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概要·鑑定·年紀作·指定·刀姿·銘·系譜·流派
概要鑑定年紀作指定刀姿銘系譜流派
  1. 流派
  2. 青江
  3. 中青江
  4. 直次

直次

Chu-Aoe Naotsugu

特重
巻 6, 番 41 · 刀

直次

Chu-Aoe Naotsugu

評価作品5点

国備中時代Shoo (1288–1293)時代区分鎌倉流派青江>中青江伝法備前伝代1st藤代Jo saku刀工大鑑1,600(上位3%)種別刀工コードNAO194
2特別重要刀剣3重要刀剣

概要

元徳元年十二月、備中の直次は小振りの平造短刀に「備中州住左兵衛尉直次」と銘し、裏に年紀を切った。本阿弥ならぬ鑑定の場で、NBTHKはこれを「同工の高い技術を明示した佳品」と評する。直次は高梁川下流域に鍛えた備中青江派の刀工で、諸記録は同派を鎌倉中期頃までの古青江と、それ以降南北朝期にかけての青江とに大別する。銘鑑はその活躍期を嘉暦頃とし、左衛門尉・左兵衛尉を名乗り、吉次らと共に鎌倉末期から南北朝初期にかけて同派を代表する刀工の一人に数えられる。作風はこの期の青江派の刀工らしく、直刃を基調としたものが多い。

その見どころは、丁子の華やかさではなく締まった中直刃にある。匂口が締まって明るく冴え、小互の目・角がかった互の目を交え、いわゆる末青江の特色とされる逆足が刃区へ向けて入る。身幅の広い刀では中直刃に匂口締まり、逆足・小足・葉が入って匂口が冴え、帽子はつき上げごころに先尖って返る。北口家の刀について判者は「全てに同工、同派の特色が示されている」と記す。

地鉄は備中の地が存分に出る。小板目に杢を交えて所謂縮緬肌となり、地斑が交じり、一派の証である澄肌が交じる。短刀では小板目がよくつんで地沸が微塵に厚くつき、淡く乱れ映りが立ち、無銘刀では板目が肌立って澄肌を交え、荒目の沸がつく。元徳の短刀は刃区を焼き込み、「焼刃の匂口がしまって明るく冴えわたっている」点が特筆される。帽子は直ぐないし浅くのたれて小丸に、または先尖って返る。

遺例は体配により二つの作域に分かれる。在銘年紀の作が資料の中核で、左兵衛尉を冠した元徳元年の短刀は生ぶ茎に細鏨の長銘を切り、身幅広い刀は「備中国住人直次作」と銘して、磨上げられても折返銘に長銘を残す。諸記録は「左兵衛尉を冠する銘文のものは稀有」とし、それらに元徳・正慶・建武の年紀が遺ると記す。いま一つは極めの磨上太刀で、大磨上無銘または茎尻に国名の一部を残すのみ、尋常な中直刃に僅かに逆がかる小足を末青江の特色とよく読む。銘鑑は初二代を読み、二代を暦応〜延文とするが、判者はその説を引きつつ遺品の分割を強いない。

一派の中で同工を分かつものは、借りた比較ではなく自作の上に記される。諸記録は「直次をはじめとする鎌倉時代末期の青江派の特色がよくあらわれた」一口を挙げ、また「鎌倉末期の直刃の青江物の典型」とし、小丸の帽子と大筋違の鑢を同派の見どころとする。逆足を交えた穏やかな中直刃は、匂出来の直刃と逆丁子乱れを見せる同派の南北朝最盛期の直前に立ち、その標準作はまさに末青江の作風である。無銘の極めの刀について判者は「地がねはよく、出来もよい」とし、太刀姿と作風から時代にも極めにも無理がないとする。新潟の短刀では「銘字も典型的で、大筋違の鑢目も掟通り」と評される。

遺る記録は小さく、その殆どが指定の域にある。指定を受けた作は五口で、内二口が特別重要、三口が重要、藤代は上作とする。「地刃が極めて健全」な北口家の刀、「この頃の青江派の作風をよくあらわしたもので健全で出来が優れてい」る特別重要の刀と、出来のよさが繰り返し記される。国宝・重要文化財はなく、大名家の伝来も記録されないが、収集家が現に接し得るのは特別重要・重要のいずれか、即ち鎌倉末期の青江の作風を余さず示す在銘年紀の短刀か、折返銘になお工名を残す磨上の刀である。世に出るのは時折にすぎず、生ぶ在銘の作は、諸記録自らが資料的価値の高いものとして扱う類のものである。

鑑定

鎌倉末期から南北朝初期の青江世代の一様の直刃の作域を、二つの体配の作域で見る。身幅の広い刀・太刀では縮緬肌・地斑が出て中直刃に逆足を見せ、平造内反りの短刀では小板目がよくつんで澄肌・乱れ映りを交え、明るく締まった匂口を刃区まで焼き込む

直次は備中青江派の刀工で、諸記録に吉次らと共に鎌倉時代末期より南北朝初期にかけての同派を代表する刀工の一人とされ、銘鑑はその活躍期を嘉暦頃とする。経眼する年紀は元徳が古く、正慶・建武に亙り、元徳・建武の作には左兵衛尉を冠する。作風はこの期の青江派らしく直刃を基調とし、中直刃・直刃調の匂口が締まって明るく冴え、小互の目・逆足が入り、鍛えは小板目に杢を交えてよくつみ、所謂縮緬肌となり、地斑・澄肌を交えて淡く映りが立つ。帽子は浅く先尖りごころに返り、つき上げごころとなるものがある。短刀は平造で内反りつき、生ぶ茎に細鏨の長銘を切り、身幅広い刀や本阿弥極めの大磨上無銘太刀も同じ直刃に逆足を見せる。大筋違の鑢は同派の見どころである。

鑑定の決め手

作品の57%

作品の57%

作品の29%

作品の29%

作風の変遷

典型の青江作域(縮緬肌に中直刃・逆足、鎌倉末期〜南北朝初期)

身幅の広い刀・太刀は鎬造、中鋒、反り浅く、建武頃にはがっちりと健全で、短刀は平造、三ツ棟ないし庵棟、内反りつき、尋常小振りである。鍛えは小板目に杢を交えて所謂縮緬肌となり、地沸厚く、地斑・澄肌を交え、短刀には淡く乱れ映り・映りが立ち、板目が肌立つものもある。刃文は中直刃・直刃調に浅く湾れ、小互の目・角がかった互の目を交え、小足・逆足・葉が入り、匂口締まって小沸つき明るく冴え、刃区を焼き込むものがある。帽子は直ぐないし浅くのたれて小丸または先尖って返り、つき上げごころとなるものが多い。彫物は棒樋に連れ樋、梵字、二筋樋。茎は大筋違の鑢が同派の見どころで、生ぶの短刀は細鏨の長銘を切り、磨上の刀は折返銘に長銘を残す。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi
平造短刀(小板目によくつみ澄肌・乱れ映り、明るく締まった匂口)— 内反りの平造短刀。生ぶ茎に細鏨の長銘(元徳元年の左兵衛尉銘)または二字銘を切る。小板目がよくつんで澄肌・乱れ映りを交え、元徳の短刀は刃区を焼き込む
身幅広い刀・太刀(縮緬肌・地斑に中直刃、逆足)— 「備中国住(人)直次(作)」と銘し、または折返銘となった鎬造の刀・太刀と、大磨上無銘の極めの太刀。縮緬肌・地斑がよく出て、帽子はつき上げごころに尖って返る
研究

銘鑑はその活躍期を嘉暦頃とし、吉次らと共に鎌倉末期より南北朝初期にかけて同派を代表する刀工の一人とする。「備中国住人直次」と銘するのは初代で、左兵衛尉を冠したものもある。

諸記録は、直次の作例中で左兵衛尉を冠する銘文のものは稀有であり、それらには元徳・正慶・建武の紀年銘を有する作品が遺存していると記す。

磨上無銘の太刀について、諸記録は僅かに逆がかって入る小足を「いわゆる末青江の特色がよくあらわれたもの」と読み、大磨上の極めを時代にも極めにも無理のない尋常な中直刃の作とする。

年紀作

在銘年紀作が示す、確実に活動していた年代

活動期間
1329推定期間:1288–1329
指定品4点のうち1点に年紀あり
  1. 1329
    元徳元年Tokubetsu Juyo session 18, item 62

指定

国宝—
重要文化財—
重要美術品—
御物—
特別重要刀剣2
重要刀剣3

名工ランク

0.02 (指定作品5点)

刀工の上位28%

刀姿

評価作品5点の分布

銘

評価作品5点の銘の種類

販売中

系譜

直次
弟子
  1. 1.直次Naotsugu15指定

中青江派

中青江派の他の刀工

  1. 1.次直Tsugunao27指定
  2. 2.直次Naotsugu15指定
  3. 3.吉次Yoshitsugu1 販売中17指定
  4. 4.守次Moritsugu9指定
  5. 5.次吉Tsuguyoshi20指定
  6. 6.貞次Sadatsugu16指定
  7. 7.延次Nobutsugu3指定
  8. 8.行眞Yukizane1指定
  9. 9.久次Hisatsugu1指定
  10. 10.則光Norimitsu2指定
  11. 11.依眞Yorizane1指定
  12. 12.次吉Tsuguyoshi1指定

直次

直次(Naotsugu)は、備中の中青江派の刀工です。

Shoo (1288-1293)に活動しました。

作風は備前伝に属します。

直次の作品には、特別重要2点、重要3点が指定されています。