徳川の泰平のもと、大小は法度の定める身分の制服となり、需要は城下町、とりわけ江戸に集まった。工芸は二つに分かれる。目利きのための華やかな鑑賞の作と、截断の結果を金象嵌に刻む実証の刀である。
激しい刃文に目が行く本行の長脇差。本行は豊後出身の刀工で、後に肥前唐津へ移住。鎌倉期の名匠、豊後行平の末裔と称して同銘の行平を名乗っていた。元禄六年頃に江戸に出て修行を積み、その頃に鎌倉の相州綱広に学んで相州伝を会得。本阿弥家から「本」の字を授かると本行と改名し、肥前唐津へ戻ってからは松葉を思わせるくずし字で銘を切ったことから松葉本行と呼ばれた。 本作は長さがあって反り格好も良好。華やかな皆焼風の刃文は沸が厚くついて飛焼きが盛んに入り、不規則な動きを見せて見飽きない。帽子は焼き深く尖り気味に大きく返り、地鉄は板目肌で地景が入っている。生ぶ茎には長銘を切り、裏には貴重な元禄十五年の年紀。差し込み研ぎのため焼刃の働きがとても良くわかる。特別保存刀剣鑑定書附。
















肥前 · 1716-1736頃
刀剣大鑑 上位87%
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江戸時代
徳川の泰平のもと、大小は法度の定める身分の制服となり、需要は城下町、とりわけ江戸に集まった。工芸は二つに分かれる。目利きのための華やかな鑑賞の作と、截断の結果を金象嵌に刻む実証の刀である。
保存刀剣のうち、出来が一層優れ、保存状態も良好と認められたものです。再刃や、室町・江戸期の多くの無銘作は対象外となり、保存刀剣より高い基準が課されます。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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