徳川の泰平のもと、大小は法度の定める身分の制服となり、需要は城下町、とりわけ江戸に集まった。工芸は二つに分かれる。目利きのための華やかな鑑賞の作と、截断の結果を金象嵌に刻む実証の刀である。
日本刀 刀 銘 越前住下坂継広(近江守藤原継広) 日本美術刀剣保存協会(NBTHK)特別保存刀剣鑑定書付 【解説】 近江守藤原継広は、江戸時代前期(寛文年間:1661-1673年)の越前国を代表する名工、三代康継の門人です。 師である康継家は、その卓越した技量から徳川家康公より「葵紋」を茎に切ることを許された、徳川家御用鍛冶として名高い一派です。 継広は、室町時代末期に近江国下坂(現在の滋賀県)で興り、江戸時代初期に越前(福井県)へと移住した「下坂派」に属しています。本作の表には受領銘である「近江守」と「藤原継広」、裏には居住地である「越前住」と派閥を示す「下坂」の銘が刻まれています。また、継広は後に越前を離れ、江戸でも作刀した記録が残されています。 越前国は、実戦的で鋭い切れ味を誇る刀剣の産地として知られ、江戸幕府からも多くの注文を受けていました。同地の鍛冶には、日本五箇伝の一つである「美濃伝」の流れを汲む者が多く、本作にも継広の優れた鍛錬技術が遺憾なく発揮されています。刀身の状態は極めて良好であり、保存状態の良い拵(外装)が付属しています。 本作は日本美術刀剣保存協会(NBTHK)により、特に保存価値が高いとされる「特別保存刀剣」に認定されています。 【刀身】 長さ(Nagasa):64.6 cm 反り(Sori):1.0 cm 刃文(Hamon):焼入れによって生じる刃の文様。 地肌(Jihada):鍛錬によって現れる鋼の表面模様。 茎(Nakago):刀身の柄に収まる部分。 日本刀の茎には、柄内での赤錆を防ぐために意図的に「黒錆」を残します。この茎の錆色や朽ち込み具合は、専門家が製作年代を特定する際の重要な指標となります。 【拵(外装)】 拵とは、鞘、柄、鍔などを含めた日本刀の外装一式を指します。 縁頭(Fuchi-Kashira): 柄の両端を保護する一対の金具です。 本作の縁頭には龍が意匠されています。古来より中国の神話や伝説に登場する龍は、瑞祥(吉兆)の象徴とされてきました。その姿は「九似(九つの動物に似る)」とされ、角は鹿、頭は駱駝、眼は鬼、項は蛇、腹は蜃、鱗は魚、爪は鷹、掌は虎、耳は牛に例えられます。あらゆる動物の頂点に立つとされる龍の文様は、万能の吉祥文様として古くから愛されてきました。 柄・目貫(Tsuka / Menuki): 柄は刀を握る部位であり、目貫はその装飾金具です。 本品の目貫も、縁頭に合わせて龍が意匠されていると思われます。柄巻(柄に巻かれた紐)の間から、その力強い造形が覗いています。 鍔・鎺(Tsuba / Habaki): 鍔は手を守るための護拳であり、鎺は刀身を鞘の中に固定し、刀身が鞘の内側に触れて錆びたり傷ついたりするのを防ぐ金具です。 鉄地丸形の鍔には、左右対称の「透かし彫り」が施されています。植物を抽象化した意匠と思われます。 鞘(Saya): 刀身を収めるための外装です。















越前 · 1661-1673頃
藤代 Chu-jo saku · 刀剣大鑑 上位60%
現在5点販売中
徳川の泰平のもと、大小は法度の定める身分の制服となり、需要は城下町、とりわけ江戸に集まった。工芸は二つに分かれる。目利きのための華やかな鑑賞の作と、截断の結果を金象嵌に刻む実証の刀である。
保存刀剣のうち、出来が一層優れ、保存状態も良好と認められたものです。再刃や、室町・江戸期の多くの無銘作は対象外となり、保存刀剣より高い基準が課されます。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイトReturns/exchanges limited to defects caused by shipping (except willful misconduct or gross negligence by the company); customers must contact within 72 hours of receiving the product.
日本刀 刀 銘 越前住下坂継広(近江守藤原継広) 日本美術刀剣保存協会(NBTHK)特別保存刀剣鑑定書付 【解説】 近江守藤原継広は、江戸時代前期(寛文年間:1661-1673年)の越前国を代表する名工、三代康継の門人です。 師である康継家は、その卓越した技量から徳川家康公より「葵紋」を茎に切ることを許された、徳川家御用鍛冶として名高い一派です。 継広は、室町時代末期に近江国下坂(現在の滋賀県)で興り、江戸時代初期に越前(福井県)へと移住した「下坂派」に属しています。本作の表には受領銘である「近江守」と「藤原継広」、裏には居住地である「越前住」と派閥を示す「下坂」の銘が刻まれています。また、継広は後に越前を離れ、江戸でも作刀した記録が残されています。 越前国は、実戦的で鋭い切れ味を誇る刀剣の産地として知られ、江戸幕府からも多くの注文を受けていました。同地の鍛冶には、日本五箇伝の一つである「美濃伝」の流れを汲む者が多く、本作にも継広の優れた鍛錬技術が遺憾なく発揮されています。刀身の状態は極めて良好であり、保存状態の良い拵(外装)が付属しています。 本作は日本美術刀剣保存協会(NBTHK)により、特に保存価値が高いとされる「特別保存刀剣」に認定されています。 【刀身】 長さ(Nagasa):64.6 cm 反り(Sori):1.0 cm 刃文(Hamon):焼入れによって生じる刃の文様。 地肌(Jihada):鍛錬によって現れる鋼の表面模様。 茎(Nakago):刀身の柄に収まる部分。 日本刀の茎には、柄内での赤錆を防ぐために意図的に「黒錆」を残します。この茎の錆色や朽ち込み具合は、専門家が製作年代を特定する際の重要な指標となります。 【拵(外装)】 拵とは、鞘、柄、鍔などを含めた日本刀の外装一式を指します。 縁頭(Fuchi-Kashira): 柄の両端を保護する一対の金具です。 本作の縁頭には龍が意匠されています。古来より中国の神話や伝説に登場する龍は、瑞祥(吉兆)の象徴とされてきました。その姿は「九似(九つの動物に似る)」とされ、角は鹿、頭は駱駝、眼は鬼、項は蛇、腹は蜃、鱗は魚、爪は鷹、掌は虎、耳は牛に例えられます。あらゆる動物の頂点に立つとされる龍の文様は、万能の吉祥文様として古くから愛されてきました。 柄・目貫(Tsuka / Menuki): 柄は刀を握る部位であり、目貫はその装飾金具です。 本品の目貫も、縁頭に合わせて龍が意匠されていると思われます。柄巻(柄に巻かれた紐)の間から、その力強い造形が覗いています。 鍔・鎺(Tsuba / Habaki): 鍔は手を守るための護拳であり、鎺は刀身を鞘の中に固定し、刀身が鞘の内側に触れて錆びたり傷ついたりするのを防ぐ金具です。 鉄地丸形の鍔には、左右対称の「透かし彫り」が施されています。植物を抽象化した意匠と思われます。 鞘(Saya): 刀身を収めるための外装です。















越前 · 1661-1673頃
藤代 Chu-jo saku · 刀剣大鑑 上位60%
現在5点販売中
徳川の泰平のもと、大小は法度の定める身分の制服となり、需要は城下町、とりわけ江戸に集まった。工芸は二つに分かれる。目利きのための華やかな鑑賞の作と、截断の結果を金象嵌に刻む実証の刀である。
保存刀剣のうち、出来が一層優れ、保存状態も良好と認められたものです。再刃や、室町・江戸期の多くの無銘作は対象外となり、保存刀剣より高い基準が課されます。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイトReturns/exchanges limited to defects caused by shipping (except willful misconduct or gross negligence by the company); customers must contact within 72 hours of receiving the product.