真景(さねかげ)は、伯耆国(現在の鳥取県)の刀工で、古伯耆派に属する。銘鑑によれば大原真守の門とされ、その活動時期は元暦(1184-1185)頃と伝えられる。しかし、一部には安綱よりも年代が遡るとする説も提示されており、その位置づけは必ずしも明確ではない。古伯耆派は、安綱を祖とし、その子とされる真守、有綱、貞綱、安家などを含み、平安時代後期から鎌倉時代初期にかけて栄えた一派である。現存する在銘作は極めて少なく、資料的に貴重な存在である。
真景の作風は、同時代の古備前物に類似した小乱れ主調の刃文を焼くものの、古伯耆派全体の特色として、鍛えは板目が大模様に肌立ち、地景や地斑を交えて黒みがかる点が挙げられる。焼刃は匂口がうるみごころに刃肌が立ち、金筋・砂流し等が頼りにかかり、処々小互の目や小のたれが目立って交じるなど、古備前のそれとはやや趣を異にし、一段と野趣をおびる。刃文は小乱れに丁子ごころ交じり、匂い深くよく沸つき、砂流ししきりにかかり、金筋が入るなど、働きが多い。茎は磨上げられたものも現存するが、生ぶ茎の作も確認されており、その場合は先浅い刃上がり栗尻となる。
真景の刀は、大きな板目肌と古雅な小乱の刃文などから、安綱一類と推定される。地刃が安綱に比較して、むしろやや古調であり素朴である点から、古備前などと相違する地方作と首肯される。作柄は、沸が凝って潤みごころとなり煙る状を呈し、元を焼き落としている点など、古伯耆物の特色を顕現している。古雅な雰囲気を醸し出した優品として評価される。