江戸は刀の目利きの時代である。本阿弥の鑑定、1719年の享保名物帳、盛んな刀剣書が、戦で抜かれることのなくなった刀を学問の対象へと変えていった。
日本刀 刀 銘 常陸守宗重(NBTHK 特別保存刀剣鑑定書付) 【解説】 本作は江戸時代初期(約350年前)、常陸守宗重(ひたちのかみ むねしげ)によって作刀された一振りです。宗重は元々播磨国(現在の兵庫県)の出身ですが、江戸初期の寛文年間に大阪へと移り住み、作刀に励みました。彼の師は、大阪の江戸初期を代表する名工の一人である初代・津田助広です。 助広の評価は、江戸時代のもう一人の巨匠である虎徹に比肩すると言われています。宗重の技術は極めて高く、師である助広の代作(師匠に代わって刀を打つこと)も務めたと伝えられています。 宗重はその卓越した技量が認められ、「常陸守」の受領銘を授かりました。「守」の官位は、朝廷から優れた技術を持つ刀工にのみ与えられる名誉ある称号であり、限られた名工のみがこれを名乗ることを許されました。 宗重の手による刀は「大坂新刀」に分類されます。「新刀」とは慶長から天明年間(1596-1781年)に作られた刀の総称ですが、その中でも特に大坂で打たれたものは大坂新刀と呼ばれます。豊臣秀吉による大坂城築城後、大坂は城下町として、また商業の中心地として大いに繁栄しました。そのため、多くの刀工がより良い機会を求めて大坂へ集まり、大坂の武士のみならず全国の諸大名のために刀を打ちました。井上真改、津田助広、そして一竿子忠綱(粟田口近江守忠綱)などは、その代表格として知られています。 【鑑定】 本刀は、公益財団法人 日本美術刀剣保存協会(NBTHK)より「特別保存刀剣」に指定されています。この鑑定書は、保存状態が極めて良く、かつ美術的価値の高い真作の日本刀に対してのみ発行されるものです。 ※刀身に数箇所、鍛え傷(きたえきず)がございます。詳細なコンディションについては、お気軽にお問い合わせください。 【刀身】 長さ(長狭):67.6 cm 反り:1.2 cm 刃文:焼入れによって刃先に現れる結晶構造 地文(地肌):折り返し鍛錬によって現れる鋼の表面模様 切先:刀身の先端部分 茎(なかご):刀身の柄に収まる部分 日本刀の茎には、柄の中での赤錆を防ぐために意図的に黒錆を残します。この茎の錆色は年月を経て形成されるものであり、専門家が作刀年代を推定する際の重要な指標となります。 【拵】 拵(こしらえ):日本刀の外装一式。鞘、柄、鍔などの諸部品で構成されます。 縁頭(ふちがしら):柄の両端を保護する一対の金具 本品の縁頭には藤唐草文様が施されており、外装全体に視覚的な統一感を与えています。 柄・目貫(めぬき):柄は刀の持ち手部分、目貫はその装飾金具 目貫の意匠は「牡丹」です。牡丹は幸福、富貴、高貴、そして優雅さの象徴です。日本では古来より、繁栄や豊作を象徴する瑞祥文様として親しまれてきました。「牡丹」の「丹」の字は、元来は仙人が不老長寿の薬として用いた「丹砂」を指すとされ、そこから永遠の生命力や洗練された美しさを象徴するようになりました。 鍔・鎺(はばき):鍔は手を守るための護拳、鎺は刀身を鞘の中に固定し、刀身が鞘の内側に直接触れるのを防ぐ金具 これらは刀身の錆や欠けを防ぐ重要な役割を果たします。 本品の鍔の意匠は、
取扱店 サムライミュージアム






























摂津 · 1661-1673頃
藤代 中上作 · 刀剣大鑑 上位76%
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江戸時代
江戸は刀の目利きの時代である。本阿弥の鑑定、1719年の享保名物帳、盛んな刀剣書が、戦で抜かれることのなくなった刀を学問の対象へと変えていった。
保存刀剣のうち、出来が一層優れ、保存状態も良好と認められたものです。再刃や、室町・江戸期の多くの無銘作は対象外となり、保存刀剣より高い基準が課されます。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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