です。鎌倉時代末期、大和国宇多郡(現在の奈良県)から越中国(現在の富山県)へ移住した国光を始祖とし、その門下である国房や国宗らによって発展しました。南北朝から室町時代という戦乱の世において、宇多派の刀剣はその高い実用性から武士の間で絶大な需要を誇り、北陸地方を代表する最大の派閥となりました。 特に南北朝から室町時代にかけては、南北朝の動乱や度重なる合戦の影響により、実戦に即した頑強な造りや長大な太刀が好まれました。宇多派の作品は、鎌倉末期から南北朝期までのものを「古宇多」、それ以降の室町期のものを「宇多」と大別しており、本作は後者の時代区分に属します。 本刀は、日本美術刀剣保存協会(NBTHK)より「保存刀剣」に認定されています。この鑑定書は、美術品として価値が高く、保存状態が良好な真作の日本刀に対してのみ発行されるものです。 ※刀身には一部、鍛え傷や錆が見受けられます。詳細なコンディションについては、お気軽にお問い合わせください。 【刀身】 長さ(Nagasa):74.3 cm 反り(Sori):2.3 cm 刃文(Hamon):焼入れによって刃先に現れる結晶構造。 地鉄(Jihada):折り返し鍛錬によって現れる鋼の表面模様。 切先(Kissaki):刀身の先端部分。 茎(Nakago):柄に収まる持ち手部分。 日本刀の茎には、赤錆を防ぐために意図的に「黒錆」が残されています。この茎の経年変化(錆色)は、専門家が製作年代を推定する上での重要な指標となります。 【外装】 拵(Koshirae):鞘、柄、鐔などを含めた日本刀の外装一式。 縁頭(Fuchi-Kashira):柄の両端に取り付けられる一対の金具。 本作の縁頭には「鯉と波」の意匠が施されています。これは、黄河の急流にある「竜門」という滝を多くの魚が登ろうと試み、唯一登り切った鯉だけが龍となって天に昇ったという登龍門の故事に由来します。「鯉の滝登り」は立身出世の象徴であり、武家が子息の健やかな成長と栄転を願い、好んで用いた吉祥文様です。 柄・目貫(Tsuka / Menuki):柄は刀の持ち手部分、目貫は柄に施された装飾金具。 鐔・鎺(Tsuba / Habaki):鐔は拳を守る護法具、鎺は刀身を鞘の中に固定し、刀身が鞘の内側に触れて錆びたり欠けたりするのを防ぐ金具です。 本装飾の鐔には、菊の花を象った「菊透かし」の意匠が施されています。

























Wakimono · 越中
現在36点販売中
宇多派は、鎌倉時代末期の文保年間(一三一七~一三一九)頃、大和国宇陀郡から越中国に移住した古入道国光を祖とする刀工集団である。国光の子と伝える国房を筆頭に、南北朝時代には国宗、国次、国光と同名が相継いで活躍し、室町時代末期まで栄えた。このうち、南北朝時代を下らぬ作品を特に「古宇多」と汎称している。元来大和国宇陀郡の出身であることから、自然に大和気質の強い作風が多くみられるが、同時に越中の先達である則重や江に倣ったとみられる相州伝風の作品も存在する。 古宇多の作風は、板目に杢目や流れ肌を交え、肌立ちごころとなり、地沸が厚くつき、地景が頻りに入る鍛えに、地鉄が黒みをおび、処々肌目が粕立つ点に北国気質が顕著に表れている。刃文は直刃調に浅く小のたれ、小互の目や小乱れを交え、匂深く沸がよくつき、刃縁がほつれて、金筋や砂流しが頻りにかかり、匂口が沈みごころとなる特色を示す。帽子は小丸に返り、頻りに掃きかけて焼き詰めごころとなるものが多い。一見すると相州上工の作を想わせる覇気に満ちた出来口であるが、黒みをおびた地鉄には北国物特有の肌合いの特色が看て取れ、また刃縁がほつれて砂流しが激しくかかる点に古宇多と鑑すべき要素がある。処々に荒めの沸が交じり、湯走りや打のけ、二重刃風の働きを交えるものもあり、地刃ともに変化に富む。 南北朝時代の典型的な姿を呈し、身幅広く重ね厚く、反りやや深く、中鋒延びごころまたは大鋒となる豪壮な体配のものが多い。地刃ともに健全で、覇気に満ちた出来口を示す作品が多く、同派極めの中でも優品とされるものが数多く残されている。越後中条家伝来の黒漆革巻太刀拵のように、南北朝時代を下らぬ貴重な太刀拵が完存する例も知られている。鎌倉末期から南北朝期にかけての越中における刀工集団として、大和気質と相州伝風を融合させた独自の作風を確立し、後世に大きな影響を与えた。
銘が正しい、または無銘でも年代・国・系統を確実に指摘できる、保存に値する真正の作と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイトReturns/exchanges limited to defects caused by shipping (except willful misconduct or gross negligence by the company); customers must contact within 72 hours of receiving the product.
日本刀 刀 宇多(日本美術刀剣保存協会 保存刀剣鑑定書付) 【解説】 概要 本作は、日本美術刀剣保存協会(日美振・NBTHK)により「宇多」と極められた一振りです。鑑定書に詳細な製作時期の記載はありませんが、概ね室町時代初期から中期(1394年〜1491年頃)にかけての作と推測されます。 宇多派は、南北朝時代から室町時代中期にかけて栄えた名門の刀工集団です。鎌倉時代末期、大和国宇多郡(現在の奈良県)から越中国(現在の富山県)へ移住した国光を始祖とし、その門下である国房や国宗らによって発展しました。南北朝から室町時代という戦乱の世において、宇多派の刀剣はその高い実用性から武士の間で絶大な需要を誇り、北陸地方を代表する最大の派閥となりました。 特に南北朝から室町時代にかけては、南北朝の動乱や度重なる合戦の影響により、実戦に即した頑強な造りや長大な太刀が好まれました。宇多派の作品は、鎌倉末期から南北朝期までのものを「古宇多」、それ以降の室町期のものを「宇多」と大別しており、本作は後者の時代区分に属します。 本刀は、日本美術刀剣保存協会(NBTHK)より「保存刀剣」に認定されています。この鑑定書は、美術品として価値が高く、保存状態が良好な真作の日本刀に対してのみ発行されるものです。 ※刀身には一部、鍛え傷や錆が見受けられます。詳細なコンディションについては、お気軽にお問い合わせください。 【刀身】 長さ(Nagasa):74.3 cm 反り(Sori):2.3 cm 刃文(Hamon):焼入れによって刃先に現れる結晶構造。 地鉄(Jihada):折り返し鍛錬によって現れる鋼の表面模様。 切先(Kissaki):刀身の先端部分。 茎(Nakago):柄に収まる持ち手部分。 日本刀の茎には、赤錆を防ぐために意図的に「黒錆」が残されています。この茎の経年変化(錆色)は、専門家が製作年代を推定する上での重要な指標となります。 【外装】 拵(Koshirae):鞘、柄、鐔などを含めた日本刀の外装一式。 縁頭(Fuchi-Kashira):柄の両端に取り付けられる一対の金具。 本作の縁頭には「鯉と波」の意匠が施されています。これは、黄河の急流にある「竜門」という滝を多くの魚が登ろうと試み、唯一登り切った鯉だけが龍となって天に昇ったという登龍門の故事に由来します。「鯉の滝登り」は立身出世の象徴であり、武家が子息の健やかな成長と栄転を願い、好んで用いた吉祥文様です。 柄・目貫(Tsuka / Menuki):柄は刀の持ち手部分、目貫は柄に施された装飾金具。 鐔・鎺(Tsuba / Habaki):鐔は拳を守る護法具、鎺は刀身を鞘の中に固定し、刀身が鞘の内側に触れて錆びたり欠けたりするのを防ぐ金具です。 本装飾の鐔には、菊の花を象った「菊透かし」の意匠が施されています。

























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宇多派は、鎌倉時代末期の文保年間(一三一七~一三一九)頃、大和国宇陀郡から越中国に移住した古入道国光を祖とする刀工集団である。国光の子と伝える国房を筆頭に、南北朝時代には国宗、国次、国光と同名が相継いで活躍し、室町時代末期まで栄えた。このうち、南北朝時代を下らぬ作品を特に「古宇多」と汎称している。元来大和国宇陀郡の出身であることから、自然に大和気質の強い作風が多くみられるが、同時に越中の先達である則重や江に倣ったとみられる相州伝風の作品も存在する。 古宇多の作風は、板目に杢目や流れ肌を交え、肌立ちごころとなり、地沸が厚くつき、地景が頻りに入る鍛えに、地鉄が黒みをおび、処々肌目が粕立つ点に北国気質が顕著に表れている。刃文は直刃調に浅く小のたれ、小互の目や小乱れを交え、匂深く沸がよくつき、刃縁がほつれて、金筋や砂流しが頻りにかかり、匂口が沈みごころとなる特色を示す。帽子は小丸に返り、頻りに掃きかけて焼き詰めごころとなるものが多い。一見すると相州上工の作を想わせる覇気に満ちた出来口であるが、黒みをおびた地鉄には北国物特有の肌合いの特色が看て取れ、また刃縁がほつれて砂流しが激しくかかる点に古宇多と鑑すべき要素がある。処々に荒めの沸が交じり、湯走りや打のけ、二重刃風の働きを交えるものもあり、地刃ともに変化に富む。 南北朝時代の典型的な姿を呈し、身幅広く重ね厚く、反りやや深く、中鋒延びごころまたは大鋒となる豪壮な体配のものが多い。地刃ともに健全で、覇気に満ちた出来口を示す作品が多く、同派極めの中でも優品とされるものが数多く残されている。越後中条家伝来の黒漆革巻太刀拵のように、南北朝時代を下らぬ貴重な太刀拵が完存する例も知られている。鎌倉末期から南北朝期にかけての越中における刀工集団として、大和気質と相州伝風を融合させた独自の作風を確立し、後世に大きな影響を与えた。
銘が正しい、または無銘でも年代・国・系統を確実に指摘できる、保存に値する真正の作と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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