説明

目貫:粟図 銘:無銘 流派:古後藤 素材:赤銅地 金色絵 時代:桃山時代 寸法(左):36.1mm x 12.7mm 寸法(右):35.6mm x 13.1mm 桐箱入 鑑定:日本美術刀剣保存協会 保存刀装具(2021年)「粟図 古後藤」 価格:150,000円 / $1050 / €950 「古後藤」とは、後藤家宗家(四郎兵衛家)の上三代を指す呼称です。本作は、桃山時代に活躍した初代祐乗、二代宗乗、あるいは三代乗真のいずれかの手によるものと推測される名品です。 経年により金の色絵が僅かに擦れ、下地の赤銅が覗く様子には、時代を経たものならではの風格が漂います。これは決して欠点ではなく、むしろ日本特有の美意識に叶う「景色」と言えるでしょう。実際に柄に装着され、大切に使い込まれてきた歴史を物語っています。また、この「粟図」という題材そのものも、後藤家の作風を顕著に示す特徴の一つです。

Ko-Goto “Millet”

Ko-Goto “Millet”

目貫

€950

世界81社の刀剣商を横断追跡 · 価格履歴 · 売却アーカイブ

流派について

Ko-Goto School古後藤派

36 重要刀剣

古後藤とは、室町時代の初代祐乗から桃山時代の五代徳乗に至るまでの後藤家作品のうち、個々の作者名を特定し得ないものを指す呼称である。後藤家は室町幕府御用を務めた金工の名家であり、祐乗以来、代々幕府の刀装具制作を独占した。古後藤の作品群は、後藤家確立期の様式的特徴を色濃く残しながらも、祐乗や宗乗、乗真といった歴代当主の個人様式とは微妙に異なる点を有するため、この呼称で区別される。古い時代における笄と目貫の揃いものや二所物は極めて少なく、古後藤極めの完存品は後藤家初期における制作実態を示す貴重な史料となっている。 技法的には赤銅魚子地を基調とし、高肉彫で意匠を豪快に立体的に表現する点に特色がある。金袋着色絵や金銀露象嵌、金うっとり色絵といった加飾技法を用いるが、後代の繊細な作風とは異なり、肉取が豊かで力強く、骨太な構成力を見せる。意匠は瓜、枇杷、柊、菊、鞭、馬具、双羊、韋駄天、瓢鮎図など多岐にわたり、文様風のものから絵画的表現まで幅広い。特に柊図や鯰図など厄除けや禅機画に由来する題材が目立ち、武家社会における象徴性と精神性を反映している。赤銅の漆黒の地色と金の色絵が時代を経て適度に剥落し、古色と雅味を湛えた独特の風情を生み出している。 古後藤の作品は、三代乗真の作風に近似するものが多いとされるが、耳掻きの首の立ち上がりや蕨手の処理、彫技の細部において微妙な差異が認められる。大振りで堂々とした姿や肉置の厚さは、主に室町期の打刀につけられた笄の特色であり、時代様式を如実に示している。保存状態の良好なものは、後藤家草創期における高い品格と確かな技術水準を今日に伝えており、後藤家が幕府御用として確立した様式の原点を知る上で欠くことのできない作品群である。竿の先が切られていない完全な形状を保つ笄は特に貴重とされ、後藤家伝来の掟物としての格式と伝統を窺わせる。

刀剣商

Nihon Collection

nihoncollection.com