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概要·鑑定·指定·伝来·刀姿·銘·系譜·流派
概要鑑定指定伝来刀姿銘系譜流派
  1. 流派
  2. 青江
  3. 末青江
  4. 守次

Aoe Moritsugu

守次

特重
巻 18, 番 61 · 太刀

Aoe Moritsugu

守次

評価作品9点

国備中時代Enbun (1356–1361)時代区分南北朝流派Aoe伝法備前伝藤代Jo saku刀工大鑑900(上位10%)種別刀工コードMOR361
3重要文化財
1重要美術品
1特別重要刀剣4重要刀剣

概要

守次は備中青江の刀工で、その名は青江派の祖と伝える安次に由来するとされ、古青江の頃から南北朝にかけて数代の手が継いだ。説明書はこの名に慎重で、「銘鑑」は古青江の中にも複数の同名工を挙げ、その名跡が以後も継承されたと記す。ゆえに現存作は、鎌倉末期と鑑せられる作から、南北朝中期の文和・延文の年紀を有する作にまで及ぶ。記録は初期の力強い太刀と末期の年紀ある短刀の二面に分かれ、後者のうち延文の一口について説明書は、これが名跡最後の守次の作であると明言し、「本作はその最後をかざる守次の作である」とする。

両面を貫くのは、おだやかで明るい直刃である。末期の短刀では刃文が匂主調に冴え、匂口締りごころとなって小沸つき、文和年紀の一口を説明書は南北朝青江の直刃出来の一典型とする。初期の太刀でも同じ線は直刃を基調に小互の目・小丁子を交え、小足入り、金筋細かに入って匂口明るい。鑑定者が何より取り上げるのもこの質で、匂口のしまった明るい直刃を焼いて塩相の深い様を成すさまを「塩相の深い様は見事であり」と評し、そこから「守次の技術の高さが窺い知られる」とする。

地鉄は青江の鉄を二つの強さで見せる。初期の二字在銘の太刀では小板目に小杢を交え、肌目細かに立ちごころとなり、地沸が微塵につき、地景細かに入り、区際よりやや淡く乱れ映りが立つ、記録中最も精緻な地である。年紀ある短刀ではやや肌立ち、時に流れごころの板目に地斑・地斑状を交え、その上に映りが鮮明に立つ。帽子はいずれも直ぐ調に小丸へ返り、時に掃きかけ、太刀には表裏に棒樋を掻き通す。

年紀ある作のうちに、説明書はこの期の核心を説く。この代の青江は沸めだたずほとんど匂出来となり、そこには「伝統的な直刃出来と以前には見られなかった華やかな逆丁子の刃文の二様がある」とする。守次自身の作はその第一、伝統的な直刃に属し、第二の逆がかった線は、重要美術品の短刀の逆がかった互の目に触れるにとどまる。そこでは刃文が匂出来の濡れに逆がかった互の目を交え、足が入る。姿も時代を映し、初期の太刀は身幅広く力強く、腰反り高く重ね厚く踏張りのある建武頃の体配となり、短刀は平造で寸延びごころ、あるいは僅かに内反りごころとなる。稀な菖蒲造の一口を、説明書は守次に限らずこの派の作に珍しいと記す。短刀の数口は櫃内に三鈷剣、あるいは護摩箸の彫を伴う。

一派の中に本工を据えるのは、まさに極めの言うところである。末期の青江が新たに生んだ華やかな逆丁子に対し、守次は一派の古い線、すなわち小板目の地に立つ明るい乱れ映りと締まって冴えた直刃を守る。力強い初期の太刀は直刃と映りの古典的な青江の作風に属し、年紀ある短刀は長く続いた守次の名跡を閉じる。本工の一口は同派の常の出来に極めて近く、その極めは個性以上に時代と一派に拠るとされる。最も確かな外的な拠り所は資料的なもので、説明書は最上の太刀の銘振りが上杉家伝来の太刀、重要文化財「号輪宝太刀」の手と全く同一であるとし、ただ棒樋を茎まで掻き通したために銘が棟寄りではなく平地に切られた点のみが異なるとする。

収集の観点では、稀でしずかな名である。藤代の極めは上作、刀剣の評価も中の上に位置する。国宝はない。その記録は重要文化財の級、うち三口を数え、特別重要刀剣の太刀一口に重要刀剣四口、さらに戦前の重要美術品の短刀一口を通じて、指定を受けた作は九口が記録に遺る。最も名高い一口、上杉謙信とその家に伝わった輪宝太刀は東京国立博物館に蔵され、所有というより遺産である。重要美術品の短刀は山形の鈴木家にあって認定を受けた。残る特別重要刀剣・重要刀剣の太刀が、私蔵と所在の知られる手に遺る作であり、それさえ世に出ることは稀である。この期の守次が現存稀なためで、在銘の青江守次が収集家のもとに現れることは稀な出来事であり、青江派がその古い直刃を一派の末まで伝えた証である。

鑑定

一人の青江の手の二つの面:年紀のある南北朝の短刀に見る匂主調の締まった直刃と地斑・映り立つ肌立ちごころの板目と、建武頃の力強い二字在銘の太刀に見る小板目に小杢を交えた淡い乱れ映りと小互の目・小丁子を交えた明るい直刃、すなわち一派の伝統的な直刃の傍らに立つ逆丁子の新様

Moritsugu is an Aoe smith of Bitchu, the name said to descend from Yasutsugu, the traditional founder of the school, and carried by several hands from the Ko-Aoe period down to the close of the Nanbokucho. The published sources place the dated extant works in the mid-Nanbokucho Bunwa and Enbun years and call their maker the last Moritsugu to bring that long tradition to a close, while one undated two-character signed tachi is judged to the very end of Kamakura through the opening of Nanbokucho. His record divides cleanly in two. The dated tanto and shobu-zukuri pieces are nioi-dominant suguha, the nioiguchi tight, the steel an itame that stands a little with jifu and a clear utsuri, the boshi a ko-maru, several carrying a sankoken or goma-bashi in the groove. The early two-character tachi is the powerful Kenmu shape, wide with high koshizori and thick kasane, a ko-itame mixed with ko-mokume carrying fine ji-nie, chikei and a faint midare-utsuri, over which a bright suguha base mixes ko-gunome and ko-choji. Against this traditional suguha the published sources set a second manner of the group, a splendid saka-choji not seen earlier, of which the Bitchu reverse-slanting gunome stands as evidence; the bright, tight suguha tachi whose hand matches the Uesugi Rinpo Tachi marks the height of his skill.

鑑定の決め手

本工の伝統的な直刃の手にはない特徴

作風の変遷

年紀のある南北朝の短刀(一派を閉じる直刃の手)

年紀の遺る作は短刀と一口の菖蒲造で、文和・延文の年紀を有し、説明書はこれを守次の名跡の末期・最後の段と読む。姿は時代を映し、平造で寸延びごころ、あるいは僅かに内反りごころとなり、重ね薄く、稀に菖蒲造もある。地鉄は板目やや肌立ち、時に流れごころとなり、地斑・地斑状の交じった肌に地沸つき、映り鮮明に立つ。刃文は直刃で、匂主調に冴え、匂口締りごころとなり小沸つく。一口は直刃がほつれて金筋の入る常と趣を異にした出来で、説明書がこれを取り上げる。帽子は直ぐに小丸、時に掃きかけ、あるいは先尖って僅かに返る。数口は櫃内に三鈷剣、あるいは護摩箸を彫る。説明書はこの一典型の短刀を南北朝青江の直刃出来の代表とし、その伝統的な直刃に対し以前には見られなかった華やかな逆丁子の一様を挙げ、逆がかった互の目を交えた短刀がその証となる。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi

二字在銘の太刀(鎌倉最末期乃至南北朝初期)

もう一つの面は、鎌倉最末期乃至南北朝初期と鑑せられる二字在銘の太刀である。姿は力強く建武頃のもので、身幅広く元先の幅差さまで目立たず、重ね厚く、踏張りがあり、反り高く腰反りつき、中鋒やや延びごころとなる。地鉄は小板目に小杢を交え、肌目細かに立ちごころとなり、地沸微塵につき、地景細かに入り、区際よりやや淡く乱れ映り立つ。刃文は直刃を基調に小互の目・小丁子を交え、小足入り、匂口しまりごころに小沸つき、金筋細かに入り、匂口明るい。帽子は直ぐ調に浅くのたれ先小丸に返り、表裏に棒樋を掻き通す。説明書は匂口のしまった明るい直刃仕立てに塩相の深い様を見事とし、守次の技術の高さを窺わせるとし、その銘振りが上杉家伝来の太刀、重要文化財「号輪宝太刀」と全く同一の手であると記す。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi
研究

説明書は、守次が伝統的に青江の祖安次の子とされる一方、「銘鑑」が古青江の中にも複数の同名工を挙げ、その名跡が南北朝まで継承されたと記し、現存作が鎌倉末期から文和・延文に及び、年紀ある作はその伝統を閉じる最後の守次の作であるとする。

年紀ある短刀について説明書は、此の期の一派の作風が沸めだたずほとんど匂出来となり、伝統的な直刃出来と以前には見られなかった華やかな逆丁子の刃文の二様があると観察し、菖蒲造の作は守次に限らずこの派の作に珍しいと記す。

指定

国宝—
重要文化財3
重要美術品1
御物—
特別重要刀剣1
重要刀剣4

名工ランク

0.34 (指定作品9点)

刀工の上位7%

伝来

伝来記録3件 の鑑定作品における Moritsugu

伝来ランク

名家所蔵2点、伝来記録3件

刀工の上位53%

素点:1.96 / 10

刀姿

評価作品9点の分布

銘

評価作品9点の銘の種類

販売中

系譜

Moritsugu
弟子(3名)
  1. 1.恒次Tsunetsugu13指定
  2. 2.成次Naritsugu
  3. 3.行次Yukitsugu

Aoe派

Aoe派の他の刀工

  1. 1.次直Tsugunao27指定
  2. 2.康次Yasutsugu11指定
  3. 3.直次Naotsugu15指定
  4. 4.恒次Tsunetsugu13指定
  5. 5.包次Kanetsugu9指定
  6. 6.吉次Yoshitsugu1 販売中17指定
  7. 7.助次Suketsugu15指定
  8. 8.正恒Masatsune16指定
  9. 9.爲次Tametsugu6指定
  10. 10.俊次Toshitsugu6指定
  11. 11.守利Moritoshi9指定
  12. 12.次吉Tsuguyoshi16指定