連雲図鐔 無銘 -Mumei- 縦66.8ミリ 横62.8ミリ 切羽台厚3.6ミリ 重量76.0グラム 江戸中期 Middle Edo period 附属 桐箱 雲を主題とした鐔は、吉祥を象徴する意匠として江戸時代を通じて数多く製作されました。雲は天と地を結ぶ瑞祥の象徴とされ、単独で意匠化されるほか、龍や月、日輪などと組み合わせて表されることも多く、簡潔な意匠の中に格調ある趣を備えた画題として親しまれています。 本作はやや小振りの円形鉄地に、左右からたなびく連雲を浅い肉彫で表した鐔です。総体は簡潔で均整が取れ、雲の輪郭を緩やかな曲線で描くことで静かな広がりを感じさせます。左右の雲は表裏を通して連続し、鐔全体を包み込むように構成されており、余白を大きく活かした意匠には落ち着いた品格が備わっており、各所には小さな素銅象嵌が散らされ、控えめなアクセントとして単調になりがちな構図を引き締めています。 華美な装飾に頼ることなく、簡素な意匠の中で雲の流れだけを表現した作域は、実用品としての鉄鐔らしい趣をよく示しています。高度な彫技や華麗な象嵌を見せる作品ではありませんが、素朴な意匠と穏やかな構成には江戸時代の町鐔らしい味わいがあり、気軽に鑑賞できる一枚です。






無銘
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