NihontoWatch MonNihontoWatchBETA
MarketEncyclopedia
NihontoWatch Mon

NihontoWatchBETA

マーケット
事典
概要·鑑定·指定·伝来·刀姿·銘·系譜·流派
概要鑑定指定伝来刀姿銘系譜流派
  1. 流派
  2. 青江
  3. 中青江
  4. 吉次

Aoe Yoshitsugu

吉次

特重
巻 15, 番 26 · 刀

Aoe Yoshitsugu

吉次

評価作品17点

国備中時代Kareki (1326–1329)時代区分鎌倉流派Aoe伝法備前伝藤代Jo-jo saku刀工大鑑1,000(上位8%)種別刀工コードYOS888
1重要文化財
3重要美術品
1御物
2特別重要刀剣10重要刀剣

概要

吉次は備中国青江派の刀工で、鎌倉時代末期より南北朝時代初期にかけて活躍した。備中は十一世紀初頭の『新猿楽記』が既に「備中ノ刀」を挙げる刀剣の国であり、青江派は高梁川下流域を中心に栄え、鎌倉中期頃までを古青江、それ以降南北朝期にかけてを青江と汎称する。諸記録は「助次・頼次・直次らと共にこの時代の同派を代表する刀工の一人」と繰り返し記し、古い記録は端的に「中青江の代表工」と呼ぶ。年紀は嘉暦・元徳が遺り、元徳二年紀の生ぶ太刀の記録は「元徳の年号は貴重である」とする。長銘は右衛門尉に平姓を冠し、居住地は「備中国青江住」と「備州万寿住」の両様に切られ、「居住地銘の相違が指摘される」。

作風の基調は、この期の青江の直刃の最も穏やかな姿である。嘉暦三年紀の小太刀は「直刃を得意とする吉次の本領が遺憾なく発揮された一口」と評される。中直刃が処々浅く小さくのたれ、小互の目・小丁子・小乱れを交え、小足・葉に逆足が入るが、逆ごころは部分的に留まる。匂口は締まりごころに小沸がつき、明るく冴え、金筋・砂流しが細かにかかり、腰元に湯走りが断続して二重刃風となる。短刀は細直刃にほつれを交え、刃区を焼き込む点が注目され、左兵衛尉直次の元徳元年紀の短刀にも「同様の態が見受けられ興味深い」とされる。嘉暦三年紀の短刀は「静穏な直刃出来の焼刃は、小沸がよくついて、滋味に溢れている」と記される。

鍛えは小板目がよくつみ、小杢・流れ肌を交え、地沸が微塵に厚くつき、地景が細かに入る。地斑がしばしば現われて澄肌を交え、金象嵌銘の刀は「縮緬肌状」を呈し、元徳年紀の太刀は地斑交じりの鍛えが「かな色深く冴える」。淡く乱れ映りが立ち、小品では「棟寄りに乱れ映り・刃寄りに筋状の映り立ち」、所謂段映りとなる。帽子は直ぐに小丸、時に先尖りごころ、または僅かに掃きかける。二字銘短刀の映りの景色と締まって明るい直刃の匂口は「いかにも青江らしく」と評される。

「吉次の短刀の遺例は稀有であり、同工の作域を知る上で資料的にも貴重である」とされ、小太刀も「同派には珍しい小太刀の作例」である。佩裏に二字銘を切る太刀は「長銘作よりは時代が遡ると鑑られる」。名跡の端には世代の問題が立つ。重要美術品の記録は尾張徳川家伝来の折返銘の刀を銘鑑の貞和頃の吉次に該当するとし、嘉暦短刀の工をその「先代であろう」と記す。本間は「青江の個銘の極めは賛否があろう」と注意を添え、指定の記録は穏やかな直刃の短刀が「南北朝期の同派の作とは趣きを異にしている」と作風の上で線を引く。

いま一つの作域は大磨上無銘の極めの刀である。鍋島家の金象嵌銘の刀は「地刃の出来は鎌倉末期の青江派の典型的のもの」とされ、享保九年本阿弥光忠折紙の附帯する無銘刀は両度の記録で「吉次極めの中でも傑出した出来映え」、「手持ちの重い頑健な刀姿」と賞される。極めには率直な留保も残る。内藤家伝来の刀は「一見備前元重などとも鑑せられるもので、吉次と断定することは困難である」とされつつ、鎌倉末期の青江の作と位置づけられる。一派の中で吉次の直刃は最も静かな極にあり、右衛門尉平の銘字は直次の左兵衛尉と対をなす。

藤代の格付は上々作。公の指定は十七口を数え、特別重要刀剣二口・重要刀剣十口の計十二口がこの二つの級にあり、重要美術品三口、重要文化財は藤島神社所蔵の在銘の一口、ほかに皇室・毛利家の伝来を有して京都国立博物館に納まる在銘の一口がある。十七口のうち十一口が在銘、五口が無銘の極めで、鍋島家の刀は金象嵌の極め銘を帯びる。伝来は名家を経る。金象嵌銘の刀は肥前小城鍋島家に伝わり、『土屋押形』に「原城一番乗りのとき祖先の佩刀」と記される島原の乱の藩祖元茂の佩刀であり、村上内藤家の刀は「太閤拝領青江吉次」と伝えて天正十八年小田原陣の拝領にかかる。折返銘の刀は尾張徳川家より徳川黎明会に現存し、嘉暦の重美短刀は佐野美術館の所蔵である。重要文化財と社寺・博物館の所蔵品は文化財として永く守られ、蒐集家が現実に出会い得るのは特重・重要の十二口に限られるが、市に現れることは稀であり、現れた折には青江の静かな直刃の佳品として指標となる。

鑑定

嘉暦・元徳頃の中青江の直刃一様の作域。在銘・年紀の中核(長銘の太刀と遺例稀有の短刀・小太刀)と、(伝)青江吉次極めの大磨上無銘刀の二つの作域に分かれ、重美の記録が貞和頃の二代と読む豪壮な南北朝姿の作がその端に立つ

吉次は鎌倉時代末期より南北朝時代初期にかけて活躍し、助次・頼次・直次らと共にこの時代の青江派を代表する刀工の一人と諸記録に繰り返し記される。年紀は嘉暦・元徳が遺り、長銘は右衛門尉平吉次を冠し、居住地銘は「備中国青江住」と「備州万寿住」の両様が見られる。作風はこの期の中直刃の最も穏やかな姿で、匂口が締まって明るく冴え、小沸がつき、小互の目・小丁子・小乱れを交え、逆ごころは処々に留まる。鍛えは小板目がよくつんで細かく肌立ち、地沸が微塵に厚くつき、地斑・澄肌を交え、淡く乱れ映りが立ち、小品では段映りを呈する。短刀は遺例稀有で、細身・内反りに細直刃を焼き、刃区を焼き込む。記録は直刃を得意とする工と明記する。

鑑定の決め手

直刃基調は一派の掟ながら、吉次のそれは最も穏やかで、青江の刃を特徴づける逆ごころは自作の24%に留まる(直次71%、次直52%)

作品の41% ・ 直次(青江)比 2.3倍

作品の53% ・ 次直(青江)比 1.8倍

銘の作域。しばしば長銘に切り、右衛門尉に平姓を冠し、嘉暦・元徳の年紀を添える。居住地銘は「備中国青江住」と「備州万寿住」の両様があり、記録はその相違を特に指摘する。一派の中では直次の左兵衛尉と対をなす

作風の変遷

典型(匂口の締まった明るい中直刃、鎌倉末期〜南北朝初期)

太刀は細身で反り高く腰反りのつく姿から尋常の身幅に亙り、佩裏に切る二字銘の太刀は長銘作より時代が遡ると鑑られる。極めの大磨上の刀は反り深く平肉豊かに、手持ちの重い頑健な姿を保つ。短刀・小太刀は同派に珍しい遺例で、短刀は細身・内反りに重ねが目立って厚い。鍛えは小板目がよくつみ、杢・流れ肌を交えて処々細かく肌立ち、地沸が微塵に厚くつき、地景が細かに入り、地斑・澄肌を交え、金象嵌銘の刀は縮緬肌状を呈し、淡く乱れ映りが立ち、小品では棟寄りと刃寄りに分かれる所謂段映りとなる。刃文は中直刃を基調に処々浅くのたれ、小互の目・小丁子・小乱れを交え、小足・逆足・葉が入って逆ごころは処々に留まり、匂口が締まって小沸がつき、明るく冴え、金筋・砂流しが細かにかかり、処々湯走り・二重刃ごころとなる。短刀は細直刃にほつれがかかり、刃区を焼き込む。帽子は直ぐに小丸、時に先尖りごころ、または僅かに掃きかける。彫物は棒樋、短刀には梵字・三鈷柄剣・護摩箸、小太刀には二筋樋を丸止めとする。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi
大磨上無銘・(伝)青江吉次極めの刀— (伝)青江吉次と極められた大磨上無銘の刀。享保九年本阿弥光忠折紙のもの、金象嵌銘のものがあり、身幅広く反り深く平肉豊かに、中直刃に小模様を交えて淡く乱れ映りが立つ
在銘・年紀の中核(嘉暦・元徳)— 右衛門尉平吉次を冠した長銘に嘉暦・元徳の年紀。居住地銘は「備中国青江住」と「備州万寿住」の両様。二字銘は短刀と、佩裏に切る一口の古調の太刀に見られる

豪壮な南北朝姿の作域(貞和頃の二代と読まれる)

確証はやや弱い

名跡の端に豪壮な南北朝姿の作が立つ。折返銘の刀は重美の記録が銘鑑の貞和(一三四五〜五〇)頃の吉次に該当するとし、身幅広く中切先で、刃文は互の目出来にやや小沸づいた小乱を交え砂流しがかかる。無銘の伝吉次の刀は身幅広く大切先の豪壮な姿に、直刃に足が入り、地に地斑が現われる。嘉暦短刀の重美の記録はその工を折返銘の刀の工の先代であろうと明記しており、この作域は後代と読まれる。位置づけはその記述に拠る。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
研究

「助次・頼次・直次らと共に、この時代の同派を代表する刀工の一人である」が諸記録の定型の評である。

古い記録は「嘉暦年紀の中青江の吉次」と呼び、「中青江の代表工」と記す。

「この吉次はしばしば長銘に切ったものがあり、元徳・嘉暦の年紀がある」とされ、在銘の基準作として東博の元徳弐年五月日年紀の太刀と日枝神社の刀銘の一口(共に重要文化財)が挙げられ、前者は青江住、後者は万寿住と切る。

重美の記録は名跡を二代に読み、佐野美術館所蔵の嘉暦短刀の工を折返銘の刀の工(銘鑑に貞和頃)の「先代であろう」とする。本間は「青江の個銘の極めは賛否があろう」と注意を添える。

「吉次の短刀の遺例は稀有であり、同工の作域を知る上で資料的にも貴重である」とされ、小太刀も「同派には珍しい小太刀の作例」と記される。佩裏に二字銘を切る太刀は「長銘作よりは時代が遡ると鑑られる」。

短刀の刃区の焼き込みが特に注目され、「同工の嘉暦年紀の短刀や、左兵衛尉直次の元徳元年紀の短刀にも同様の態が見受けられ興味深い」と記される、同世代共通の所作である。

指定

国宝—
重要文化財1
重要美術品3
御物1
特別重要刀剣2
重要刀剣10

名工ランク

0.45 (指定作品17点)

刀工の上位6%

伝来

伝来記録8件 の鑑定作品における Yoshitsugu

伝来ランク

名家所蔵5点、伝来記録8件

刀工の上位18%

素点:2.13 / 10

刀姿

評価作品17点の分布

銘

評価作品17点の銘の種類

販売中

系譜

Yoshitsugu
弟子(3名)
  1. 1.親次Chikatsugu1指定
  2. 2.盛次Moritsugu1 販売中1指定
  3. 3.吉次Yoshitsugu

Aoe派

Aoe派の他の刀工

  1. 1.次直Tsugunao27指定
  2. 2.康次Yasutsugu11指定
  3. 3.直次Naotsugu15指定
  4. 4.恒次Tsunetsugu13指定
  5. 5.包次Kanetsugu9指定
  6. 6.助次Suketsugu15指定
  7. 7.守次Moritsugu9指定
  8. 8.正恒Masatsune16指定
  9. 9.爲次Tametsugu6指定
  10. 10.俊次Toshitsugu6指定
  11. 11.守利Moritoshi9指定
  12. 12.次吉Tsuguyoshi16指定