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概要·鑑定·指定·伝来·刀姿·銘·系譜·流派
概要鑑定指定伝来刀姿銘系譜流派
  1. 流派
  2. 青江
  3. 末青江
  4. 次吉

Aoe Tsuguyoshi

次吉

特重
巻 9, 番 26 · 脇差

Aoe Tsuguyoshi

次吉

評価作品16点

国備中時代Teiji (1362–1368)時代区分南北朝流派Aoe伝法備前伝藤代Jo-jo saku種別刀工コードTSU151
2重要美術品
2特別重要刀剣12重要刀剣

概要

十一世紀初頭の往来物『新猿楽記』は、諸国の名産を列ねるなかに既に「備中ノ刀」を挙げており、その高名を受け継いだのが、高梁川下流域に栄えた青江の刀工たちである。次吉はその一派の南北朝の盛期に立ち、説明書は本工を次直・守次らと並べて十四世紀半ばの代表的な青江工の一人とする。年紀のある在銘作は延文・貞治・康安の各年、すなわち千三百五十年代から六十年代に及び、その大半は身幅広く重ね薄く反り浅い短刀・寸延びの脇指で、時代の姿を飾らずに示す。数口は今も生ぶ茎で、指表に長銘、裏に年紀を切り、その手を一年ごとに辿ることができる。

その作風を説明書が最も丁寧に描くのは、これが二様にきれいに分かれるからである。本工は締まって明るい直刃と、華やかな逆丁子乱れの二つを焼き、判者は二人の青江の名工をめぐって同じ区別に繰り返し立ち返る。すなわち「概して次吉には直刃が、次直には逆丁子乱れが多く」、いずれの刃文でも匂口は締まって冴える、と。直刃こそ本工の本領の作域である。これらの作で本工は中直刃あるいは細直刃を焼き、処々浅くのたれ、小足・葉・逆足ごころを交え、匂勝ちに小沸つき、刃中に細かな金筋がかかり、匂口は締まってことに明るい。説明書が本工と一派の最大の見どころと名指すのはこの冴えで、すなわち匂口が「しまり、明るく冴える」ことである。

地鉄が青江の残りの見どころを担う。よく約んだ小板目に、時に小杢を交えてやや肌立ち、地沸が微塵につき、細かな地景が入り、説明書が縮緬肌とも称する地斑状の肌合と澄肌を交じえる。棟寄りに乱れ映りが立ち、優れた作ではさらに刃寄りにも筋状の映りが立って、二つが重なり二重三重の段映りを形成し、かね冴える。帽子は直ぐに小丸となり、しばしば尖りごころに返り、時に返り長く、または少しく掃きかける。茎は一派の掟通り大筋違に鑢をかける。ある康安紀の短刀について判者は、「区際まで深く大胆に焼き下げた帽子の返り」を特記し、直刃出来には珍しい出来口ながら、品を落とさずむしろ小気味よく仕上げるとする。

第二の作域はより少ない方の面である。僅かな作で刃文は開いて、互の目を交えた華やかな逆丁子乱れとなり、逆足・葉が入り、匂勝ちに小沸つき細かな金筋がかかり、帽子は乱れ込んで尖りごころに返る。同じ作では乱れ映りが顕著に立つ。判者はある脇指を、逆丁子乱れと映りが相俟って同派の特色をよく示す代表作とし、ある年紀の短刀には本間の談として、この南北朝の一派において「最も匂口の冴えた短刀の丁子を上手に焼くのはこの工あるいは次直である」と記す。在銘作の傍らに第三の記録が立つ。本工と極められた大磨上無銘の刀で、身幅広く豪壮な姿に明暦三年の本阿弥折紙を留め、地斑の現れる板目地と逆足の入る匂出来の直刃ゆえに、判者は個性ではなく地刃からこれを本工の作と首肯する。

同じ一派のうちで次吉を分かつのは、まさにこの均衡である。華やかな逆丁子乱れに傾く次直に対し、本工は二人のうちの直刃の手と読まれる。匂口は両者ともに締まって明るいが、穏やかな刃を選ぶのが本工である。また、その直刃を小沸出来でやや沈んだ匂口とする先行の古青江に対し、本工のそれは南北朝の冴え、締まって明るく延べたものである。判者は直刃を本工の「お家芸の直刃」と呼び、これを焼いてその本領を発揮するとし、その優作を同作中傑れた出来映えと名指す。

収集の観点では、本工は手の届かぬ稀品というよりは、確かな格をもつ南北朝の名である。藤代の極めは上々作。国宝はなく重要文化財もなく、その記録は近代の指定を通じ、十四口が特別重要刀剣・重要刀剣の級にあり、うち二口が特別重要刀剣である。説明書は生ぶで年紀のある在銘作を同工研究の好資料として貴び、ある特別重要刀剣の脇指を同作中傑出の出来とする。その来歴は大名家を通る。梅鉢紋を金蒔絵で八個配した黒蠟色塗合口拵を伴って前田家に伝来した特別重要刀剣の脇指があり、本阿弥折紙と紋散らしの短刀箱を留めて閑院宮家に伝わった短刀があり、さらに前田家・有馬家に伝わる作が記録される。在銘の次吉が世に出ることは多くなく、指定を受けた作の大半は売買されず手元に置かれるが、重要刀剣の短刀や脇指は折にふれて姿を見せ、年紀のある在銘の一口は、備中青江を集める者が望み得る最も辿りやすいもののひとつである。

鑑定

説明書が明示する二つの作域に見る一人の南北朝中期青江の手:主体をなす締まって明るい直刃を地斑・澄肌・段映りの小板目地に焼いたものと、より少ない華やかな逆丁子乱れ。直刃を本領とし逆丁子は次直に多いとする学説に枠取られ、締まって冴える匂口と大筋違の茎によって一派として束ねられる

次吉は南北朝時代中期の備中青江の刀工で、説明書は次直・守次らと並べて本工を同時代の一派を代表する一人とする。年紀のある在銘作は延文・貞治・康安の各年、すなわち十四世紀半ばの作で、その大半は身幅広く重ね薄く反り浅い短刀・寸延びの脇指であり、時代の姿を素直に示す。作風には締まって明るい直刃と華やかな逆丁子乱れの二様があり、説明書は概して次吉には直刃が多く、逆丁子は次直に多いと一致して説く。地鉄はよく約んだ小板目に細かな地沸・地景がつき、青江の地である地斑と澄肌を交じえ、棟寄りに乱れ映りが立ち、優れた作では刃寄りに二重三重の段映りを形成する。これに中直刃ないし細直刃を焼いて小足・葉・逆足を交え、匂口は締まって明るく冴え、帽子は直ぐに小丸となって尖りごころに返ることが多い。説明書はこの匂口の締まりと冴えを本工と一派の最大の見どころとし、茎は青江の掟である大筋違に鑢をかける。極められた大磨上無銘伝次吉の刀も、同じ青江の地と穏やかな匂出来の直刃を繰り返す。

鑑定の決め手

締まって明るく冴える匂口は、説明書が繰り返し本工と一派の最大の見どころと名指す点で、やや沈んだ古青江の直刃の匂口に対する南北朝青江の冴えである

直刃は群を抜いて主体の作域で、説明書は概して次吉には直刃が、次直には逆丁子が多いと明記する。本工最上の直刃はお家芸と称される本領である

通常の乱れ映り(棟寄り)にはない特徴

備前の基準(勝手下り・切りの鑢目)にはない特徴

作風の変遷

締まって明るい直刃(本領・主体)

本工の代表的な作域は、群を抜いて直刃である。姿は南北朝中期のもので、身幅広く重ね薄く反り浅い短刀・寸延びの脇指、生ぶ茎に長銘を存し裏に年紀を切るものが数口ある。地鉄はよく約んだ小板目で、時に小杢を交えてやや肌立ち、地沸が微塵に厚くつき、細かな地景が入り、青江の見どころである地斑状の肌合と澄肌を交じえる。棟寄りに乱れ映りが立ち、優れた作では刃寄りにも筋状の映りが立って、いわゆる段映りを形成し、かね冴える。その地に対し刃文は中直刃ないし細直刃で、処々浅くのたれ、小足・葉・逆足ごころを交える。匂口は締まり、匂勝ちに小沸つき、明るく冴えて刃中に細かな金筋が入る。帽子は直ぐに小丸となり、しばしば尖りごころに返り、時に返り長く、または掃きかける。茎は一派の掟通り大筋違の鑢である。説明書はこの締まって明るい匂口を直刃の最大の見どころとし、本工の優作を同作中傑出の出来と評する。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi

華やかな逆丁子乱れ(少数の作域)

本工のもう一つの作域は華やかな逆丁子乱れで、説明書はこれを二様のうち少ない方とし、むしろ同僚次直に特徴的とする。これらの作でも地鉄は細かな地沸・地斑に乱れ映りが顕著に立つが、刃文は開いて、互の目を交えた華やかな逆がかりの丁子乱れとなり、逆足・葉が入り、匂勝ちに小沸つき、処々細かな金筋がかかり、帽子は乱れ込んで尖りごころに返る。説明書はある脇指を、逆丁子乱れと乱れ映りが相俟って同派の特色をよく示す典型的な短刀姿の代表作とし、また本間の談として、この一派の南北朝期において最も匂口の冴えた短刀の丁子を上手に焼くのは本工あるいは次直であるとする。

地鉄 Jigane
刃文 Hamon

大磨上無銘伝次吉の刀(青江の極め)

確証はやや弱い

記録の第三の面は、本工と極められた大磨上無銘の刀で、身幅広く大切先の豪壮な姿に次吉と極めた本阿弥の折紙を留める。地鉄はやや肌立つ板目に地斑が現れ、刃文は匂出来の直刃に小沸ごころつき、逆足・小足が入り、表裏に棒樋を掻き通す。説明書はこれらを地刃から南北朝の青江の作と首肯し、その極めは個性ではなく一派の地鉄と穏やかな匂出来の直刃に拠る。

地鉄 Jigane
刃文 Hamon
研究

説明書は次吉の鑑定上の要点を素直に述べる。作風は直刃と華やかな逆丁子乱れの二様で、概して直刃は本工に、逆丁子は次直に多く、締まって明るく冴える匂口が両者共通の見どころである。本間の談に、この南北朝の一派において最も匂口の冴えた短刀の丁子を上手に焼くのは次吉あるいは次直であるとする。

一派の地について説明書は青江の時代的展開を記す。古青江の直刃は小沸出来で匂口やや沈み小乱れを交え、鎌倉後期に沸づきが穏やかとなり、南北朝の作は次吉の代表する明るく冴えた直刃と特色ある逆丁子乱れに締まってゆく。一派にあって尖りごころに返る帽子と大筋違の鑢目が掟として名指される。

指定

国宝—
重要文化財—
重要美術品2
御物—
特別重要刀剣2
重要刀剣12

名工ランク

0.22 (指定作品16点)

刀工の上位11%

伝来

伝来記録5件 の鑑定作品における Tsuguyoshi

伝来ランク

名家所蔵4点、伝来記録5件

刀工の上位13%

素点:2.33 / 10

刀姿

評価作品16点の分布

銘

評価作品16点の銘の種類

販売中

系譜

Tsuguyoshi
弟子(3名)
  1. 1.次吉Tsuguyoshi20指定
  2. 2.次吉Tsuguyoshi1指定
  3. 3.次吉Tsuguyoshi

Aoe派

Aoe派の他の刀工

  1. 1.次直Tsugunao27指定
  2. 2.康次Yasutsugu11指定
  3. 3.直次Naotsugu15指定
  4. 4.恒次Tsunetsugu13指定
  5. 5.包次Kanetsugu9指定
  6. 6.吉次Yoshitsugu1 販売中17指定
  7. 7.助次Suketsugu15指定
  8. 8.守次Moritsugu9指定
  9. 9.正恒Masatsune16指定
  10. 10.爲次Tametsugu6指定
  11. 11.守利Moritoshi9指定
  12. 12.俊次Toshitsugu6指定